第十一話 ドラゴン撃退戦、開幕!!
久々の更新になります。お楽しみくださいませ。
時は司がハーディ1100を走らせる少し前までさかのぼる。
魔道具付きのためにかなりのスピードが出る馬車に乗り込んだ5人は司と別れてから数えるほどで門外について、先行部隊に合流し、開戦していた。
「常時、魔法を切らすな!!基本的に嫌がらせ程度で構わん!!結局の目的はお帰り願うことだからな!!」
「わかっています!!」
フレイムが到着と共に張った声に指揮を執っていた第一部隊の隊長、クレストが声を返す。実際、フレイムの言う通り、ドラゴンの対処というモノは基本嫌がらせに嫌がらせてお帰り願うのが定石である。ドラゴンスレイヤーズのように倒してしまうのは例外中の例外ともいえる。
「フレイムブレード!!」
フレイムが彼の代名詞とも呼ばれる火炎の巨大剣を作り出す。そして縦に一閃。続けて横に一閃。ドラゴンの腹が十字に薄く赤くなるが大きなダメージは見られない。しかしフレイムが狙った通りの効果はあった。挑発だ。ドラゴンはフレイムだけをその大きな眼でにらみつけ口から黒煙を吐き出す。
「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
そんな雄たけびとともにフレイムへ炎のブレスが放たれる。
「フレイムウォール!!」
フレイムの目の前にかなりの大きさの炎の壁が展開される。そして間髪入れず周りの騎士たちもその壁に魔力を送り込み、密度と強度を上げていく。最大限となり、
「洋一郎!!」
「はい!!保護!!」
フレイムの声に阿吽の呼吸で洋一郎は自分の特殊技能を発動する。
「…俺、来た意味なくないか?」
それを見ながらつぶやく明日人。真と愛葉もほぼ無意識に首を振っていた。方向はもちろん縦に。
「司早いとこ来いって…。あいつの“Phantom”なら時間かければ倒せる状態つくりだせるだろ。」
「いや、さっきからいるんだけどな。」
「「どぅわれぁぁぁ!?」」
明日人と真が派手な声とともに飛び退き、愛葉は絶句し無意識のうちに胸を押さえていた。
「いつからいたんだ!?」
「香山の特殊技能でな。調節が難しいんだよ…。」
どうにも念には念をということで強めに鋼の特殊技能を意識していたのが仇となったようだ。香山の特殊技能をおさらいしておくと「気配の操作」で、そして、それを他人にも移すことができるというものだ。
「“Phantom”であのドラゴンの動き止められないか??落としてくれたら俺も地面に縛り付けられるし、かなり戦いやすくなるんだが…。」
明日人が言い終わる前に司は明日人の考えを理解し、ドラゴンを“鑑定”する。
「全身魔力でおおわれているようだが、首根っこのとこに魔力が薄い、いや、ほとんどない部分がある。そこを“Phantom”で狙う。」
「わかった。ってどこいった??あ~。気配消したんね。」
司は確かに明日人の横にいるのだが、認識はされていない。それを全く気にせず、司は杖を構えた。
「いけ。“Phantom”。」
10体の“Phantom”を作り出し先ほど言ったポイントに向かって”Phantom”を限界速度で接近させる。
「CLASH!!」
20の拳が連結された電車車両のごとく絶妙なタイミングで一発ずつ被ることなく司が狙った通りのところにささってゆく。
いくつかが魔力によって壊されつつも内部に侵入できた“Phantom”は神経を伝導し全身を支配する。
「“Phantom Rush Nerve Shock”。略してPRNSだな。」
完全には支配しきれていないようでレッドドラゴンはから応じて滑空できているが先ほどよりもはるかに地面へと近づいてきている。それを見たフレイムは誰がやったかを確認することはなく現状に対して最適な指示を出した。
「各員!!拘束魔法が使えるものは拘束し引きずり下ろせ!!」
様々な拘束魔法がレッドドラゴンに赤い波のごとく絡みつく。PRNSを食らっていないレッドドラゴンであれば、一斉に拘束されても何とか抜け出せただろうが、今はそうならず、地面へと引っ張ってこられていた。
(俺以外の魔力と“Phantom”は相性悪いんだよな…。なんとか地面まではもちそうか…??)
司のそんな楽観思想はそもそもフラグとなりうるわけで。地面につく前に右翼の制御を奪い返されてしまった。右翼だけを動かし辺りに暴風を生み出すレッドドラゴン。
「ったく。司は肝心のところで詰めが甘いんだからよ。ここは俺が。錬ッ成ッ!!」
明日人が地面に手をつき魔力を地面へと注ぐ。鉱物いじりに召喚組随一のスキルを持つ明日人である。常人は決して操作できないような量の土がレッドドラゴンの右翼に絡みつきそして固まり、身動きを封じた。
「…お前だけにはそのセリフ言われたくなかったけどな。袋ラーメンにスープ入れ忘れて出来た!!とかいうお前には。」
司が半眼で言ったセリフに前線から少し引いていた洋一郎が肩を震わせる。
「いや、中学のときじゃねぇか、その話…。」
「いや、まあ、そうなんだけどよ。今でもうちでは袋ラーメン作るときの儀式みたくなってるからな…。」
「あのな…。」
二人がそういって話すなか、愛葉と真はフレイムによばれ、レッドドラゴンへとどめを指す一助となりに行った。
拘束されているため確実に攻撃が当たり、レッドドラゴンからどんどん体力が削られてゆく。
あと一撃二撃でとどめがさせそうといったときにどこかあきらめかけだったレッドドラゴンの様子が一瞬にして変化した。この状況を作り出した元凶、青葉司を睨み、咢を開く。
「なにかっ、ヤバイッ!!」
前線にいた誰もがそう思った。そしてその予感は的中し、レッドドラゴンは今まで見たことのない黒い光線を吐き出した。一瞬だが圧に怯む司。解放されてからできたことは真横にいた明日人を蹴り飛ばすことだけだった。それは明日人も同じだったようだ。それにより、光線の軌道から二人とも外れた。だがしかし、司は間に合わなかった。
「つかさぁぁぁぁぁっぁぁぁあぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
黒い光線が通った後は不思議な文様が残っているだけで、司の姿はどこにもなかった。
つかさぁぁぁぁぁっぁぁぁあぁぁぁぁぁ!!!!!
ご感想、ブクマお待ちしております。あと評価(既読感覚で1などというのでも結構です。)もしていただけるとあ、読んでいただけてるんだ、といった感じでモチベにつながりますので是非ッおねがいします。
さて、これにより一章完結です。しばらく更新止まります。そして、新シリーズ「スクウモノ」を始めます。こちらは光琉君視点の物語となります。少し書き方を「ツギシモノ」とは変えてみようかと思っておりますがさてはてどうなることやら。




