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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
163/218

吾輩は時差ぼけである!


 ニャゴローが帰って来た!

 

 瞬く間に街へと広がる朗報。

 我輩なくしてこの町は成り立たないのである!

 寂しがりやばかりだな全く……。


 (少しニヤケ面のニャゴロー)


 

 秋も終盤、まだ少し肌寒いものの、もう着ぐるみを着なくても大丈夫。

 体毛が揃いつつあるのだ。

 でもまだ脱がないでおこう。

 その方がなにかと都合いいのだから。


 それにしてもなんだか体がおかしい。

 行動時間が昼夜丸っと逆転してしまい、なんだか頭もボーっとする。

 もしかして病気にでもなったのであろうか?

 

 注:時差ぼけ


 

 そんな体調不良でも我輩は仕事戦士、休むワケにはいかぬ!

 早速近所のバイク屋へ。


 冬が近いせいか、奥の方にスモウブとか呼ばれる暖房器具が出してあった。

 しかも全開稼働中。


 この呼称からして、あの団子のような人間達のファイトと関係あるのだろうか?

 そりゃ見るからに暑苦しいけれども……

 まあ、この際名前の事は置いておくとするか。

 

 店主と言えば……

 う~む、どこにもいないな?

 もしかしてまたウンコか?

 となれば……


 半透明の容器に入った淡いピンク色の水。

 こぼせばすぐに蒸発してしまう謎の液体。

 そして目に入ると焼けるように痛い新種の凶器。

 

 こいつは確か火を近づけると花火みたいになるはず。

 いつものように鉄のカンカンへ入れられていると手の出しようがなかった。

 ラッキー!


 我輩の身体ほどもあろうかと思われる容器をなんとかスモウブの前まで運ぶ。

 時間をかけてゆっくりローストすればやがて花火は上がろうて。

 ニャハッ!


 おっと、忘れるところだった!

 サービスに対してアレを置いておかなければ!


 一旦カチャカチャマシーンへ戻り、慣れた前足付きで操作。

 チーンとなっと。

 そして中からいつもの諭吉ではなく英世を。

 色的にもバッチリ!


 再びスモウブの前まで行き、ピンクの水が入った容器の下へ英世を差し込む。

 シップってやつだ。

 たしかそんな発音だったような。


 そこは我輩メリケン帰り、早速学習してきたことを披露。

 応用でゲロも吐いておくとするか。


 それにしてもこいつの前は暖かいな。

 少しだけ……少しだけ休んで行こう。


 そして何時しか眠りの中へ。

 この時ニャゴローは夢を見た。

 南国のビーチで太陽に照らされ、日焼けどころか大火傷する夢を……



 「ニャッ!」


 あまりの暑さで目が覚める我輩!

 暖かいなどとの段階は当に超えているのだ!

 にしても熱い!

 

 このままでは生命の危機に陥り兼ねない!

 状況の確認をする為、上体を起そうと背筋に力を入れたら……


 「ニギャ?」


 体が動かない!

 これはどうしたというのだ!?


 「おー、ニャゴロー、目が覚めたか? 久しぶりに見かけたらストーブの前でグッスリ眠ってるんだもんなお前さん。……隣に不凍液を置いて。お前の事だ、そいつを使って俺になにかサプライズをしようって魂胆だろ? それともそいつが気に入ったか? あげようにもそいつはこれから使わなければいけないし……そうだ! こっちの缶に入っているそれと似たピンクの液体をその着ぐるみの中へプレゼントするとしよう! そうしよう!」


 ゴミ虫だ!

 ヤツに見つかった!

 しかも全身紐でぐるぐる巻きになっておるではないか!

 なぜこんなにされるまで気付かなかったのだ!?

 

 注:時差ぼけ



 この後、ニャゴローの体にある穴という穴から液体と固形物が噴出したそうな。

 勿論痛さで……


 

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