吾輩は格闘家をリスペクトしているのである!
駄菓子屋から商店街へ向け、得意先回り中の我輩。
肉屋の手前辺りでニャン吉に遭遇。
アメリカ映画などでよくあるように、互いが前足を叩いて挨拶を。
とのフリからカウンターの猫パンチへ!
これにはニャン吉も不意をつかれて目の辺りへ数発喰らう!
我輩もジョークのつもりだったが、どうやら爪が出ていたらしい。
彼は地べたを転げまわった。
当初申し訳ない気持ちで一杯だった我輩。
彼の情けない姿を見ているうちに気持ちも高揚。
気分はすっかりUFC!
ニャン吉の後ろ足との間にある可愛らしい袋目がけて猫キック!
見事直撃!
『ごりッ!』となった瞬間に彼は泡を噴き出した!
その現場を目撃したニャー吉!
火の粉が自分へと降りかかる前にダッシュで逃走を!
だがしかし!
誤って肉屋へ突入!
「あっ!この糞猫っ!!」
「ニギャアアアアアアァァァァァァァァァァ!!!!!」
実は我輩、先程肉屋にスーツ姿の男女が入って行ったのを目撃。
彼等は頻りに衛生的にどうとか、我々保健所はなどと難しい言葉を並べていた。
よく分からないがお客さんが肉屋にいた様だ。
そこへ小汚い猫が入って来たのだから親父も黙ってはいられなかったのだろう。
何をされたのかは知らないが、断末魔の声とはこういった事を指すのだろうな。
普段では聞けないボリューム全開猫の腹式ボイス。
悲しくアーケードに木霊していた。
ニャン吉はまだもがいていた。
それを前に腰を下ろし、顔を洗う我輩。
そこへニャン太郎が登場。
「グニャン?」
グニャンだと?
何語だソレは?
キサマ我輩をバカにしているのか?
こういった輩にはお仕置きが必要。
時には鉄拳制裁を!
先程ニャン吉を後ずさりさせた猫パンチをお見舞いしてやる!
あっ!
不覚にも復活したニャン吉が我輩のキャン玉袋へ猫パンチ!
ダメージは浅いモノの、それでもやっぱり超イタイ!
おのれ、許すまじニャン吉め!
こうだ!
どさくさに紛れてニャン太郎の玉袋へ渾身のジャンプキックを!
油断していた彼はモロに喰らった!
その日商店街には秋の深まりを知らせる木枯らしが吹いていた。
舞い散る枯葉と共に三匹の猫団子がアーケード内を転げまわっていたそうな。
それはそれもうは、断末魔に似たような鳴き声をあげながら・・・・。




