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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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吾輩は刺激臭のある液体が苦手である。


 我輩最近どうも仕事に身が入らない。

 これが世に言う夏バテ?


 以前は勘違いだと理解したのだが、どうやら今回は本物らしい。

 体感的に蒸し暑くて呼吸も早くなっているからだ。


 食べ物もあまり喉を通らない。

 あれ程好きなカーネルジジィ印のチキンを煮えたぎる油へ放り込んだものでさえご遠慮といった始末。

 それでも仕事は休むわけにいかず、体に鞭打って出かけるとしよう。


 それにしても熱い!

 家を出てすぐにバテ始めた我輩は、バイク屋のゴミ虫付近にある少しだけピンクの水を飲む。


 「あっ!ニャゴロー!!お前それガソリン・・・」


 道路を1万回程転げまわる結果に。

 体液全てを放出してしまいそうな苦しさを癒す為、今度は間違えないよう隣にある無色透明の液体で・・。

 

 「おいおいニャゴローっ!それはシンナーだぞっ!?」


 バイク屋の家中を5万回程のた打ち回る。

 痛いやら臭いやら喉が焼けるやらの拷問を受ける結末に。

 

 ほんの30分程すれば苦しみも和らぎ、気付けば娘に抱き抱えられていた。


 「よかった。ニャゴロー死ぬんじゃないかと思ったわよ?アナタどうしたのよ??そのまま暴れられたらお父さんの大切にしている”ミリタリー系のプラモデル”を壊されかねないから少しだけ大人しくしててね。」


 その言葉を聞いて娘の腕から飛び出す我輩は、猫ロケットとなりて、プラモ目がけて飛んでいく。

 ガラスのケースに入っていたから割れない様にそっと開けて・・・中身を全部外へ出した。


 その後東京大空襲より激しい猫爆の末、ゴミ虫親父部隊は全滅。

 修理不能なまでに叩きのめしてやる。


 「あぁっ!?ニャ・・ニャゴローよ・・・お前なんて事を・・・おぉぉっ!!」


 大の大人が泣き喚く姿を見て、我輩少々やりすぎたと反省。

 お詫びの意味も込めて、彼の顔面ほんの1cm程前で誠意あるオナラを。


 照れ隠しの為、ゴミ虫親父の顔をキチンと見ることなく走ってバイク屋を後に。

 いつの間にかバテている事さえ忘れていた。



 これで明日からは本当の意味で完璧に仕事が熟せそうだ。

 


 


 

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