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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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124/218

吾輩は魚を愛でるのである。①


 今日は商店街のルート営業。

 その合間を見て新規飛び込みをと。


 何か珍しい・・・もとい、何処か新しい営業先でもないものか?

 キョロつく我輩は、裏手へ一本入った細い道である店を発見。


 ”熱帯魚あります”


 魚屋か!

 入り口はガラスの扉となっており、左右には大きな生簀が!

 大きな魚達が中で泳いでいるのをガラスの扉越しでも見て取れる!


 それにしても初めて目にする魚ばかりではないか!

 中には鱗がメープル金貨程のしゃくれ顎や泳ぐ包丁みたいな異形の魚も!

 こんなヤツ、いつもの魚屋では見たことがないぞ?


 これは飛び込み営業の価値ありと、誰か人間が扉を開けるのを只管待つ。

 同時に侵入するのだ・・・あ!


 いかんいかん!

 ニャン吉カラーにするのを忘れておったわ!

 そんな訳で一旦家へ。


 ―― 六時間後 ――


 家で寝てしまい、すっかりと遅くなってしまった。

 辺りは暗くなり、道行く人々は家路を急ぐ。

 そんな中、我輩は昼間発見した魚屋へ。


 この店は夜になると賑わうのか、店の中には既に複数の人間が!

 グヌヌ、出遅れてしまった事は否めない! 

 寝坊のペナルティーとして、ここは待つ事を甘んじて受け入れよう。


 そう思った矢先、一人の客が来店。

 なんとバイク屋のゴミ虫ではないか!?

 

 確かにヤツの家は魚を食べる事が多い。

 となれば、今日はゴミ虫自ら買い出しか?


 真相を確かめるべく、ヤツに気付かれぬよう、そーっと後をついて入店。

 この時点で我輩は、今日の仕事などどうでもよくなっていた。


 {ウイィィーン}


 我輩では反応しない自動扉が小太りのゴミ虫によって開かれた。

 閉まる前に素早くスススッと・・・


 「あっ!お客さん、ペットの持ち込みは困りますっス!!!」


 「はぁ?」


 ニャニャッ!?

 速攻見つかる我輩。

 今捕まればゴミ虫に正体がバレてしまう!

 それは非常にマズい!


 結局自動扉が開いて中へ入ったのは一瞬だけ。

 閉まる前にダッシュで外へ!

 そのまま店の裏側へ逃げ隠れる事に。



 しかし諦めないからな!

 首を洗ってまっていろよゴミ虫!




 ― 店内にて ―


 「あの猫は俺のじゃないぞ?」


 「あー、そうだったんスか。すいやせんね。なにせ取り扱ってるのが魚ですんで・・・。いや、確かにウチの店にはよく三毛猫が来るんですが、いつも裏手に来るんスよ。結構可愛いとこあって、つい魚の餌とかをあげちゃうんスよねー。てっきりアイツかと思ったけど、その割には毛艶が良いし、顔だけハチワレでなんかしでかしそうな顔してたし・・・まあ、可愛かったっスけど。」


 「ほほう、魚の餌を食うのか猫は。いいこと聞いたな。・・・しかしハチワレと言えば、ウチの近所にもいてな、これがまた憎ったらしいのなんの!さらにムカつくのが見てくれだけは愛らしいんだよ!!あいつ等卑怯だよな!!!そうは思わんかね店員さんよ?」


 「僕もそう思うっス。」


 「熱帯魚屋で猫の話もないわな。ウワッハッハッハ!」


 「そうっスね!アハハハハ!!!」



 この時はまだのどかな熱帯魚屋であった。


 

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