23.ハロー効果
「桐原、聞いて!」
私は前の席をくるっと振り向いた。
「また何か発見したのか」
「隣のクラスに来た転校生ね、めちゃくちゃ美人なの!」
「ほう」
「しかも今日の小テストで満点だったらしいわよ!? 絶対性格もいいに決まってる!」
桐原は静かに眼鏡を押し上げる。
「それはハロー効果だな」
「最初の挨拶って感じね! どういうものなの?」
「ある一つの目立った特徴に引っ張られて、他の特徴まで無意識に良く評価してしまう現象だ」
「なるほど?」
「〝美人だから優しい〟〝頭がいいから人格者に違いない〟といった思い込みだな」
あ、私今、転校生にそれを当てはめちゃってた。
「でも……可能性はあるじゃない」
「否定はしない。ただし根拠は外見や一部の能力だけだ」
「う……じゃあ逆もありそう」
「もちろん、ひとつの特徴に釣られて悪く評価してしまう場合もある。〝怖そうだから冷たい〟〝一度失敗したから無能〟と決めつけるのもハロー効果だ」
あれ? それでいうと私って……
「最初〝派手で怖い〟って周りに思われてたわよね、私……」
「そうらしいな」
「じゃあ、どんどん悪い印象を持たれてたってこと!?」
「その可能性はある」
「ううっ」
どうしよう、泣きそうよ!
「大丈夫だ、工藤」
その言葉に、私は視界を潤ませながら顔を上げる。
「実際の工藤は騒がしくて感情表現が豊かで、すぐ落ち込み、すぐ立ち直る」
「フォローになってないわ!」
「少なくとも、怖いだけではない。すぐにみんな、工藤の良さに気付く」
「……」
どうしよう。嬉しくて言葉が出て繋げられない。
もしもみんなに派手で怖くて、話しかけづらいって思われてたとしても。
桐原がわかってくれてたら私、それだけで救われちゃうんだよ?
ーーー♡あやかメモ♡ーーー
*ハロー効果*
ある一つの目立った特徴に引っ張られて、他の評価まで左右されてしまう心理現象。
「美人だから優しい」「一度ミスしたからダメな人」なんかもその例。
人は意外と単純!
でも逆に言えば、
いい印象が広がる可能性もあるってことよね?
桐原の中では、ずっと好印象なハロー効果が発動してるって信じてる⭐︎
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