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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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110/218

吾輩は肉派である!

 

 今日は休日である。

 我輩も偶にはのんびり日向ぼっこを。

 

 とはいってもここはゴミ虫の本宅。

 頑固な大工が作ったであろう生粋の日本家屋で、庭を見る為の縁側がある。

 三河家は今風の作りで縁側がないのだ。

 

 少し寂しい気もするが、これも時代の流れ。

 仕方のない事だ。


 「ウニャン?」 


 ポカポカ気持ちのいい秋の陽気に腹を見せ、ついうたた寝を・・・

 我輩すっかり寝入ってしまい、夢まで見る始末。

 それほどまでにいい気分だったのである。


 どれだけ寝たのだろうか?

 少し我輩の周りが騒がしい。

 

 すると我輩、フカフカとふんわりするものに包まれたようだ。

 それでも起きる気ゼロだから瞼を瞑ったまま。


 想像するに、これはゴミ虫の娘による豊満な胸に抱かれたのであろう。

 ヤツも我輩にデレッデレだからな。


 オロ?

 どこかへ移動する様だ。

 持ち上げられてスタスタと歩くような振動が体を伝ってくるぞ?

 それでも目は開かない。


 どこへ来たのだろうか?

 縁側からそれ程遠くない距離にあるこの場所。

 そこのフカフカで肌触りのいいところへ優しく置かれた我輩。

 うーむ。

 

 意地になって目を開けない我輩。

 別に理由は無いが、ただなんとなくだ!


 暫くするとプワンといい香りが!

 ニャニャニャ!?

 これは我輩の大好物ナンバー2”クサヤ”を焼くニオイでは?


 これにはたまらず目を開いてしまった!

 先程まで小学生のようにクダラナイ意地を張っていた自分がバカバカしい!

 

 「あ、ニャゴロー起きたの?今日はウチで食べなさいよ。お父さんがクサヤなんて家の中で焼くもんだから・・・私この臭い苦手なのよね。だからアナタも手伝ってね。」


 我輩を運んだのは娘だと思っていたら母親だったようだ。

 ここは居間にある座布団の上で、目の前にはお皿に盛った焼きクサヤが!

 なんだか赤い着色が施されている様だが一切気にしない!


 「ニャゴローが夕食一番乗りか。味わって食べろよ。お前の為に俺は体を張ったのだからな。」


 知らないうちに我輩の隣へ座っていたゴミ虫。

 彼等の食事は今ママさんとデカチチ娘が用意しているようだ。

 不思議な事にゴミ虫はそれ等を一切手伝おうとはしない。

 コイツは一応家の主だからか、それが免除されている?

 

 それにしても体を張ったとは・・・あっ!

 ここでようやくヤツの顔を見た我輩。

 彼の顔面は驚くほどパンパンに腫れあがっているではないか!


 「ちょっと食べたかっただけなのになぁ。なにもあんなに殴る事ないだろうによ?そりゃ確かに家の中が臭くなったのは申し訳なく思うけどよ・・・。」


 どう見ても鉄拳制裁を加えられたゴミ虫。

 少しばかり同情を覚える。

 

 キサマには悪いが、おかげで我輩がこうして好物にありつけたのだ。

 それがせめてもの救いと思えばよい。

 どれ、我輩の糧になる事を喜べクサヤよ!


 「あ、言い忘れたけど俺のトウガラシブレンドが振りかけてあるからな。本当は自分で食べるつもりだったけど、頬の裏がズタズタで沁みるから自分では食べられないんだよ。」


 「!!!」


 一時的に舌は麻痺するも、普通のヤツもちゃんと用意されいた。

 その後腹がパンパンになるほど食べた我輩は大満足。

 こんな休日もいいもんだなと家へ帰るのであった。



 「あ、ニャゴローどこ行ってたのよ?お姉ちゃんが”松阪牛”の肉を買って来たから今日はステーキよ!アンタ確かクサヤより好きだったわよね肉!!アナタの分もちゃんとあるから安心しなさい!!!」


 無理です。

 

 

 

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