表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【WEB版】セブンスソード  作者: 奏 せいや
487/499

駆の繰り出すアブソリュート・サモンによって聖治の周囲に悪魔たちが配置される

 それは時間の巻き戻りだ。星都は今光を越えて過去に向かって走っている。そのため走れば走るほど時間は過去へと進んでいく。星都が一歩進むたびに仲間たちは灰になる前に戻っていき聖治と香織も灰から元に戻っていった。デスザルの光も駆の左腕に集まっていく。映像の逆再生を続けダークサイドが迫ってきてダークサイドから引いていく。外の景色はちょうどリトリィが呪文を唱える直前だった。


「デュー」

「させるか!」


 そこで時間が未来に進む。星都がエンデュラスでリトリィに切りかかりアブソリュート・サモンで回避されてしまう。


「ダークサイド!」


 一花の異能が聖治以外のみんなを包み込む。


「聖治ー!」


 声をかける。大声で。これは起死回生のチャンス。時間逆行という魔力消費の大きい技、出来るのは今回限り。これを逃せば終わりだ。


 自身の名前を叫びながらダークサイドに消えていく星都の姿。その声に、真っ直ぐな目で聖治は応えた。


「仲間は消したわ!」

「マスター、一斉攻撃チャンスよ!」

「当然だ」


 駆の繰り出すアブソリュート・サモンによって聖治の周囲に悪魔たちが配置される。


「いけ!」


 駆の号令が響き全員が聖治に襲いかかる。


「――――」


 その全てを、見切る。


 背後からガイグンの前足がくる。


「ディンドラン!」


 背後にベールを張って防ぐ。


 リトリィがファイを放つ。


「ミリオット!」


 それを撃ち落とす。


 ポクがハンマーで足を狙う。


「エンデュラス!」


 それを高速で回避する。


 ヲーが槍を放つ。


「グラン!」


 それを斥力で押し戻す。


 一花が蹴りを放つ。


「カリギュラ!」


 それを赤のオーラで牽制する。


 最後。正面から走る駆が放つ皆殺しの誓い。


 その拳に合わせ聖治もスパーダを振るう!


「パーシヴァル!」


 聖治のスパーダと駆の拳が衝突し二人は弾かれた。聖治は色を赤に変え再び振るう。仲間がいないこの状況、全力で解放出来る。


「カリギュラ!」


 最大出力で放たれた赤のオーラが駆たちを襲う。一斉攻撃で接近していたためダメージを受けてしまう。


「ダークサイド!」


 一花がなんとか回収、離れた場所に出現させる。カリギュラを一瞬とはいえ全身に浴びたことで体力をごっそり持っていかれている。


 駆たちの攻撃を防ぎきり聖治はカリギュラを止めスパーダを振るう。すべての攻撃は見事完封した。それだけでなくカウンターまで決めてみせた。


 駆たちの一斉攻撃。


 それに対する、一斉攻撃返し!


「そんな~! 私たちの一斉攻撃が~!」

「返されたヅラ!」

「馬鹿な」

「……?」


 聖治の対応は完璧だった。あまりにも順当過ぎる。駆の眉が曲がり聖治を不機嫌に睨む。


「なぜだ」


 なぜ成功しなかった。デュークが防がれたとはいえ全方向からのほぼ同時攻撃。さらにディンドランだけで防いでは皆殺しの誓いで破られるのを読んで各個各能力で捌いた。そんな芸当をやってのけたのが信じられない。


「俺の友が教えてくれた」

「?」


 そんな駆に、聖治はつぶやくように教えてくれた。


「忘れていたよ。俺たち『スパーダの絆』っていうのは、時を越えるんだってな」


 聖治の胸に去来する思い。自分はたくさんの人に助けられてきた。星都や力也、此方に日向ちゃん。そして香織。それだけでなく未来で出会った人たち。


 そして、魔堂魔来名。


 時間を越えてもなお守るという約束を果たしてくれた人。


 そうしたすべての思いが集まって今がある。


「俺の友が救ってくれたこの命、そして機会を、無駄にはしない!」


 一人じゃない。そんな当たり前の思いが胸を熱くする。


 そこで白い輪が現れ星都たちが帰還してきた。みな心配な表情で聖治を見るが無事な姿にホッとしている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ