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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
137/218

吾輩は季節の変わり目に弱いのである。②


 ※今回はニャン太郎目線でお送りいたします。


 「ニャ~ン・・・。」


 「お!お前はよく病院辺りをうろついている猫だな?・・しかしなんだ!?それは誰にやられたんだよ?白い体にゴキブリの絵を描くなど・・・全く酷いな。どれ、おれが分からないように隠してやろう。」


 

 ワシはニャン太郎。

 一見シャムネコの様だが完全に雑種。

 これまで間違われてちやほやされていたのだが、最近本物が登場!

 その座を奪われてしまう。


 因みに脇腹へ描かれた模様はニャゴローと同居する恐怖の大王画伯によるもの。

 彼女曰く、


 『アンタこの町で一番カッコいいよ!なにせコックローの看板背負ってるんだから!』


 なるほど。

 意味が全く分からないな。

 そもそも人間の言葉など習得もしていない。

 理解できたのは彼女の頭が残念だって事だけ。


 

 先日ニャゴローに仕事を一任されたワシは、彼が真っ先に訪れるバイク屋へ。

 とはいっても、あれから数日経過したのだが・・・。

 

 そこでゴミの様な主人に即捕まってしまった。

 しかし本当にゴミにも劣る主人だな?

 なにがと言われても困るが、敢えて言うならば・・・雰囲気?


 「よーし出来た!これでゴキブリは目立たなくなるだろうよ。あと、序に柄をハチワレにしておいたから。・・・今ならお前が何をしてもニャゴローのせいにできるぞ?ムッフッフ。」


 このゴミ人間は何を言っているのだ?

 ニャゴローはなんとなく人間の言葉を理解している様だが、我輩にはサッパリ。

 無論、他の猫達も同じ。

 今現在分かる事と言えば・・・バイク屋の主人がゴミダメみたいって事ぐらい?


 

 バイク屋の主人から放たれた後、我輩は商店街へ向かう。

 そこで偶然ニャン吉とバッタリ!

 彼は驚きの表情でワシを見ていた。


 なに?

 ワシの見た目がニャゴローそっくりだと?

 彼は一生懸命何かを説明するも、どうにも下手糞で理解し難い。


 要は我輩がニャゴローと同じハチワレとなっていると言いたいのだろう?

 それにしてもニャーニャ―ニャーニャー煩いやつめ!


 いい加減むかっ腹が立ったから猫パンチで・・

 あっ!


 その時突然ニャン吉が下へ落ちて行った!

 ・・いや、ワシが宙に浮かび上がってる?


 「ニャゴローはーっけん!・・あれ?。・・・ハハァ~ン、まあいいや。一緒に帰りましょう。」


 恐怖の大王だ!

 恐怖の大王に捕まってしまった!

 もしやニャン吉はその事を伝えたかったのか?

 ニャンニャンだけでは分かるか馬鹿者がっ!



 こうしてワシは恐怖の大王に連れられニャゴローの塒へ。

 せっかくボディペイントを消してもらえたのに、次は何をされるのやら・・・。


 ―― つづく ――

 

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