吾輩は押し売りではないのである。
とある仕事をしている人間を見てピンと来た我輩。
これは猫界にも通用するビジネスだぞと。
それは先日の事。
小さな箱型の車が一台、近所の公園内駐車場に停車。
中からわらわらと田舎臭い人間の女が出てくるではないか!
各々が各手にコロコロがついた箱を引きずっている。
司令塔らしき怪しい男が何やら指示を出すと、イモ娘達は一斉に散らばった!
統率された彼女等の動きは、なにか猫ビジネスのヒントになるのではないか?
ものは試しで後をつけて見る事に。
ほほう。
主戦場は一軒家だな。
ムム?
若い人間のメスが出て来た家は無視か。
おぉ?
如何やらターゲットはジジイかババァらしい。
その証拠に、年寄りが対応するとグイグイ押しの一手だ。
ジジババに一切喋る隙を与えず、こちらから一方的なマシンガントークか。
なるほど、それなら脳細胞が半分以上休眠している彼等には理解しかねるな。
思考がオーバーヒート寸前になったところを見極め、モノを売りつけるのか。
しかしあの娘達はどんな商品を売るのだ?
早くその箱を開けるのだ!
お!
ついに開けたか?
一体なにが・・・あぁっ!
もしかしてあれは・・・リンゴか!
しかもよく見ればクズのような傷だらけB級品以下ではないか!
そういえば先日台風があったな?
もしかしてあれで落ちたやつを売りつけているのか?
同じ商売猫として、その悪事許すまじ!
※外回りばかりではなく、時には販売業をも熟します
我輩大至急公園内の猫に御触れを!
駐車場に全猫集合と!
その後駐車場には例の新カンパニーに社員登録した複数匹の猫達が。
彼等は歴戦の雄で武闘派。
早速その手腕を振るう時だ!
今こそ存分に暴れるがよい!
ウニャッニャッニャッニャ!
暫くして公園内へ駐車した信越ナンバーの車に群がる猫達。
ハチワレの猫がその前足で器用に助手席側のドアを開けると、彼等は次々突撃!
数分後にはズタズタに引き裂かれた内装と糞尿まみれの悪臭最悪仕様へ変化!
これならばカーコンテストでお下劣ナンバーワンを間違いなくとれるであろう。
結局ヒントを得るどころかタダ働きをしてしまった我輩。
それでも一つだけ収穫が。
予想を遥か上回る彼等の働きぶりに舌を巻く。
思いのほか、我社の社員達はいい仕事しますねぇ。
次の日から小さな猫缶を咥えた猫達を町の至る所で見かける事に。
その中身にはアマガエルやミミズで一杯だったそうだ。
彼等は缶を咥えたまま、建物の出入りを繰り返す謎な行動をしていたそうな。
注:本作は訪問販売を否定するものではありません。




