吾輩は季節の変わり目に弱いのである。②
※今回はニャン太郎目線でお送りいたします。
「ニャ~ン・・・。」
「お!お前はよく病院辺りをうろついている猫だな?・・しかしなんだ!?それは誰にやられたんだよ?白い体にゴキブリの絵を描くなど・・・全く酷いな。どれ、おれが分からないように隠してやろう。」
ワシはニャン太郎。
一見シャムネコの様だが完全に雑種。
これまで間違われてちやほやされていたのだが、最近本物が登場!
その座を奪われてしまう。
因みに脇腹へ描かれた模様はニャゴローと同居する恐怖の大王画伯によるもの。
彼女曰く、
『アンタこの町で一番カッコいいよ!なにせコックローの看板背負ってるんだから!』
なるほど。
意味が全く分からないな。
そもそも人間の言葉など習得もしていない。
理解できたのは彼女の頭が残念だって事だけ。
先日ニャゴローに仕事を一任されたワシは、彼が真っ先に訪れるバイク屋へ。
とはいっても、あれから数日経過したのだが・・・。
そこでゴミの様な主人に即捕まってしまった。
しかし本当にゴミにも劣る主人だな?
なにがと言われても困るが、敢えて言うならば・・・雰囲気?
「よーし出来た!これでゴキブリは目立たなくなるだろうよ。あと、序に柄をハチワレにしておいたから。・・・今ならお前が何をしてもニャゴローのせいにできるぞ?ムッフッフ。」
このゴミ人間は何を言っているのだ?
ニャゴローはなんとなく人間の言葉を理解している様だが、我輩にはサッパリ。
無論、他の猫達も同じ。
今現在分かる事と言えば・・・バイク屋の主人がゴミダメみたいって事ぐらい?
バイク屋の主人から放たれた後、我輩は商店街へ向かう。
そこで偶然ニャン吉とバッタリ!
彼は驚きの表情でワシを見ていた。
なに?
ワシの見た目がニャゴローそっくりだと?
彼は一生懸命何かを説明するも、どうにも下手糞で理解し難い。
要は我輩がニャゴローと同じハチワレとなっていると言いたいのだろう?
それにしてもニャーニャ―ニャーニャー煩いやつめ!
いい加減むかっ腹が立ったから猫パンチで・・
あっ!
その時突然ニャン吉が下へ落ちて行った!
・・いや、ワシが宙に浮かび上がってる?
「ニャゴローはーっけん!・・あれ?。・・・ハハァ~ン、まあいいや。一緒に帰りましょう。」
恐怖の大王だ!
恐怖の大王に捕まってしまった!
もしやニャン吉はその事を伝えたかったのか?
ニャンニャンだけでは分かるか馬鹿者がっ!
こうしてワシは恐怖の大王に連れられニャゴローの塒へ。
せっかくボディペイントを消してもらえたのに、次は何をされるのやら・・・。
―― つづく ――




