吾輩は凶暴である!
本日は爽やかな秋晴れとかいうやつである。
こんな日は仕事をサボって日向ぼっこ。
日当たりのいいゴミ虫バイク店の店頭に並ぶバイクのシート上で丸くなる。
客が来たようだ。
この店の娘と同じ制服を着ておるな。
同級生かも。
「おじさ~ん!自転車のパンク直してくださ~いっ!」
「あいよっ!ちょっとまってな。」
ほほう。
なかなかの美人であるな。
ゴム虫の娘はキレイだが、この雌はカワイイといった感じか?
「あっ!猫ちゃんがいる!!この子はおじさんとこの猫?」
「いやな、そいつはニャゴローと言って、向こうの家で飼われている飼い猫だよ。」
あっ!
キサマ勝手に我輩の頭を触るな!
そこはAMD製のCPUが入っててデリケートなんだぞ!
「ウニャン?」
「いや~んっ!!お腹見せて来たーっ!!!」
我輩の”愛くるしい攻撃”をものともせず、この後小一時間撫でられ続けた。
そしてパンク修理も終わり・・・
「はいよ!」
「ありがとーおじさん!んじゃ猫ちゃん・・ニャゴローちゃんまたねーっ!!」
二度と来るなバカモノがっ!
一時間も掛けて全身舐め舐めセットした体毛がくちゃくちゃではないか!
これだから若いメスは・・・
その後暫く来客はなく、昼寝を満喫。
数時間は眠っただろうか?
なんとな~く自然に目が覚めた我輩。
シートの上で伸び伸び―っと。
この時点で辺りは既に薄暗くなっていた。
しかも少々小寒いな。
「おーい小張さん、カブの点検しておくれ。」
「あいよ。オイル交換をするからちょっとだけ時間おくれ。」
あっ!
キサマはすし屋の大将!
「お、猫じゃないか?小張さんも猫飼ったんだ。」
「いや、それは他所の猫だよ。」
ややっ!?
キサマ我輩を愚弄する気か?
頭を触ろうだなんて・・・こうだ!
「いたっ!!!」
思いっきり引っ掻いてやった。
更にはこうだ!
「ぎゃあっ!」
今度は食いちぎる勢いで人差し指と中指を噛んでやった。
フフフ、これで当分寿司など握れぬだろうて。
「あぁっ!ダメだよそいつに触れちゃっ!!女性以外には凶暴なんだからっ!!!」
「なんだよ!なんでこんな猫が野放しになってるんだ!?」
「いや、普段は大人しいし・・・。」
ここでまたしても違う客が来店。
スタイル抜群の・・・オバハン?
どこかで見た事あるような・・・?
「あ、これは先生。今日はどうしました?」
「いや、真紀子さんに今日家で鍋やるから一緒にと思って。・・・良かったらご家族も一緒にいらして。」
彼女は何の抵抗もなく我輩を抱きかかえる。
ふくよかな胸のあたりで固定されて背中を撫でながら、
「あんた大人しいわねぇ。今日はいいことあったの?」
うむ。
すし屋の親父に怪我を負わせてやったぞ。
本日最大の我が業績にて候。
「チェッ、なんだよ?イヤラシイ猫だな。女にはデレデレかよ?」
「そりゃ仕方ないだろ?アンタだって女には甘いだろ?」
「なぁ小張さん。それを言っちゃーおしまいよ!」
「だな!」
「ウワーッハッハッハッハッハ!!!!!」×ゴミ虫・すし屋の大将
こうしてのどかな一日がまた過ぎようとしている。
平和って素晴らしいにゃ~。
すし屋の親父の指から流れる血は止まる気配を見せないけど・・・




