第十二話 目覚め、そして目覚める
今回は短めです。二章、開始!!!!
「ここは…っ…」
司は目覚めるとともに自分の全身に感じられた痛みに顔をしかめた。見える範囲にはこれといった外傷は見えない。
「杖…」
ぼんやりした頭の中で武器を求めるくらいには司は体がこの世界になれつつあった。だが、その求めた杖は無残に砕け散っており、“Phantom”を作り出していた紫の魔石も琥珀糖のごとく小さくなっていた。そして司はそれが本当に琥珀糖だと思ったのか、それとも何かに引き付けられたのか、紫色のきれいなかけらを口へと運んだ。ただ、飲み込んでから顔を再度しかめたが。
「う…うぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
司からレッドドラゴンに受けたような黒い何かが噴出し、そして、その上に“Phantom”が出現した。そして、”Phantom”はその黒い何かを吸収していき、姿が変わっていく。元々は司姿をそのままかたどっていたはずの“Phantom”だが、いまや、別物へとなろうとしていた。
ブルーのネクタイ、スーツの上にドラゴンのブレスが通った跡のごとき模様が浮かんだ外套を羽織っており、その紋様は鼓動するかの如く動いていた。顔はというとドラゴンが右に描かれたフルフェイスマスクをつけ、左目が赤く、怪しく光っていた。
「“Phantom”…なのか??」
そうつぶやいたものの、それが“Phantom”であることは、司自身が一番よく認識していた。そして、同時に何か新たな名前がいるような気も同時に感じた。
「…名づけよう、“Phantom”。お前の新たな名前は”Phantom Menace”だ。」
読んでいただきありがとうございます。感想、ブクマ、評価お待ちしております!!そろそろ章管理をしなければ…。




