雪の戦
「ふおおおおお!和也!雪!雪よ!」
ふおおってなんだ、ふおおって。
無駄にテンション高いし。
俺はこういう日は家で寝てたいんだけどな。
相手は可奈か……手強そうだ。
はっきり言って勝てる気がしない。
「外!外出よ!」
いつものニート力はどこへいった。
戻ってこいニート。
「俺寝てたいんだけ……って人の話を聞く前に手袋とか用意するな!」
「え?だって外行くでしょ?」
自己中に収まるレベルの人間じゃねぇやコイツ。
どうしよ。
「あー、そうだ。材料買いに行かないとなんだ」
割とガチでないし。
これで雪遊び回避かな。
「じゃあ外に出るんじゃない!遊ぼ遊ぼ!」
買い物=外出=遊び。
そんな理論は存在しないっ!!
もうヤダ、何コイツ。
「和也くーん、今日買い物行くんでしょー?」
ここで美緒様という助け舟が!
「じゃあ手袋とマフラーも買えばいいじゃない。お金は出すから」
出るはずもない。そのまま沈没してくれ。
雪遊び不可避。
ここで追い討ちをかけるようにくる、コール。
大体予想ついたでしょ?
多分それあってるよ。俺も思うから。
「和也ー!雪遊びしよー!」
いやー大正解。
当たり前のような朱音さんでした。
逃げ道なんてない。
逃げないんで泣いていいですか。
「わかりましたよ……すればいいんでしょ。その代わり買い物先ですからね」
さっさと着替えよ。
テキトーな服でいいよな。何にせよ濡れるんだし。
「和也はやくー!」
「うるせ」
付き合ってやるんだから黙ってろ。
さてと、財布だけ持ってくか。
「おはよー和也!」
「あー、ども朱音さん」
先輩にどもって言っちゃったよ。
まぁ朱音さんだしいいや。
「買い物行きますよ」
「バカ会長なんで来たのよ!」
「痛っ!私は和也が好きだから来たんだ!馬鹿に用はない!」
「あう!投げ返してくるなんて!それに私は馬鹿じゃない!」
どの口が言ってんだ。
楽しそうだな、あんたら2人は。
朱音さんが好きとか言って普段なら動揺するけど、もはや動揺する気力もない。
「死ね会長!」
「これでトドメだ!園木!」
絶対、雪遊びで出てくるフレーズじゃない。
しかしつっこむ気力も(ry
「じゃあ俺だけ中入るんで、遊んでてください」
「「いってらっしゃい!」」
「む!被せたな!園木め!」
「はー!?そっちが真似たんでしょ!」
子供かよ…………子供か。
お、今日は特売日。
運がいいのか悪いのか。
野菜多めに買って行こうかな。
「お待たせしました」
「おのれー!この恨みはらさでおくべきか!」
「#@&!?#&☆×〒#/@!!」
可奈に関しては何言ってるかわからん。
ここまでくだらない戦いは初めて見た。
「オラァ!」
「貴様ッ!」
……とうとう性別まで変わったか。
帰りながらとか通行人に当てないでね。
謝るの俺なんだから。
「これでもくらあっ!」
あってなんだ?
コースが曲がったとかっ!
……。
「か、和也、その……テヘペロ」
通行人に当てるなとは言った。
だからといって俺に当てていいと思ってるのか?
「かぁなぁぁ!」
「ごめんなさいいいいい!ぶっ!」
雪には雪を。だろ。
「園木……ププッ……顔に雪が」
「何笑ってんのよ!ば会長!」
ば会長……。バカと会長的な。
発想小学生か。
「和也も意外と乗り気じゃないの!」
「いや別に俺は」
「今更遅い!顔に当てられたんだから顔に当てる!」
ふわふわ、ぺしゃっ。
飛距離短っ!今まで近距離で戦ってたもんな。
「あと何発当たりたい?」
「いやぁぁ!来ないでぇ!」
変質者みたいに言うなよ。誤解されたらどうするんだ。
「和也、和也」
「はい?なんすか?」
「さぁ当てて!」
「すっげー当てたくない!」
手を広げてウェルカムな感じだけど、当てたくない。
「じゃあお望み通り当ててやるわよ!」
「私は和也に頼んだんだ!」
「頼むくらいなら私のでもいいでしょうが!」
あー、もー、ホントに……つまんねぇじゃねぇかよ。
全然面白くなんかねぇや。
「和也、雪合戦!チーム分けするわよ!」
合戦の人数じゃないけどな。
「おう」
楽しくなんかねーからな。
残り158日




