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好きになっちゃうからやめて?好きになっちゃえばいいじゃん?  作者: 猫の集会


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1/3

結局

 オレには、愛依あいという幼馴染がいる。

 

 愛依は、とにかくドジっ子でよくつまずく。

 

 家をでてすぐ…

 

「おい、大丈夫か?」

 

 つまずいた愛依を助けていると、少し離れたところから、オレのとしの離れた妹の智奈ちながニヤニヤしながら、こっちをみていた。

 

「あー、イチャついてるー」

 と、まさにお子ちゃま発言を投げてきた。

 

「…別にイチャついてるわけじゃないからな?」

「そ、そうだよ?智奈ちゃん…」

「えー、どうかなぁ?じゃあ、なんで二人とも顔真っ赤なのぉ?」

 

 パッとお互い顔を見合わせ、ちょっと離れた。

 

 …

 

「あー、これはたしかにイチャイチャかもな。愛依、オレと付き合っちゃう⁉︎」

「またそれ?付き合わないってばー」

「だよな」

 と、こんな感じでいつも暮らしております。

 

 オレは、いったい何度フラれたことやら。

 

 なんなら、昨日もフラれたばっかりだ。

 

 部活帰り、暗かったから一緒に帰ろうぜって言って、愛依と下校してたんだけど、車が来たから、こっち歩いてって安全な方を愛依に譲ったら、

「好きになっちゃうから、その優しいのやめてよ」

 って言われたんだ。

 

 だからオレは、好きになっちゃえばいいじゃんって返したんだ。

 

 でも、それはダメなんだそうな。

 

 魔法学校では、恋愛禁止なんだとか。

 

 そもそも、愛依は…魔法使いでもヘビつかいでも、おつかいでもなんでもないんだけどね…。

 

 まぁ、そんなこんなでいつもこんなだ。

 

 そんなくだらないある日、愛依が風邪をひいたっぽい。

 

 まだ熱も出てないけど、オレにはわかる。

 

 愛依は、熱を出す前に必ずと言ってもいいほど、カラカラな変な咳をする。

 

「愛依、もうすぐ風邪ひくぞ?オレの上着着とけ」

「え、でも、部活帰りだし…汗くさく…」

「大丈夫だ。オレは、万年鼻詰まりだから」

 

 …

 

宏樹ひろき…ありがとう。」

「おー」

 

 愛依がオレの上着をギュッと握りしめた。

 

 そして、オレは空気をギュッと握った。

 

 

 

 六時を知らせるメロディが、流れ出した。

 

「すき…」

 

 …

 

「えっ⁉︎いま、なんか言った⁉︎」

「ううん、なんでもないよ」

「そっか」

 

 今、すきって言われたかと思ったわ。

 

 でも、そんなわけないし…なんなら、このメロディが好きだっただけかもしれないな。

 

「あ、そうだ。のど飴あるんだ」

 ヒョイっと愛依に飴を渡した。

 

 すると、オレの手もつかんできた。

 

 ⁉︎

 

 驚いていると、愛依がクスッとイタズラな顔で笑った。

 

 フッ、なんなんだよ。

 

 オレも思わず笑った。

 

「もうそろそろ、受験だね?」

「そうだよなあ。やだなぁ」

「ねー」

 

 オレと愛依の進路は、別々だ。

 

 学力は同じくらいだけど、行きたい学校が違う。

 

 このまま、幼馴染で終わっていくんだろうなぁ。

 

 

 で…そのまま、やっぱり終わりました。

 

 今日は、卒業式。

 

 最後の制服が名残惜しい。

 

 何度も締めたボタンも、今日で最後だ。

 

 最後のボタンを締め終わると、トントンとドアを優しく叩く音がした。

 

 この音は、愛依だ。

 

「おはよう。起きてる?」

「…あたりめーだろ。まだ寝てたら遅刻するわ」

「あは、たしかにそうだね。ドアあけてもいい?」

 

 …

 

「もう、ほぼほぼあいてるくね?」

「あはは、宏樹って面白いねー」

「面白くねーよ。」

「そんな面白いあなたに、朗報です」

「人の話、全く聞かないよね。で、朗報ってなに?オレのこと好きになった?」

「写真とろ?一緒に」

「写真?」

「うん、最後の制服記念」

「あー、じゃあとるか」

「うん♡」

 

 こうして朝から、記念撮影が急遽とりおこなわれた。

 

「どうする?カップルみたいにとる?」

「なにそれ?普通にとるよ」

「へー」

「ほら、笑って」

 

「「にぃーっ」」

 カシャ

 

「オレのやつでも、撮っていい?」

「うん、いいよ」

「じゃあ、百枚とるからそのうちの一枚事故チューしようぜ」

「はあ?なに言ってんの。さっさと撮って学校行くよー」

「そうそう、おくれましゅよ」

 

 いつのまにか、妹がドアの向こうからのぞいていた。

 

 なので、急遽三人での撮影会もした。

 

「親子写真がとれてよかったね。お兄ちゃん♡」

「だれが親子だよ…」

「「「あはは」」」

 

 賑やかな朝だった。

 

 

 愛依とは、最後の登校だ。

 

 なんなら、最後の下校もしっかりおぼえとけばよかったぜ。

 

 今日は、お互いクラス会があるから帰りは、別々だ。

 

 なんなら、もう…このままさようならの可能性だって…

 

 …

 

 このままさようならかもしれないので、楽しく登校した。

 

 まぁ、いつも愛依といると楽しいけどね。

 

 

 卒業式が終わると、皆での撮影会が始まる。

 

 愛依も、オレもそれぞれ友達と撮影した。

 

 そろそろ仲良し友達とも、写真を撮り終えたので、一度帰って支度しようかなと、帰ろうとしたら…愛依がやってきた。

 

 そして…

 

「宏樹、またね」

 と笑顔で言ってきた。

 

 …

 

 またね?

 

 

 じゃあねとか、バイバイじゃなく…またね?

 

「おお、じゃあ…またな」

 

 とりあえず返事をした。

 

 またってことは、また今度ってことだよな?

 

 なんだかホッとした。

 

 これでさよならじゃないんだって。

 

 

 続く。

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