吾輩は寒さに耐えられないのである!
先日、全身の毛を剃られてスキンボディとなった我輩。
冬も近いと言うのに最悪である。
このままだと凍え死んでしまうのではなかろうな?
「あぁっ!何てことなの猫ちゃんっ!!ささ、家へ入りなさい。」
トボトボ病院前を歩いていると、言葉とは裏腹に強引な確保&連行。
この町の住人に似つかわしくない品のあるミセスにキャッチされる。
彼女は病院関係者なのだろうか?
我輩を抱えたまま、消毒液の臭いと死期の近い老人が群れなす院内へ。
「ニャ~ン。」
お!
ニャではないか!?
そう言えばよくこの近所で見かけるな?
彼女は我輩を抱いたミセスの後を一緒についてくる。
知り合いなのだろうか?
「ほーら、こっちよ。」
なんと!
病院を抜けると奥には大豪邸が!
ソーセージの国にあるノイシュヴァンシュタイン城もびっくり!
TVショーで見ただけで行った事ないけど・・・。
要するにだ、この城の主が趣味で病院を経営しているのだな?
いつも老人たちが大勢いるのはタダで診ているからなのではないのか?
ボランティアのフリをして赤字経営を計画的にしているというワケか。
で、この城を建てる程収益の出る本業から税金をちょろまかしているのだな?
許すまじその悪行の数々!
※注:ニャゴローの勝手な思い込みです
天に代わって成敗してくれるわ!
それっ!
「あっ!ちょっと大人しくしてて!!」
ミセスの腕から脱出を図るもしっぼをギュッと抓られる我輩。
鳴き声すら出せない程に痛かった。
「あーあ、寒すぎて涙が出てるじゃないの?・・ほーらこれ着なさい。」
あぁっ!?
キサマが尾を抓ったから涙がちょちょ切れているのだバカモノめが!
それにこれはなんだ?
我輩を愚弄するにも程があるだろう!
「前足をここに通してぇ~っと♪」
だから止めんかバカモノが!
ニヤが見ているではないか!
「ほーら出来た!どう?暖かいでしょう。アナタにそれあげるから、汚れたらまた来なさいね。」
グヌヌ・・・
悔しいが確かに暖かい。
恥と生命を天秤にかければどう考えても命の方が重かろうて。
ここは我輩、苦渋の選択を・・・
こうして服を着た猫をバカにしていたニャゴローだったが、災難は我が身にも。
同じく服を着たニャと二匹で戯れる姿は人間の目に微笑ましく映ったという。




