↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
救世主症候群シリーズ解説文置き場  作者: 秋犬
【絶望ノワール2】救世主症候群・全容編【閲覧注意】
PR
22/25

彷徨編あらすじと解説文

〇「彷徨編」あらすじ


 無事にコール村から国境を越えて逃亡に成功したティロとフォルス改めレキとキオンは、ひとまず人里を目指した。山の中で迷いながらもどうにか麓に辿り着き、情報を得るために喫茶店へ向かうと民衆はリィアで反乱が起きていると騒いでいた。そこへリィア王家が処刑されたという号外が舞い込み、そこに自分の名前があることをキオンは知ってショックを受ける。死んだことにされることへの理解が深いレキはキオンに寄り添う。


 その後も逃亡生活は続くが、資金面でレキは苦労する。ゴミ拾いやスリなどで小手先の収入を細々と得ながら放浪を続けるうちに、レキは隊商《キャラバン》にスカウトされる。いい話だと思ったが、これからオルドへ向かうという隊商にはついて行けないと判断し、再びキオンとの放浪生活に戻る。このままではいけないと、レキはマフィアの主催する賭け試合に出場することにする。だまし討ちのような形で賞金を巻き上げ、その金で通行証を偽造してもらうことで少し金銭面に余裕が出るようになった。


 キオンは靴磨きなどで細々とレキを助けていたが、レキは得た資金を元手に薬を売りさばく悪質な詐欺をして稼いでいた。あくどいレキの手法にキオンも呆れかえるが、キオンもレキを見捨てることはなかった。


 そうしているうちに、数年が経った。キオンも成長し、日雇いの仕事などを見つけて稼いでくるようになったがレキは相変わらずであった。それどころか生活に余裕が出ると希死念慮が湧き出てくるようになった。さらに、たまにキオンが本気でレキを殺そうと襲いかかってくるようになった。レキには何故彼が攻撃を仕掛けてくるのかは理解できなかった。


 ある日、レキは酷い悪夢にうなされる。夢の中でダイア・ラコスに自身の存在を否定されて飛び起きると、彼の孫であるキオンが眠っていた。衝動的にキオンの首に手をかけるが、すぐに気を取り直した。何よりもキオンを本気で殺そうとしてしまった自分が情けなく、これ以上一緒にいることはできないと悟ったレキはキオンを置いていくことを決意する。そして夜が明ける前に荷物をまとめ、ひとりキオンの元を去った。


 いよいよひとりになったレキは、死に場所を求めてルキシル国の港町にやってきた。エディアに似た雰囲気の街の空気を懐かしみ、売人から薬を買うがトラブルに遭う。「呼んできた仲間もまとめてぶっ飛ばしてやる」という威勢のいいレキを甘く見た売人たちは手勢を三十人連れてくる。レキによって全員が即座に倒されたことに一同は圧倒され、売人たちの親分であるファーレ・ザファがやってくる。ファーレはレキの才能を買い、行く場所がないならうちで使われてみないかという提案をする。特に断る理由のなかったレキはファーレの元で働くことになる。


 こうしてレキはファーレの庇護のもと、夜間に開く非合法の修練場を持つことになった。そこに通うリソスという青年に懐かれながら、レキは穏やかに過ごしていた。時々ファーレから荒事の仕事が舞い込むが、悪事を働くことはレキの心を動かさなかった。


 ある日、裏切りの者の制裁をしてほしいという依頼でレキはひとりの男を拷問にかけた挙げ句に殺す。レキの仕事を見てみたいと頼み込んだリソスはレキの「仕事」を見て激しく動揺する。その様子をリソスは「レキの中に別人がいるようだ」と表現し、レキはこれまでの自分に疑問を抱く。


 そうしているうちに、ファーレからもっと本格的に修練場を運営しないかという誘いが出た。表通りに大きな修練場を建て、そこでたくさんの生徒を抱えたらいい稼ぎになると踏んだファーレの提案にレキは「自分の修練場」の夢を見る。


 ところが、レキが張り切っているところへ急な来客があった。その来客――シャスタは急にレキに殴りかかってきた。レキは何故急にシャスタが現れたのか理解できなかった。そして一緒に発起人ライラも現れた。こうしてレキのルキシルでの安穏な暮らしは幕を閉じるのだった。



○キャラ動向


レキ(ティロ/ジェイド)


 今回で完全にやさぐれて悪の道をひた走る、血統書つきだったはずの野良犬です。所属という手綱が完全にはずれたことで倫理観のリミッターが解除されて「やれることはやる」という完全に悪い奴になってしまいました。今回は今までやってきた詐欺の強化版みたいなのが出てきてドン引き必須なのですが、こういう露悪行為に走るのもトラウマの再演と呼ばれる一種の自虐であります。後半でヤクザの飼い犬に成り下がりますが、彼としては「せっかくだし生きられるところまで生きる」くらいの投げやりなものでした。彼の復讐が終わり辿るはずだった末路が回避されたので、彼がどう自身と折り合いをつけていくかが今後のポイントになってきます。



キオン(フォルス)


 突然現れたレキに拉致された挙げ句ホームレス生活を強いられる王子様。レキは完全にアルセイド及び幼い頃の自身に存在を重ねているため、無下にできないところがあります。悪く言えば理不尽で壊れてしまったレキの慰めのために生き残ったようなものですが、その事実を彼が知るのはもう少し後です。そして、シェールを脅迫してまで「ティロ探し」をさせた理由を語るのももう少し後です。さて、わかるでしょうか……?



ファーレ・ザファ


 レキを拾うヤクザの親分。特段設定らしい設定はなく、ヤクザの親分という以外は思考回路にぶっ飛んだところがない至って普通の常識人です。ヤクザとしてレキを使いますが、彼という人間を上の立場から的確に評価できる希有な存在でもあります。ある意味人格者です。


リソス


 裏社会の先生になったレキに懐く青年。実は彼、当初の予定、初代ティロの辺りではもっとメインにする予定でポジションとしてはセラスの弟になる予定でした(!)。ところがセラスが末妹になり、更に当初のプロットとかなり離れたものになったことで必然的に没キャラになりました。彼のキャラと役回りは当初とほとんど変わらず、ここに再利用されております。



グリーレ・ルペトン


 隊商の護衛任務を主にしている通りすがりのオッサン。何でこの人に名前があるのかというとつまり後々に登場する予定があるのですが、一体どこで登場するのかは内緒です。ただ、再登場する場合ものすごく重要な人物になる予定というのと、どちらかというとこちらの登場が顔見せ出演であり後に登場したときがメインになるキャラクターだということです。何を言ってるのかわかりませんが、そういうキャラです……。



○内容説明


《第1話》


「予備隊時代は散々に忠誠を誓うよう言われ続けて、心の中で唾を吐いてきた顔」

→予備隊はダイア・ラコスが設置したものなので彼が生きていたときには訓示とかやってたはずです。まさかのダイア・ラコスもエディアの王族が予備隊に紛れ込んだとは思っていなかったでしょう。



「特に腹が減っていると判断力が鈍って命取りだ」

→これは亡霊編の一部始終で書いた通りの、彼の大原則です。まずは飢えないことが第一で、そのためなら何でもするというのが今までの行動原理でした。



「予備隊時代の山岳訓練」

→ここで懸命な方は察すると思うのですが、そもそもあの山岳訓練は一体何だったんだというのもこの話のかなり大事な部分であります。なんで特務の養成に山中での過酷なサバイバル訓練が必要だったのか。その答えも用意されています。今のところ言えるのは、訓練のおかげでリィアの第二王子に新鮮な山の幸を振る舞うことができたということです。



「最近出来たと思われる喫茶店」

→これは雰囲気としては産業革命期のコーヒーハウスを想定しています。街の大人が政治や文化について喧々諤々やるところです。なお史実の方のコーヒーハウスは身分の上下なく議論が出来る場所とされていたので、レキのような身なりの悪い男がいてもあまり気にならなかったと思われます。



「降伏する代わりにオルド王妃だけは生かしておくよう条件が出されていました」

→事件編でも少し出てきますが、このオルド王妃が実は今後の展開に深く関わってくることになります。オルド勢としては彼女の奪還というのが反リィア組織の根底にありましたが、その任務はシェールとセラスに託されているというのが反乱編での顛末でした。



「手っ取り早く売れるもの」

→事件編においては「生きて苦しませるために連れ出した」と供述していましたが、叛逆編の通り連れ出した当初はそんな意図はなかったのです。つまり、この理由は後付けであります。彼の本心がどこにあるのかは彷徨編全体において明らかになります。



「あなたに、僕の何がわかるんです!?」

→この時点でキオンはレキの素性を知りません。彼はむしろわかりすぎているくらいわかっているのですが、それを告げないのもある種の優しさであります。ただ、彼自身が自分を説明することがとにかく面倒くさいというのが第一の要因でもあったりします。



「レキはキオンを慰めているつもりだった」

→ここまで読んできた方の言いたいことはわかります。「それはどう考えてもおかしい」というのはわかります。ただ、いろいろありすぎて人間関係の距離感がバグってる彼ならこの状況だと残された選択肢はキオンを殺すか自分が出て二度と戻らないかくらいなので、この対応が一番彼の中で穏当なのだと思います。



《第2話》


「ゴミ拾い」

→今風に言うとホームレスの空き缶拾いみたいなものです。何故彼がこんなに詳しいのかと言えば、亡霊編の宿無し時代からそういうものを見ていたのもありますし、一般兵時代の金がない頃に怒られない範囲で金を稼ぐためにちょいちょいやっていたというのもあります。ちなみにこの「骨拾い」という職業は実在したそうです。



「今日の戦利品である他人の財布がふたつ」

→亡霊編のようにスリや置き引きで収入を得ていた時代もあるので、いろいろ経験値が上がった今再度盗みをやらせたらそれなりに稼ぎになったようです。その気になれば脅迫からの強盗も出来るのですが、それをしない分別はあるみたいです。強盗はダメでスリはいいのかというのは「拾った人が持ち主」の精神であります。



「そうまでして小説って読みたいものですか?」

→有明編でもそうでしたが、何故かキオンは剣豪小説自体がそんなに好きじゃないみたいです。これまで「剣を志す者なら皆が好きであろうコンテンツ」という前提の剣豪小説ですが、キオンはそうではありません。ちなみに似たような立場のアルセイドはジェイドと一緒に楽しんでいましたし、剣を志すという意味では予備隊でも大人気でした。これが何を意味するのかは、第三部で明らかになります。



「なあお兄さん、この煙草買ってくれないかな?」

→何で少年はわざわざこんな危ない奴に話しかけてくるのかと言えば、レキの見た目が非常に舐められやすいというのと少年が危ない奴を見分け慣れてないというところに尽きます。レキは初見で「薄汚いチビ」と見られることが多いので……。



「要領を得ない少年の呟き」

→これだけ読むと可哀想だから逃がしてあげよう、という意味にも取れますが「こいつは金を持ってないから盗んだ、つまりこれ以上締め上げても何も出てこない」という意味でもあります。あんまり優しい世界じゃないです。



「あ、ああ……まあ、当然のことをしたまでで」

→勿論レキは「盗まれた財布を取り返そう」と思っていたわけではなく、あわよくば巻き上げた財布をネコババしようとしていたわけです。ただ財布の持ち主がいい感じのオッサンだったので、揉め事になりたくないから返したまでです。



「もしかして、バレるのが怖いのか?」

→他人事のように言っていますが、バレるのが一番怖いのは彼自身であります。



「隊商の荷物番」

→この世界で剣技の腕を生かせる仕事は軍隊の他に、私設の警備隊などもあります。特に隊商の護衛は野盗や拗らせた革命派などから荷物を守るために屈強であることが要求されます。また隊商であれば未熟なキオンでも働くところがあるとレキは踏んだので一瞬だけ喜んだわけです。



《第3話》


「賭け試合」

→ファイトマネーが盛り上がるアンダーグラウンドな世界。莫大な金が動くのとルール無用なため危ないということで風紀的に禁止されてることが多いですが、いろんなところで大人気のコンテンツです。この世界のギャンブル関係は描写する余地がないので書いてませんが、普通に大人気です。なおこの駆け試合イベントは「レキとキオンの日常イチャイチャ回」くらいの立ち位置です。つまり第3話は日常回です。



「僕はリィア最強の男に剣を習っていたので、間に合っています!」

→キオンの師匠はリード・シクティスだったわけです。先生がとても良かったので、彼の剣技の腕は一般人よりも数段上です。だからレキの腕前も理解しているので「是非教えてください」となりそうなのですが、そうはならなかったんですよね……?



「一回やっちまうと、あとはもう何でも平気になる」

→彷徨編というか、この作品全体に通じている話です。「暴力を一回でもふるうと、いつも選択肢に暴力が出てくるようになる」ということが繰り返し登場しております。盗みも薬も詐欺も殺人も、全部「最初の一回」から転がり落ちていくわけです。



「改めて自身が最初に犯した罪」

→細かいことですが、彼の最初の明確な「盗み」は避難所に置いてあったスコップだと思われます。薬と詐欺はそれぞれ亡霊編と特務予備隊編で描写されていますので、そちらを参照してください。



「最高の『実演』機会じゃないか!」

→彼は元から化け物クラスの才能があるのですが、一番はこの『実演』の才能です。相手の実力を見切って、瞬時に相手に合わせた剣を繰り出すということが一番得意です。この才能がゼノスを本気にさせますし、後に登場する指導力への信頼に繋がっています。ちなみにこの才能について、本人はそれほど自覚がありません。



「観客の中からレキの力量を見る声」

→野生の実力者が隠れていたようです。レキ自身もルール無用の賭け試合で剣士の実力を見るのが大好きでこういうことをぶつぶつ言っていたと思われます。



「大事なのは文句が出ないことだ」

→これは賭け試合に限らず、様々なイベント事で大事なことだと思います。後からああだこうだ言われないよう規約を読んで(その裏をついて)行動するのは大事なことだと思います。



「何だか都合のいい話ですねえ……」

→ヤクザのシマの中なら道理は通らないかもしれませんが、ヤクザというのは縄張り意識がとても強いので、余所に出られると手が出しにくいというのは彼の経験からの知恵です。伊達に変な修羅場をくぐり抜けていません。



「壁と壁の間に縄が張られていて、こうやって縄に引っかかって寝る」

→この冗談みたいな宿屋は産業革命期のイギリスに実在した「2ペニーのハンガー」と呼ばれる宿屋がモデルです。今で言うネットカフェ難民みたいな人々が利用していたそうです。なお、治安は終わっているようです。キオンひとりでなんて無理です。



「あんたら、珍しい組み合わせだな」

→身分証のない男と少年の組み合わせ、ということでこの店主は二人が駆け落ちしてきたのだろうと思いました。つまりソッチのケがあるなら俺にも寄越せ、という理屈です。なかなか酷い理屈です。どうでもいい情報ですが、この店主はソッチというより、どっちかというとS気が強いです。キオンに何をする気だったのかは、知らない方がいいことだと思われます。



「一緒に寝ましょう」

→キオンもナチュラルに誘っているのですが、これは距離感がおかしな人とずっと一緒にいるためにキオンもおかしくなってしまった図です。店主に恋人同士と思われても仕方のないことです。



《第4話》


「レキがどこかから持ってきた靴磨きの箱」

→これはあまり賢くなさそうな靴磨きの男に少し多めの金を渡してぶんどったものです。普通に靴磨きをしていたほうが儲かる額ですが、目の前のまとまった金に目が眩んだ男は金を選んでしまったのです。この辺りの人を見る目があるのも彼のやらしいところです。



「露骨な詐欺」

→この煙草詐欺はコーラとオレンジジュースを混ぜて「健康にいいニュードリンク」と言って相場の倍の値段のふっかけているようなものです。ちなみに彼のやってる詐欺は一般兵時代に実際に引っかかったり見聞したりしたものという設定があります。この煙草詐欺には引っかかっているのでしょう。馬鹿ですねえ。



「本業」

→彼には人を見る目があるため、それが悪い方に遺憾なく発揮されるとこのようなことになります。この人を嵌めるやり方は完全に人を見てやっているので、良い子は真似をしないようにしてください。今の世の中なら、彼はやり手のNo.1ホストになれるはずです……見てくれもいいし。



「目と腕はふたつあるからひとつくらい無くてもいいだろ」

→この脅迫文は何度か出てきているのですが、多分予備隊ですり込まれているのでしょう。彼にとっての脅迫や恫喝のベースは全て予備隊で習ったことです。



「自分のせいでレキがこんなことをしているのではないか」

→実際のところ、彼がこのような露悪的な商法を行っているのはある種の自虐です。プライドが徹底的にすり潰されているため「まともに生きてはならない」という脅迫概念が染みついてこのようなことをさせています。キオンのせいではありません。



「男より女の方が大切に育てられているからな」

→これはほとんど彼の偏見ですが、何かあったときに女性の方が助けてもらいやすい傾向は現代でもあると思います。



「まるで嘘のような武勇伝」

→この武勇伝は多少盛ってありますが、基本的に実話をベースにしています。特にトリアス山については相当悔しかったようで、上官に殴られるところはたまに夢に見るようです。そのせいか「本当に夢だったのかもしれない」などと思って、このように自分の中で茶化すことで過去の傷を誤魔化しているところがあります。



「どうだ? いい眺めだろう?」

→目の前でレズセックスが展開されてエロいとかそういう以前に、人間としてどうかと思われるレキの言動にキオンは相当傷ついています。こんなことをする人間と一緒に過ごしているのかとか、周囲からは同じような酷い人間として見られているんだろうなとかいろいろ思うことはあると思うのですが、この辺の彼の詳しい心境はおそらくシェールを脅迫してでも「どうしても言いたかったこと」に含まれますので少しお待ちください。



「今そういう話聞きたくなかったなあ……」

→実際レキ・ラブルを名乗っている彼は「金がもらえるなら(地下に入る以外)何でもやる」が信条です。その辺は亡霊編での決意が大いに関係してくるのですが、性に関してもかなり奔放です。第3話でもあった通り、見返りがもらえるなら男でも女でも関係なく性行為に及びます。



「俺なんてかわいい小悪党だよ」

→彼は悪党である自認はありますが、過去に押しつぶされてきた悪意によって自分のやってることを過小評価しているところはあります。「俺なんか大したことない」はプラス方面にも向かえば、マイナス方面にも向かうようです。



「もうそろそろ女でも抱いて、つまらない幻想なんか打ち砕いておくべきなんだよ」

→この時キオンは14歳くらいだと思われるので、第二次性徴の思春期真っ只中です。自身の経験からも女を知りたくて仕方ない時期だとレキは思っています。尤も、彼の場合一般的な女性ではなかったのですが。



《第5話》


「そう言えば俺は、死のうとしていたんだよな……」

→今更ですが、叛逆編の一連の全ては彼の拡大自殺で、全てが終わったら本当に死ぬ予定でした。「どうしてこうなった」というところは強いのですが、死ぬ機会を完全に逃してしまったのでどうしようかな、というのがこの第5話であります。



「あんたなんて、死ねばいいんだ」

→事件編でこのシーンについてフォルスが言及するくだりを書いたつもりだったのですが、読み返したところ確認できなかったので申し訳ないです。でもなんで彼が今更襲撃してくるのか、というのは何となく予想が立てられると思うので是非考えてみてほしいところです。



「その自分をゴミっていうのやめろってこの前も言っただろう!?」

→字で表現されるとそうでもない気がするのですが、四六時中何かにつけて自分を下げるようなことを言われ続けると聞いている方は嫌になるはずです。ライラにも同じことを言われているのですが、そうは言っても「自分を価値がないものとして苦痛をやり過ごす」という生き方を強いられた彼の生い立ち上、この自虐癖が抜けることはないと思われます。



「あの、頼めばずっと一緒にいてくれますか?」

→彷徨編を読んでくると、キオンの情緒不安定さもかなり気になるところであります。彼はレキが好きなのか嫌いなのか。有明編の最後では「あなたのこと好きですよ」と言っているとおり、基本的に好意は持っているはずです。それでもたまに、どうしようもない攻撃性が湧き上がってくるみたいです。なんでなんでしょうね。



「……有り難く拝受致します、フォルス殿下」

→キオンにとって大事なのは「フォルスでいたことを知っている人がいること」だということをレキ本人がよく知っているため、わざとこのようなことを言っています。つまり、これは彼が誰かに言われたくて仕方ない言葉です。さて、彼の本名を呼んでくれる人は現れますかね……?



「レリミアとの約束」

→事件編と全容編の主な違いは、ライラと結びついたか否かの他にレリミアと約束をしたかしないか、というのがあります。自分から命を絶つ決断をした彼女をレキは尊重して、「憎悪に駆られた行動はもうしない」と決めています。決めていたのですが……。



「それ以外の悪夢は変わることなくレキに襲いかかった」

→あまり書く機会もなかったのですが、災禍の夢の他にトリアス山での夢も彼はよく見ます。いくらテンションがおかしくなっていたとは言え、あれだけの数の兵士を殺しまくれば精神的に悪い影響はあるはずだと思っています。他のトラウマが濃いために前面に出てきませんが、あの山の日々も結末含めて彼の中では忘れたい過去になっています。


「自分がキオンを殺さないように、キオンの側から離れるということであった」

→そういうわけで、何故彼が失踪したのかの答えがこれでした。彼の中で助けたと思ったらそうでなかったアルセイドや猫2などの面影が過ったのだと思われます。



「それからいろいろあって一文無しの状態から何とか状況を立て直して」

→この辺のキオンがどうやって戻ってきたのかについては、本当にあんまり考えていません。なんか、いろいろ頑張ったんでしょう。通行証だけは偽造のものを持っていて、何とかコール村経由で戻ってきたのだろうと思います。ちなみにキオン単独なら乗り物に乗れるので乗り合い馬車や定期便などで戻ってこれるので移動速度はとても速いです。さて、彼にどうしても伝えたいことって一体何なんでしょうね。その話し合いは第三部で予定されています。



《第6話》


「船に乗る勇気が出なくて」

→閉所恐怖症にとって船は最悪の乗り物です。ただ、レキの場合本来は地下恐怖症であるので何故乗り物がそこまで苦手なのかというのはまだ誰も不自然に思っていません。「地下が苦手→閉所恐怖症→乗り物もダメ」くらいの感じだと思われているのですが、実際はどうなのかというのはまだ語られていないところであります。



「こういう商売か」

→普通であれば美人局の亜種としてボコボコにした上で「言いがかりの迷惑料」として有り金を巻き上げるのですが、相手が悪すぎました。



「見た目だけならどこから見ても金のない浮浪者であった」

→余談ですが、キャラクターの外見をしっかり描写しようみたいなのを見ると「この世捨て人ルックはどこまで描写すればいいかな……」と躊躇します。特に有明編のアレはしっかり書くとかなりキツいと思います。適当に空気で補完して頂けると助かります。



「最悪手加減をしなければ何とかなるだろう」

→非常に相手を舐めているような思考回路ですが、客観的事実として彼をどうにかできる一般人は皆無であると思われます。それこそ「先生」みたいな人が出てこないと、話になりません……。



「相手がレキを舐めていたために最初の十人は簡単に沈めることができた」

→この辺が彼の強みで、子供の頃からとにかく判断が速く容赦がない。基本的に「相手より早く動けばいい」と思っているので基本的に負けず、更にいざ対峙したときの威嚇が半端ないので確実に相手はビビります。その隙を狙ってくるので非常に質が悪いです。


「いいからどけよ、ぶっ殺すぞ」

→アドレナリンどばどばで本人は誰に何を喋ってるのかよくわかってないと思われます。もし下手に相手をしていたら本当に殺していた可能性もあるので、ファーレはやはり人を見る目があるのだと思います。



「舐められたら終わる」

→実際舐められたら終わる世界なので、会合の間中ずっとメンチを切っていたのだと思われます。本人の自覚以上に彼が睨むとカラン家のオーラがかなり怖いらしいので、周囲も居たたまれなかったのではないでしょうか。



「リソスと名乗る青年」

→キャラ動向にも書きましたが、彼は本来セラスの弟で基本的にツッコミ役を頼む予定のキャラでした。元々の初代シェールはフォンティーアとシャイアを足して強化したようなキャラでセラスも今よりかなりクールな感じだったので、親しみやすいキャラが必要だよなという配慮でした。ところがいろいろあって彼の居場所がなくなり、エピソードごと没になっていたのですが勿体ないのでこうしてルキシル編として再構築したところであります。つまり三十人斬りは十人斬りのリフレインなわけです。



「小ぎれいな格好にされたレキ」

→完全に正装をしてマフィアの格好をしているところを想像して頂けるといいかな、と思います。きっと髪の毛はオールバックにされています。これでガチ睨みされたら多分めっちゃ怖いと思います。そして普段はやっぱり服選びにコンプレックスがあるのでわざと汚い服ばかり着てリソスに「先生、ちゃんとした服着てください」って怒られているのだと思います。



「そこの娘が悪い男に騙されて」

→こんなところを読んでくださる方のために言うと、この「悪い男」は実は作中に登場しています。ちなみにこの女も登場しています。さて、誰でしょうね……(最初から読めば一発でわかります)。



「ひと目君を見て、このまま連れ去りたいって思ったよ」

→見てくれはいいので、大体これで大抵の女はドキっとします。タチの悪いことに、彼はそれをよくわかってます。そうして女を騙している瞬間は変なアドレナリンが出て気持ちいいんだと思います。悪い奴ですね。



「女の左腕の骨を外した」

→多分骨外しは予備隊で互いに演習していたと思います。「今から相手を脱臼させろ」「馬鹿それじゃ折れるだろ」みたいな……。



《第7話》


「先生は女をおやりにならないですから」

→基本的に姉の思い出があれば済むので、自分から女を買うことはしません。かといって特定の恋人を持たないレキがリソスから見れば不思議だったのだと思います。彼は元気な男の子なので時間と金が許すなら綺麗なお姉ちゃんたちとずっと遊んでいたいと無邪気に思っています。



「躊躇なく人を殺せる人材は貴重」

→普通に人を殺せるのではなく、躊躇も容赦もなく殺せるっていうのはそれほどいない気がします。しかも淡々と言われたことができる。ちゃんと言うことを聞けるのも貴重な人材であります。



「無我夢中で、返り血がたくさんついて」

→現状で彼が一番最初に殺人を犯すことがはっきり書かれているのは、予備隊の殺人講習のところです。その時は「シャスタの様子がおかしい」という方に気が取られて自分の殺人にあまり興味がないのですが、このことから「彼はこれより以前に殺人を犯している」ことがわかります。それがいつ、どのようにして行われたのかというのはこれから先の話になってきます。



「裏切り者に更なる制裁」

→とても余談なのですが、このお話の全体の構想が浮かんだ頃はこのエピソードを全容編のプロローグに持ってこようとしていました。そしてリソスがドン引きするところまでがセットです。最初は拷問されているのがシャスタが連れてきた特務でロッカー事件の犯人という設定でしたがあんまりにもあんまりだ、というのとレキの性格がサイコパスから実はいい奴へと全面的に変わったことでシャスタが特務を連れてくるイベントが消失し、それと共にリソス共々消滅しておりました。でもこうして日の目を見ることができて良かった良かった、と思います。こんなのプロローグにしないでよかったー!



「アランダ」

→どうでもいいのですが、この処刑された兄の名前はアストラです。この兄弟にもうひとりいたら、名前はサカバンバですね。スピス兄弟。



「残念だったなあ、俺たち全部知ってたんだよ」

→一生懸命黙っていたのに、何の意味もなかったことを突きつける最低の行為ですね。しかも弟の死も同時に告げている。身体だけでなく心の折り方に関してもプロフェッショナルな彼にはぶっちゃけザファの親分もちょっとドン引きしたと思います。



「新たなシノギ」

→使いようによっては金になる男が現れたら、金にしようと思いますよね。ザファの旦那はいい拾いものをしたと思います。もしこのままルキシルでザファ家に飼われながら闇の修練場の師匠として一生を終える、というエンドもレキにはありました。それは剣技をすっかり諦めてコール村で嫁をもらって暮らす、というエンドと一緒です。でもそうはならなかったのが全容編です。



「埋められるだけのことをした自覚はあった」

→そういうわけで何故かルキシルにシャスタと発起人ライラが駆けつけてくれました。これから彼を埋めなければならないので、全容編では絶対間違いのない人材を送りつけた次第です。事件編との大きな違いは、展開もそうですがこの「誰が迎えに来たか」というのもかなり重要なポイントです。彼を迎えに来るにはフォルスとセラスじゃダメだった、というのが有明編でもあります。多分事件編でもこの二人が迎えに来れば残月エンドは回避できたと思います。そういうわけで、話は暁編へと続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。