スパーダ狩り
魔卿騎士団というのはセブンスソードを行った組織だ。新たな団長を作るため俺たちは殺し合いをさせられた。それはあくまで一部の派閥が行ったことのようだが、それにしたって魔卿騎士団は俺たちにとって敵なんだ。
以前星都が言っていた、いずれ魔卿騎士団が接触してくると。やつらにとって団長候補という存在は無視出来るものではない。それがついに現れたんだ。
魔卿騎士団という名を聞いてまず思いつくのはセブンスソードの管理人たち。ロハネスや半蔵、エルターだ。全員なにかしらに秀でた異能の使い手であり一人だって半端な敵はいなかった。彼女も魔卿騎士団だというのなら実力だって相当なはず。
油断はない。そう構えていたが、そんな俺ですら次の一言は衝撃だった。
「その四大幹部だ」
(四大幹部? ロハネスたちよりも上の存在?)
魔卿騎士団の階級なんて知らないが四大幹部なんてどう考えてもロハネスたちより上じゃないか。彼女がその一人。そんな大物が現れるなんて。
でも、なんていうか……。
「なんだそのツラは!?」
(バレたか)
表情で読まれてしまったなら仕方がない。言うか迷うが正直に言ってしまおう。
「見えないな、って……」
「んだとてめええええ!」
「まあまあ、社長、その見た目では」
彼女には申し訳ないが、態度はでかいが普通の女の子っていう感じなんだよな~。
今にも飛び掛からんとするモニカを後ろの女性が抑えている。本当に子供だな。それにこう言っちゃ本当に悪いんだが。
「俺の知ってる魔卿騎士団の方が強そうっていうか」
「はああああ!?」
初見に感じた印象度合で言えば最初に見たロハネスが一番だ。フード越しでも感じたあの凄みは忘れない。彼女も強いんだろうがそこまでは感じていないというか。それか俺が強くなったからなのか?
「ふざけんな! この私が弱そうって言ってんのかこのジャップは!?」
「あ? そうだよチビ。ぶっちゃけロハネスの方がやばかった」
「なッ」
めちゃくちゃショックを受けている。ていうか、ロハネスを知ってるのか。本当に魔卿騎士団なんだな。
ロハネスは言っちゃなんだが強敵だ。空間転移と複数の槍を操るあの戦闘スタイルは隙もなく攻撃方法も多彩で苦戦した。そのロハネスと比べられても普通なら弱そうに見えるのは仕方がない。
だというのに、彼女は悔しがっていた。ショックを受けていたんだ、その反応は嘘には見えない。
もしかして、本当に強いのか?
「わ、私があのチンピラより弱そうだとぉおおお!? ふざけんな訂正しろてめえ! なんで私があんな暴れん坊の下なんだよ!?」
あ、やっぱりそっちでもそういう扱いなんだ。ロハネスって戦闘好きの狂人だったからな、めちゃくちゃ強かったけど。
すると彼女も知っているのか背後の女性が話す。
「でもあの人ちょー怖かったですよね。私の友達みんな避けてましたもん。誰彼構わず喧嘩売って、ほんと戦うために生きてましたよ」
「そんな話今どーでもいいんだよ!」
あ、俺はもっと聞いてみたいかも。あいつって他からどんな目で見られていたんだ? 魔卿騎士団を全然知らない俺からすれば興味あるっていうか。他の管理人はどうなんだろうか。
「管理人だとエルターとかいたな、紫髪の」
「は? あの学者までそうなのか?」
「へー、意外ですね」
「学者?」
どういうことだ、エルターってあの弓使いだろ? 俺一人ではどうしようもなかった強敵だ。なにせ因果律を操作してくるため防ぐことも躱すことも出来ない、絶対命中の能力が強すぎた。それが、学者?
「あいつが降臨派、ねえ? なにが狙いだったんだ?」
「あの人ずっと引き籠って因果律やらなにやらの研究してた人ですよね? 以前は独力でしてたそうですが限界感じてうちに来たらしいですよ。そのために弓の扱い覚えたって友達言ってました」
「うちは腕っぷしないと入れないからなー」
え? あの強さ片手間だったの!? マジ!? 元々戦闘員じゃなくて研究職かよ!
「あんたはそんな人と比べても弱そうに見えるぜ? 四大幹部の採用基準って実力じゃないのか?」
「あ、君」
「舐めてんじゃねえぞクソがぁああ! 言っておくがな、私は全盛期じゃないんだからな! 本当はもっと強いんだからな!」
「へー」
「なんだその返事ぃいい!」
そう言ってもな、中学生が強がってるようにしか見えないんだよ。
※もし面白ければブックマーク、評価していただけると嬉しいです。よろしくお願いします。




