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お支払いは命でお願いします 中編

九条のフェイントをかけた切り込みを左で振り払い、右ではバルトとつばせりあいになっている。

 俺は思わず笑みが溢れる。これが剣と剣の戦いか楽しくてしょうがない。

 九条とバルトが一旦引き、仲間の剣を拾い上げ剣の数では正時が2本に対してバルト達が4本になった。 

 そして再び一斉に仕掛けてきた。俺は第三者から見ると見えない速度で振られる剣4本を二本の剣で余裕で弾く。九条が俺の首を狙い2本の剣をふり、バルトは俺の足に向かって剣を振る。それをジャンプしバルトの剣をよけ九条の剣を右の剣で受け止める。バルトが俺の動きが止まるのを見計らい、俺の首を削ぎ落とそうと剣をクロスさせる。首とバルトの剣の間に剣を差し、阻止する。

 金属が擦れ合いギシギシと音をたてる。

 「貴様!よくも俺の友達を殺したな!」

 んじゃ俺も

 「お前こそ俺の長谷くん殺したろ!」

 「黙れ!お前の方こそ人をたくさん殺しているくせにそんなことを言うのか!」

 「ふぅーん、俺を見捨てて助けなかったのは死罪に値するし、俺を馬鹿にする奴も死罪だし、俺に暴力を振るえば必ず死罪だから、皆は裁かれたんだよ?だから、数は殺したけど罪人しか殺してないから僕は何一つ悪いことはしてない」

 「それは貴様が決めつけているだけだ!」

 「お前が美空を」

 「黙れ!」

 どうやら頭では自分が悪いことがわかっているようだね九条君。

 「俺は美空を心から思い、幸せに出来た!お前がいるからこんなことになったんだ」

 あらら、わかってなかったね。じゃあこいつはフルコース決定だな。

 「おいハゲ。俺に俯いて詫びろ。そうすれば命を助けてやるぞ?」

 「黙れ!貴様のようなクズに下げる面など無い!」

 「ああ、そう。じゃあ、苦しませて殺すよ」

 この二人の罰が決まった。精神的に追い込ませ殺す。これが一番の苦しさだと思う。

  バルトを圧倒的筋力で押し、怯んだところで、死なないようにける。

 「グファ!」

 体をくの文に曲げ吹きんでいった。バルトの鎧の腹の部分に大きな亀裂が入った。

 「ぐぁぁぁぁ!骨が折れた!」

 「しっかりしろ!お前が倒れれば俺も殺られて奴の思う壺だ!」 

 「わかっている!」

 回復ポーションを取りだし一気飲みした。バルトは苦痛に歪めていた顔が嘘のように健康その物の顔に戻った。

 こうじゃなくちゃつまらない。これこそファンタジーだけに許された不思議ポーション!

 「そうだ!何度でもかかってこい!何度でも倒してやる!」

 「なんて野郎だ。俺の回復を待ってやがった!」

 「フフフ、ゲームのボスは大抵隙をくれて回復させてやるものさ」

 「へっありがとよっ」

 バルトは俺の言葉にイラついたらしい。そうだろう、そうだろう、頭はハゲで武芸にしか取り柄がない男が今まで、無能だと思っていた奴に手加減されているのだからな。

 「俺の事を忘れているぜ!」

 忘れてません。スキル跳躍を使い、俺を飛び越え後ろに回り込んだだけだ。

 俺の完全な背面を取り、スキル斬強化を使用した剣が迫る。と、同時にバルトもスキル斬強化、スキル加速で俺に迫る。俺はこの対処をスキル並立思考で考える。1000000分の1秒で、答えは出た。

 二人が俺の足の範囲に入ると倒れ、地面に着くすれすれをブーストでホバリングし、右回転するようにブーストを噴かした。

 「何!ぶつかる!止まれ!」

 二人は俺がいなくなった様に見えたらしい。

 「バルト!避けろ!」

 「この距離じゃ無理だ!」

 お二人さん俺は下ですよ。

 俺は右回りを1秒もかからないスピードで回った。二人の足の鎧は砕け、骨まで複雑骨折した。

 「ぐぁぁぁぁぁ!」

 「何だぁぁぁ!」

 二人は空中で回転し、地面に叩きつけられた。

 「さて、こいつをやろう」

 俺は二人のもつポーションを入れ換える。

  そんなことを知らずに二人は痛みに絶えポーションを飲む。

 すると、「ああ、美空!生きていたんだね!え!?違う!俺は悪くない!殺ったのは他の奴等だ!止めてくれ!戦いたくない!」

 「お前達!死んだんじゃ?おい、待て、何故俺に剣を向ける?止めろ!切りたくない!」

 リアちゃんに俺はダンジョンで重症を負うかも知れないから、治せる薬を頼んだ。リアちゃんが笑顔でご主人様を思い作りました。とかほざきやがって。効果はご覧の通り、傷は治すが、幻覚をみせる。これは大切な人を殺さなければ覚めない幻覚でとても意地悪なポーションだ。だから、殺さなければずっと起きれず、殺して起きることが出来ても、精神はガリガリ削られる。無理にポジティブ思考すれば、このポーションで私をみて欲しいとか。

 だけどね、幻覚をみている間に敵に攻撃されて痛みなく死ぬけど死んだら終わりだろ。纏めるとこのポーションで安楽死じゃないけど、痛みはなく死ねるというわけだ。

 そろそろ起きるんじゃないか?好きな人より自分の命が大事なのは決まっているだろ。 

 「うぁぁぁぁ!美空ぅぅぅ!ごめん!」

 「畜生!お前らすまない!」

 ほらね。

 「はっ!ここは!?マ、マサトキ!」 

 「貴様!死んだ者たちさえ安らかに眠らせてやらんのか!私は、私は仲間をこの手で……畜生!やはり貴様はクズだ!」

 何言っているんだか。幻覚の仲間、愛する者を始末殺っただけなのにどんだけ気にしてんだよ。

 「これくらいで音を上げるとは。お前らがどれだけ腰抜けかわかった」

 俺の言葉が言い終わると同時にまた攻めてくる二人。

 「そろそろお遊びは終わりにしよう」

 俺は二本の剣先を下に向け腰を落とす。

 二人は俺を警戒し立ち止まり盾を拾い上げ守りを固める。

 「では、最後のショーといくかな」

 「ブースト」

 俺は天井にブーストで移動し、走る。二人は俺をまだ目で追えていたが、俺がスピードをあげると見失った。

 「畜生!アイツは何をする気だ!」

 「わからん!俺は前を見るから後ろを任せたぞ!」

 「わかった!」

 作戦会議が終わったところで俺は攻める。

 奴等にとってはブーストの音と、風を切る音しか聞こえていない。だから、いつ殺されるのか恐怖している。

 「グヒヒ!こっちだ」

 九条がこちらを慌てて振り返ると俺の剣が盾を弾き飛ばす。九条は吹き飛びバルトがこちらに向かってくるが俺はもういない。バルトへ上から急降下し、盾をもつ腕を切り落とす。

 「ぐぁぁぁぁぁぁ!」

 「バルト!畜生!どこだ!」

 「お前の後ろだ」

 「なっ!」

 九条の背中を鎧ごと叩き切る。

 「ぐわぁぁ」

 前に回り込み顔を殴り吹き飛んだんでいる九条の両足首を切り落とす。綺麗に切られた二つの足首が宙を舞い、ダンジョンに無様に転がる。

 「っ!」

 余りの痛みに声が出ないようだ。

 地面に落ちるのを足で蹴り宙へまた浮かせ、腕を肩から切り落とし、落ちてきた穴の上へ放り投げる。

 九条が落ちる前に痛みに苦しむバルトの首を掴み腹に剣を刺す。

 「グハッ」

 血を吐き出し、苦痛に顔を歪める。

 俺はブーストを噴出し、穴を上る。途中で落ちてくる九条の腹に剣を刺し、そのまま加速し外へ出る。

  「ドラゴンくん!俺が死なない程度のブレスを俺達にや~ちゃて!」

  「止めろ!いや、止めてください!俺達が悪かった!許して下さい!」

 「止めてくれ!頼む!王様にも俺から言ってお前を世界最強の救世主として、認めさせる!だからこんなことを止めるんだ!」

 「何を今更言っているんだか。全く呆れるよ。

お前達は俺を馬鹿にしただけでなく、剣を向けたから死罪はもう決まっているんだよ」

 ドラゴンくんの口にブレスのエネルギーが収束される。二人は恐怖に顔を歪め、涙を流す。

 「俺はここで死ぬべき人間じゃない!お前を殺して美空を手に入れるはずだったんだ!」

 呆れて俺はなにも言わない。

 「貴様!離せ!俺は王国騎士団長だぞ!こんなことしてただで済むと思うな!」

 いや、王国がただじゃ済みませんね。

 二人は暴れて切り口が広がり流れる血が増える。

 遂にドラゴンくんのブレスが放たれる。

 「グォォォォォォォオ!」

 ドラゴンくんの咆哮と共に放たれるブレス。

 「あぁぁぁぁ!やだ!やだやだやだやだ!死にたくない!」

 「貴様を呪ってやる!」

 俺はそんな二人に顔が見えるようにヘルメットの顔の部分を透明にする。

 そして、死に行く二人のために最高の笑顔で

 「マサトキマジックのお支払は命でいただきますす」

 「Fire!」

 発射号令みたいに言ってみた。

 そして、俺達はブレスに呑まれた。

 九条とバルト達だけでなく

 「ぎゃぁぁぁぁ熱ぃぃぃ!」

 「ああああああああああ!」

 「うぶぁぶぁぶぁぶぁ」

 俺も叫び声をあげていた。

 何これ熱くね?俺の魔防越えて生命力削ってんですけど。ボディスーツ溶けてるんですけど。ドラゴンくん死なない程度言うたけど、もっと考えて主人に気を使えよ!

 まだ装備創れないし、溶けちゃ駄目だ!

 そんな俺の願いもお構い無しにドラゴンくんは気持ち良さそうな顔でぶっ放し続けている。どうやら魔力がMAXに溜まると、魔物は魔力値よりある程度多く溜めることが出来るらしいが、気持ち悪いらしい。これは魔石があるのが原因とも言われている。

 そして、九条とバルトが跡形も無くなった。

 「あ、やっべ。そう言えばジークキャノンのロケット弾がゆ」

 その瞬間、森に大きなクレーターがつくられた。

 

 リスポーン発動!

 はい。まさかね、ドラゴンくんがね、俺の死なない程度って命令してブレスしたけどさ、本当にギリの程度でブレスするとは思ってもみなかったんだよ。結局死んだけど。

 「俺は最後かっこよくブレスに耐えて『ふっ雑魚め』って言いたかったんですけど!」

 そんな俺を見て、察して顔をクレーターに突っ込んで隠すドラゴンくん。

 頭隠しゃいいってもんじゃねーぞ。これは頭隠さず尻隠さずって奴だな。お前は尻どころか体全部だけどな。あ、そうだ。こいつの紹介をしてなかったな。

 ステータス

 種族 デスパレートドラゴン 性別 無 年齢0

 名前 ドラゴンくん

 所属 マサトキの所有物

    Z級魔物

 ステータス level 1

 生命力 10億/10億

 魔力  10億/10億

 体力    ∞

 物攻  10億/10億

 魔攻  15億/15億

 物防  10億/10億

 魔防  10億/10億

 筋力  15億/15億

 精神力 24億9999万9950/25億

 速力  1000

 器用  100

 知力  1500

 魅力  500

 

 スキル

 ノーマル

 突進

 レア

 並列思考 lv MAX

 

 スペシャル

 言語完全理解 lv MAX

 ユニーク   

 ブレス lv MAX

 飛行  lv MAX

 

 レジェンド

 魔物飼育 lv MAX

 擬態   lv MAX

 称号

 動く迷宮

 ドラゴン

 マサトキの所有物

 

 所有物だからって固定資産税取るなよ!どれだけ大きくても生き物ですから。生命保険?いやいや、要らないだろ。こいつ殺せる奴は暗黒世界にしかいないだろ。多分だけど。入るとしたらミスリル硬貨100枚の保証金で、月々石貨1枚なら入るよ。

こいつ、寿命ないし。ステータス年齢消しちゃおうかな。俺は消すと冒険者ギルドや傭兵ギルドに入れなくなるから表示しとくけど。称号とか着く基準がわからないから犯罪系のやつが知らない間についていると困るな。ドラゴンくんの話に戻ろう。こいつを横から見て、全長1500メートルあり、高さ900メートルある。大きすぎて目立つなこりゃ。

ギルドで従魔申請してもいいものか悩みどころだな。

 外見は体の色は光を反射してとても綺麗な黒で、立派な翼はコウモリの翼に似ている。足が6本に腕が4本。この時点で日本のファンタジーなドラゴン像を見事にぶち壊しているな。身体中には売ればボロ儲け出来るだろう鱗があり、足、腕の爪は紅く鋭い。目は人間の白目の部分が黒で、中心か金色だ。頭の眉間から天辺にかけて、角が生えている。

 ドラゴンくんについては以上だ。

 「ドラゴンくん。九条達を消化しないでね」

 クレーターから頭を出し勢いよく頭を振って頷く。

 九条と団長は死体が無いがステータスカードと、九条の足と腕、バルトの盾付き腕がある。

 次はキングの首を貰う。もちろん姫ちゃまもだ。取り合えず、リアちゃんを回収しなくてはそこが一番の優先順位だな。

 「キングのお首頂戴させて貰う」

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