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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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120/218

吾輩は職人を尊敬するのである。


 八百屋は店舗兼自宅を改装中。

 それはもう立派なモンである。


 商店街に面する店舗は一部を残しての改装で、本宅は完全建て替え。

 どこにそんなお金があったのだろうか。

 誰かを殺して保険金でも手に入れたのか?

 

 そう言えば最近ジジイを見てないな?

 もしかして・・・


 ふむ、まあそんな事は置いといて、我輩も仕事に取り掛かるとするか。

 無論、建築途中の本宅でだ!


 一応店舗の前には、開店間近の手向けとして花を贈る。

 丁度作業員達の通り道になるであろう場所に自作の作品をば。


 内訳はこうだ。

 ねっちょりずっしり重い一本糞を足跡が一番多い場所へしてやる。

 そこに公園から摘んできたジキタリスやヒガンバナなど美しい花をぶっ刺す。

 人間どもが何度も踏んで付近にまき散らせば言う事無し!

 ここまで咥えてきたため、我輩も舌がビリビリするダメージを負ったが・・。


 いよいよ本宅へ。

 稀に見る豪華な日本家屋。

 最近ではとんと見なくなったタイプ。

 これぞ職人が手掛けた逸品とでもいおうか!


 玄関からそーっと室内へ侵入。

 もちろん前足後ろ足共にドロッドロである。


 お!

 畳ではないか!

 なんと珍しい!

 しかも新品の為、全部緑色をしているぞ!


 {バリバリバリバリバリッ!}


 超キモチイイ!

 目に沿って爪を入れる事の感触たるやなんともいえぬ快感!


 おおっ!

 あれに見えるは大黒柱ではないか!

 紅白の布が巻いてあって一目瞭然!

 こんなものはこうだ!


 {ワッシャ!・・ガリリリリリリィ!!!」


 布を捲り上げ、その部分に激しい爪痕を!

 野生のクマなどは、縄張りの木に同じようなマーキングをするらしい。

 そんな訳で今からココは我社独占の顧客である!


 取引成立に気を良くする我輩。

 帰ろうとするも、床に何やら梱包されたものを発見。

 警戒しながらその箱を破る。


 うーむ、これはなんだ?

 木の枠が升目になっており、真っ白な布が張ってあるぞ?


 試しにその上へオシッコをしてみる事に。

 すると・・・


 溶けて穴があいた!

 これは布ではないな?

 確認の為、前足でギュッと・・・


 {バリッ!}

 

 うおっ!

 今度は破れて穴が開いた!

 しかもこの感触はサクサクのスナック菓子を食べた時と同じ!

 もう止められない!


 この後、全個所をバリバリと破くことに夢中となってしまう。

 となれば当然・・・


 「あっ!猫が悪さしてやがるっ!!あんの猫ムチャムチャにしやがって!!!ぶっ殺してやる!!!!」


 大ピンチ!

 我輩の仕事ぶりがまずかったのか、職人らしき人物は大激怒!

 人間から逃げる事など簡単なのだが、今回はかなり近くで目撃されてしまった。


 しかし恐れることは無い。

 こんな事もあろうかと思い、今もニャン吉メイクを全身に施しているのだから。



 翌日八百屋を訪れると、なんとも言えぬ優しい香りが我輩を包む。

 付近はウンコの臭いが充満し、時々花の匂いが混ざるナチュラルフレグランス。

 エクセレント!


 その香りが気に入らないのか、あちらこちらを布で拭く職人たち。

 不思議な事に、雑巾らしきそれらは全て我輩の知っている猫達の模様であった。



 この日を境に商店街の猫は大幅に数を減らしたそうだ。

 久しぶりに大失敗しましたねぇ。

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