吾輩は金儲けの道具ではないのである!④
まだまだ猫カフェにいる我輩。
なにがなんでも劣悪な環境とやらを見極めてやる!
だがしかし、我輩の見る限り、どこが不衛生なのかは分からない。
今のところそれらしきモノが見当たらないのである。
もしかして営業停止時の指導で改善されたのだろうか?
そんな我輩は今、けっこうふくよかな女性の膝に乗せられている。
それなりに高価そうなおやつを頂きながら。
喜べ女よ!
キサマは出世だ!
次からは大関を名乗るがよい!
横綱までの道のりはまだ遠いがな!
{キュルッキュルキュルッ・・・ピーゴロゴロ}
おっと!
慣れない高価なおやつのせいでか、お腹の調子が・・・
えぇい面倒だ!
ここでしてしまえ!
ガマンは体に良くないからな!
我輩は大関の膝に座ったまま、下痢便を大噴射!
序にオシッコも・・・
「キャアァァァッ!!!!!」
予想外の出来事に我輩は大関に投げ捨てられた!
マワシがないのに上手投げで!
フン!
我輩は猫だぞ?
そんな投げ如き、空中で一回転して着地できるわ!
公言通り一回転して着地を決めて見せる我輩。
その間下痢便は止まらずに大噴出!
まるでずぶ濡れのテニスボールを投げたように一面へ水分をまき散らした。
くっさい臭いと共に。
「ニャン?」
お!
お前はニャー吉ではないか!
もしやキサマも店へ紛れ込んでいたのか?
なに?
お腹がゴロゴロ痛い?
ハハァーン、キサマもあの高価そうなおやつを食べたのだな?
よし!
肛門様の我輩が許す!
ニャーさんや、やっておしまいなさい!
我輩よりか幾分大きなその体から噴出されるソレはものすごい。
消防車のホースから放出される水よりも激しくぶちまけられる!
異様な臭いに包まれる店内。
我輩達は平気なのだが、人間にはそうでないらしい。
あちらこちらでゲロを吐く姿が・・・
なるほど!
営業停止は人間達によるゲロのせいだな?
確かに食べ物を提供する店でそれはないわ。
ニャー吉も悪いモノを全部だしたようでスッキリした顔をしている。
我輩の調査も一先ずケリがついた事だし、今から公園でひと齧りするとするか!
なぁニャー吉よ!
お前もつき合え!
こうして地獄と化した猫カフェから当事者の猫二匹はシレっと姿を消した。
暫くして、店は営業停止どころか廃業をすることとなったのは言うまでもない。




