吾輩は季節の変わり目に弱いのである。③
陽も陰りを見せた頃、我輩はそろそろ夜勤へと腰を上げる。
テクテク廊下を歩いて玄関に差し掛かろうとしたその時!
「ただいまーっ!」
美也殿だ!
美也殿と鉢合わせをしてしまった!
もう逃げる事も出来ない我輩は蛇に睨まれた蛙状態でその場に立ち尽くす!
おや?
彼女が手にしているのなんだ?
なにやら小汚くてブサイクな・・・?
「野良猫はっけぇぇぇぇーーーんっ!!!神妙にしろっ!!!!」
なにを言っておるのだ美也殿は?
我輩のどこを見て野良などと・・・
「ニャゴローはここにいるもんねぇー!」
あ!
彼女の手にしているのはブサイクなゴミじゃないではないか!
猫だ!
しかも我輩と同じ模様の!
ムム?
それにしてもなにかおかしいぞ?
妙に不自然さを感じるな?
ヤヤヤ!?
もしかしてキサマはニャン太郎と違うか?
それにしてもその柄はなんだ?
我輩へのあてつけか!?
「ニギャッ!」
{バシッ!}
突如全身に激しい痛みが!
どうやら美也殿に電気ショックを与えられたらしい!
全身痺れて動けない!
「小張のおっちゃんもいい仕事するなー。自作スタンガンの効き目は抜群だよ!でも暴漢用にと渡されたヤツだからニャゴローには少しキツメだったかも。」
「ニギャギャァッ!!」
{バリリッ!}
あぁっ!
我輩だけでなく手にしているニャン太郎にまで!
「やっぱり最小でも厳しいかなー?ニャゴローモドキが気絶しちゃったし・・・。」
ニャゴローモドキだと?
端から美也殿はソイツがニセモノで我輩が本物だと知っていたのだな!
敢えて知らないふりしてそのビリビリを試したのだな!
グヌヌ!
許すまじきその悪行の数々!
我が天誅を味わせてくれる!
{プリプリプリ・・・}
「あっ!ニャゴロー漏らしたな!!クサッ!!!」
フフフ!
捩じり糞のプレゼントを受け取るがいい!
ゴールドより価値がある我輩の金塊を前にしてひれ伏せいっ!
勿論効き目ゼロ。
寧ろ今よりも状況が悪化。
しかもまだビリビリが解けない我輩。
そこに魔の手が!
「にゃあーごおーろおーっ!!!!」
次の日三河家の軒先に二つのぬいぐるみが干してあったそうな。
ハチワレ模様なのに、黒白ではなく黒赤の珍しいカラーリングが妙に目につく。
なぜか肛門の位置には赤いトウガラシの様な物があしらわれていたのだとか。
いや、ぶっ刺してあったと言ったほうが正しいのかも・・・。




