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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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吾輩はやはり寒さが苦手である!


 目覚めてビックリ、そこは一面の銀世界!

 沿岸部に位置するこの三河家がある地域は比較的雪が少ない。

 それでも年に何回かはこうして積もる事があるのだ。


 猫達は寒いのが嫌い。

 だからと言って苦手なワケではないのだ。

 なにも庭を駆け回るのは犬だけに限った事ではないぞ!


 「ニャゴロー、あんたドロッドロになって帰ってきたら分かってるだろうね?」


 安土桃山時代の英傑を思い起こさせるような御屋形様のお知らせ。

 遠回しに言う言葉の意味はなんとな~くしか理解できない我輩。

 それでも言いたいことは大凡の予測がつく。

 

 ”なにか„をすれば我輩自身の存在を消滅させられるのだろう。

 問題はその”なにか„なのだが……


 そして朝食を済ませ、玄関の専用小窓からいざ出勤!

 わおっ!


 目が潰れる! 

 眩しすぎる!

 まるでアビシニアンのメスではないか!


 とまあ、バカな事はこれぐらいにしておくか。

 それにしても冷たいな。


 一歩足を踏み出す度にザクッっと耳障りな音がする。

 そして肉球はベタベタに。

 

 しかし!

 それを上回る快感の肉球判子が!


 何者も未通達の場所で飛び跳ねる我輩!

 塗りたてのコンクリ程ではないにしろ超気持ちいい!

 サイコーッ!


 あっ!

 向こうにネコの集団が!

 ウエェ~イッ!


 雪原を滑るようにして彼等のもとへ。

 そこには公園で顔を見せるいつものメンバーがいた。


 ムム?

 心なしか彼等の顔色がすぐれない。

 どうしたのか?


 周りには彼等による無数の足跡以外何もない。

 人間の形跡すらないし……ハテ?


 いつもなら猫背が普通の状態な我輩猫達。

 この時ばかりは取引で大失敗をし、肩をガックリ落としたリーマンにも見えた。


 いったいなにがあったのだ?

 我輩は知的溢れるロダンの考える人ポーズで解明を急ぐ。

 そしてこの格好のおかげである事に気付いた。

 

 顎のあたりに前足を持って来た時、なんとな~く感覚が鈍い。

 しかも……痒い?

 違和感を感じ前足を顔の前へ運び、よーく見ると……


 あっ!

 なんだこれは!?

 肉球がパンパンではないか!


 改めて周りの猫達に目を向ける我輩。

 誰一人として例外なく足先がいつもの倍ぐらいに膨れ上がっている。

 これはもしや新種の伝染病か!?


 それにしても……痒い!

 でも掻くと痛い!


 痛い痒い痒い痛い!

 ウキャアァァァァッ!


 しかしそこは動物、自然界への高い適応能力を人間達へと見せつける!

 強さこそが正義!

 そして強靭な体力こそが誇り!

 彼等の住む階層は弱肉強食が常なのだ!

 弱き者などすぐに淘汰されてしまうのだから!


 暫くして、しもやけの痛痒さに慣れてしまったこの町の猫達。

 寧ろその大きさがオシャレのトレンドとなったそうな。

 恐るべし野性パワー!



 因みにニャゴローは長期休暇へ入る事を余儀なくされる。

 彼の場合は慣れるどころか全ての足が三倍にまで膨れ上がったそうな。

 あと御屋形様に怒られて他の場所も……

 悲しき家ネコの弱さが露見した出来事であった。

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