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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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125/218

吾輩は魚を愛でるのである。②


 悪の巣窟『熱帯魚屋』。

 捉われた魚達を救い出す為、正義の味方ニャゴローは今日も戦う!

 いや、働く!


 裏口からまんまと侵入した我輩。

 見たことのない器具や設備、更には内部の構造に驚愕!

 しかしそこは営業成績ナンバーワンの我輩、先ずは落ち着いて情報収集を。


 しっとりジメジメした裏口内部のコンクリで覆われた薄暗い部屋。

 そこには無数のパイプが網目に走っている。

 所々赤いレバーがついているのはなんだ?

 興味心バリバリの我輩は触ってみる事にした。


 {クィッ}


 お!

 コイツ動くぞ!?

 

 思ったより軽い力で簡単に動くレバー。

 パイプ径が3センチもあれば、目隠ししてでもその上を歩くことが出来る我輩。

 隅から隅まで走り回り、途中、数十個あるレバーをパイプに対して全部垂直に。

 最後はウンウン唸る機械の口元にある赤いダイヤルも右に回してやった。


 ムム?

 向こうで明かりが見えるぞ?

 行ってみるとするか。


 パイプだらけの薄暗い部屋を抜けると、少し広い空間が。

 その先には暗いガラス越しに店内が見える!

 

 ハハァ~ン、ここはバックヤードという場所だな?

 よく侵入するスーパーにも似たような場所があったはず。

 ということは、これから店頭に並べられる商品が控えているはずだ!

 

 過去の経験を元に、情報を得るため辺りを見渡す我輩。

 そこで無数のバケツを発見。

 これはなんだ?


 「ニャニャニャッ!」


 中にはパンパンのビニール袋に入った無数の小魚が!

 これはどういうことだ!?


 直ぐに店内の様子を探るべく少し高い場所へ。

 そこから暗いガラス越しに中を覗く我輩。


 あっ!

 同じバケツを発見!

 

 不思議なのはバケツ内にビニール袋がない!

 しかもストローの様な物を引き込んであるぞ!?

 となれば・・・

 

 あれは毒を注入しているのだ!

 大量虐殺だ!

 間違いない!


 もう向こうは手遅れ。

 仕方がないのであきらめるか。

 だが、せめてここに捉われている彼等ぐらい解放してやろう。


 我輩の釣り針より尖った爪でブスッとビニール袋を一突き!

 そのまま下へシャーっと引き裂いてやる!

 その後、バケツをゴロンと横へ倒す。

 これと同じことを裏にあるバケツ全てにしてやった。


 {バッシャーッ!!}


 一面水でベチャベチャに!

 床には小魚たちがピチピチ跳ね回る!


 これでお前たちは自由だ!

 どこへでも好きな場所へ行くがよい!


 魚助けをした我輩は超ご満悦!

 しかしまだ囚われの者が店内にいるから手放しで喜ぶことも出来ない。

 完全に仕事の枠から逸脱しているが、これ以上悪事を見過ごすのはもう無理!

 我輩の持ちうる良心の総本山、猫道に火がついたのだ!


 だからといって無計画に突入すればこれまでの功績も全て泡になりかねない。

 兜の緒を締め直し、店内に侵入すべく、再び内部の様子を伺う事に。



 この後、満を持して特攻する我輩であった。

 


 ※多くの熱帯魚屋さんはバックに大きな浄水装置を備えてあります。そこで水の集中管理をしているのです。ニャゴローの捻ったレバーは店内水槽へ繋がれたキレイな水を送るパイプ内を遮断するバルブで、それを止めた事に。言わば魚のライフラインをシャットアウトした事になるのです。つまりその後は・・・。これも彼にしてみれば新しい仕事の一つかも・・・。

 

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