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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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195/218

吾輩はお礼をご遠慮申し上げたいのである!


 にゃんにゃんにゃん♪

 ご機嫌な我輩は今日もせっせと得意先回り。

 

 ここ最近は仕事らしい仕事をしていないからな。

 働かざる者食うべからずなのだ。


 

 ―― 商店街にて ――


 お!

 肉屋のシャッターが開き始めたぞ!

 では早速……


 {ドンッ!}

 「ニギャッ!」


 軽やかに第一歩を踏み出したその瞬間!

 何かが我輩に体当たり!


 {ゴロゴロゴロ!}

 「ウニャアァァァァァァァ……」


 そのままアーケード内を転がり表通りまで!

 そして……


 {キキキィッ……ドンッ!}

 「グギャッ!」


 ♪チャララッチャッチャー

 ♪チャララッチャッチャー

 ♪チャララッチャーラッチャーゥンチャッチャー


 

 酷い目に遭ったな。

 我輩でなければ死んでいるところだぞ!

 それにしてもダンプカーの破壊力と言ったらないな。

 危うくハチワレ模様の絨毯になるとこだったわ!


 それにしてもさっきのはなんだ?

 我輩の数倍はある塊がぶつかってきおった。

 ニャン吉やニャン太郎でないのは確かだな。

 ウ~ム。


 気を取り直して再び商店街へ。

 瀬戸物屋前に差し掛かった途端、またしてもそれは起きた。


 {ドンッ!}

 「グニャッ!」


 今度は転がらずにジャストミートでライナーの当たり!

 真っ直ぐコップの山へストライク!


 {ガチャガチャパッリーン!}

 「ニギャアァァァァァァァァァッ!」


 ♪チャーララーララチャラッチャー

 ♪チャララチャーララララッチャー

 

 

 おいおいおいおい!

 全身ガラスの破片で血まみれではないか!

 幾ら我輩といえど、この量の血液が流れ出れば失血死してしまうぞ!


 ……なめちゃえ。

 ふぅ~、これで一命はとりとめたはず。

 唾殺菌は最強の薬だな。

 危ない危ないっと。


 それにしても今日の商店街はなんだ?

 明らかに我輩を殺しに来ているのと違うか?


 これ以上ここに居ると本当に命を落としかねん。

 今日は商店街のお得意様は諦めて公園の釣り師相手にお手伝いでもするか。

 まったく、今日は本当になんなんだ!



 ―― 公園内川沿い堤防にて ――


 お!

 早速釣り人を発見!

 それならば道具箱の軽量化をお手伝いして……


 ニャゴローは高価そうな釣り道具を物色。

 釣り師に悟られぬよう、少しずつ川へ落とした。

 そしてあらかた捨てたその時!


 {ドンッ!}

 「グニャンッ!」


 またしても何かが体当たり!

 そのまま真っ直ぐ川の中へ!


 {ドッボーン!}

 「グヘッ!……ブニャッ!……ゴホッ!…………」


 こうしてニャゴローは冬の冷たい川底へと誘われていく。

 そして薄れゆく意識の中で、なぜか雪だるまを思い浮かべた。

 

 

 ―― 答え合わせ ――

 ・彼に体当たりしてきたのは犬

 ・家具屋から解放された犬達は未だに逃走中でニャゴローを見て飛びついただけ

 ・お礼の意味も込めた愛情表現だったが、体格差のせいで毎回吹っ飛ばされる。

 ・道路に飛び出したとき、運悪く偶々通りかかったトラックにはねられた

 ・店に飛び込んだとき、運悪く偶々瀬戸物屋の割れやすいガラスコーナーへ

 ・川に飛び込んだとき、運悪く偶々水を飲んでしまい溺れた

 ・思い浮かんだ雪だるまとは言わずと知れたグレートピレニーズ犬


 最後にニャゴローだが、彼は釣り人に釣り上げられ緊急措置を施される。

 内臓を抉り出すような釣り師のボディブローで水を吐き出し命を吹き返した。


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