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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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吾輩はバイク屋へヘルプに入るのである!


 「ウニャン?」


 「ナーオ・・ブニャン?」


 「ミャオミャオ・・・ウミャンミャン。」


 「アァーウ・・・ウワアァーオォ。」


 「ニャーン。」


 なるほど、理解した。

 近所のニャー吉が言うには、最近バイク屋が左団扇状態らしい。

 どうやら商店街に出来た宅配寿司屋からジャイロスクーターの注文が大量に入ったようだ。


 仕事師の我輩としてもこれは見過ごすわけにはいかない。

 早速ヘルプとしてゴミ虫バイク店へ。


 荷台部分になるのだろうか?

 大きな箱にテープを巻いている。

 お手伝いの為、爪を立ててテープを撫でる。

 綺麗な縦溝がついたようだ。


 おぉ?どうやらその箱を塗装するらしい。

 毒キリモクモクの中、作業が終了したのかその場を離れるゴミ虫。

 逆に近づく我輩は・・・工具に躓き体当たりをしてしまった。

 悲しいかな、箱には間抜けな猫の姿がくっきりと印刷される事に。

 

 イライラした我輩は箱中に肉球マークを捺印。

 前足は近くにある”新車”と書かれたバイクの椅子にネチッてやった。

 勿論爪を立てて。


 日中はこれぐらいにして休憩の為一旦帰宅。

 体がねちょねちょするのでいつもの様に御子息のベッドへ。



 - 夕方 -


 迂闊にもそのまま寝過ごしてしまった我輩。

 飛び起きて再びバイク屋へ。


 ゴミ虫は仕事の詰めに入っているらしい。

 何故なら”ぱそこん”なる魔法の計算機でカタカタ打ち込んでいから。

 毎日最後は決まってそれを使い、何かをしているのだ。

 

 我輩には理解できない複雑な数字が画面に浮かび上がっている。

 仕方がない、手伝ってやる事にしよう。


 まずはキーボードの上に飛び乗り、そのまま背を丸くして座る。


 「なんだニャゴロー、構ってほしいのか?だけどキーボードの上に乗るのは勘弁してくれよ。」

 

 反応が薄い。

 我輩の仕事スキルにひれ伏せさせる為、今度はその上で転がりまわってやった。


 「ニャニャーン。」


 この時何故か”ぱそこん”の電源が落ちた。

 

 「あわわわ・・・きょ、強制終了って・・・半日かけて作製した請求書がパー・・・。」


 青い顔して喜ぶゴミ虫へ『仕事のお礼は結構』の意味も込めて画面を撫でる。

 勿論ここも爪は全開で。


 余りの嬉しさに四つん這いで泣くゴミ虫をそのままにしてバイク屋を後に。

 

 今日も我輩いい仕事しましたねぇ。


 



 

 

 

 

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