ミスコンなんて上位は決まってる
「いらっしゃ……おかえりなさいませお嬢様」
頑張れみんな!
裏方の料理でよかった。
服はメイドだけどな。
「みんな頑張ってるねぇ。あ、和也君オムライス2つ追加だって」
「あいよ。騎堂、珈琲4つ3番テーブル」
「心得た!」
なにかと息ピッタリで順調だ。
ここまでは!だからな。
これからは奴らが来る。
「和也ー!」
来た。まずは朱音さん。
「おかえりなさいませお嬢様」
「私はあなたのお嬢様じゃないわ。和也のお嬢様よ」
「は、はぁ……和也なら向こうで料理を……」
「ありがとね!A君!」
「A君!?」
めっちゃショックだろうな。
あんな美人に名前覚えられてる俺の方がおかしいのかもしれないけど。
あの人の内面知ってみろ。
もっとショックだぞ。
「お待たせ和也!」
「来てくれとも言ってませんし、待ってませんよ」
「ふわぁぁ!和也のメイド服だぁ〜!」
「普通にスルー!?」
そんなことはそっちのけでジロジロと俺を見ている。
「うん!いけるはず!」
何考えてるんだ?
この人の考えることだからまともなことじゃないだろうけど。
朱音さんはどこからともなく取り出したネコ耳を俺の頭に付けた。
「ん〜!似合ってる!」
「はぁっ!?ちょっと!今料理してて手が離せないんです、取ってください!」
「大丈夫よ、可愛いからっ♡」
「大丈夫な要素をこれっぽっちも感じない!」
この人に頼んでも外してもらえる可能性はほぼ0に等しい。
ならば、
「竜次!これ取ってくれ」
「大丈夫だよ和也君。似合ってる」
「お前まで言うのか!」
ダメだ!
最後の望み!
「騎堂!」
「すまない、今珈琲豆を煎っているいるんだ。手が離せなくてな」
「お前はどんな行程から珈琲作ってんだよ!」
このメンバーに頼れやつが居なくなってしまった。
救世主よ!来てくれ!
タイミングよく、可奈と優希さんの到着。
「ごめん、和也色々見てたら遅く……ぷっ!あはははは!何それ!なんでアンタネコ耳付けてんの!可愛いー!」
「おぉ、可奈。これ取ってくれるか?」
「ごめん、ちょっと忙しいな」
「写真を撮るんじゃねぇ!ネコ耳を取れ!」
なんなんだよ本当に!
「優希さん!」
「ひゃいっ!えっ、そ、その……可愛いです須藤しゃん!」
「誰もそんなこと聞いてない!」
オムライスが作り終わってしまった。
そして自分で取った。
「はぁ……」
「それにしても大好評だな」
「ですねー」
満席で列まで出来ている。
逆転メイドなんてそんなにいいもんじゃないだろう。
「そりゃそうよ。だって和也の料理よ?逆転メイドのオムライスが美味しすぎるってもう噂になってるわよ」
「喜んでいいのか……?」
「えぇ、喜ぶべきでしょ」
「そ、そうか。やったー(棒)」
「誰も無理して喜べなんて言ってないわよ」
喜べないだろ。
だって俺学校行事嫌いだし。
「あっ!私達にもアレ言ってよ」
「アレ?」
「おかえりなさいませってやつ」
「あー」
ちょっと悩んだ結果。
「やだ」
「なんでよ!」
「したくないから」
「強制」
まあ、大体予想はしてたけどさ。
そんな予想通りの行動しなくてもいいんだぜ?
「……おかえりなさいませ、可奈様」
「うーん、それ前言ってたし懐かしい感じ」
「言わないよりいいだろ」
可奈は「それはそうだけどー」などと言っていたが、そこはまあいい。
「和也!私にも言ってくれ!」
貴女はMですよね。
お嬢様って言われても嬉しくないんじゃ……。
「おかえりなさいませ、朱音様」
「いつもとあまり変わらないな」
「ですね。【ん】なのか、【ま】なのかだけです」
しょうがないにはしょうがないことだ。
先輩だし。
「須藤しゃん……で、出来ればわた」
「おかえりなさいませ、優希様」
「あ、あぁありがとうございます!感激です!」
「いやそこまではないでしょ!」
これで全員終わったか。
ここでダークホース?の登場。
「和也君和也君、僕にも」
「おかえりなさいませ、お嬢様」
「僕男だよ!?」
「おう、帰ったか坊主」
「どこのおじさん!?」
適当なネタで終わってしまった。
「和也君!珈琲が出来たぞ!」
「おせぇよ!もうバリスタで出したわ!」
「なに!?ではこの珈琲は無駄ではないか……。飲むしか……いやダメだ!私は苦いものが苦手なんだ!」
なんか1人で喋ってるし。
それに一人称「私」か。
初めて知ったぞ。
「俺が飲むからそこ置いといてくれ」
「すまない」
廊下からドドドドという音が……。
嫌な予感も。
「須藤ー!私はオムライス要らないからお前の童貞をくれーー!」
勢いよく走ってきたので華麗にかわした。
案の定、壁に衝突。
「うぅ、痛い……」
「おかえりなさいませ、由美様」
「す、須藤が私の下の名前をっ!これは新しい進展の予感が」
「帰れサキュバス」
「うわぁぁぁん!」
感情の上下が激しい人だ。
てか、担当の数学教師なんだから下の名前も覚えてるだろ。
「あ!そうだ須藤!私は午後からあるミスコンに出るのだ!しっかりと見てくれよな!」
「ミスコン?」
「あぁ!この学校の伝統だ。優勝者にはペアの混浴旅行券!私はもちろん須藤と」
そこまで言った時点で後ろにいた3人が消えた。
といか猛スピードで走っていった。
「ミスコン……ですか。あ、佐姫芭先生オムライスどうです?」
「いただこう!」
それから可奈、朱音さん、優希さんの3人は登録を終わらせて帰ってきた。
昼食は結局オムライスになった。
午後
『さぁ今年もやってきました!神鳴高校恒例のミスコンです!!張り切っていきましょー!』
体育館で行われるミスコンを俺は観覧することにした。
『まずは1年生から!1年生にして魅惑のボディーの持ち主!1年D組園木可奈さんです!お嬢様のようですが一体どんな服装なのでしょうか!それでは可奈さんの登場です!』
堂々と歩いてきたその姿は制服のまま。
ただ、ボタンを1つ外すことでエロっぽく見せている。
『おぉーっとこれは!そのまま!そのままです!しかし、なんだこの色気はー!女子までもが魅了されいるー!』
あの女性司会者気合入ってるな。
可奈は決めポーズもバッチリ。
戻っていった。
『次の挑戦者はー!ーーーー!ーーーー!』
ここら辺はわからないから特にいい。
それに結局、可奈と張り合えるのは俺の知ってる3人だけ。
『なかなかでしたねー!次!ーーーーーーーー!』
それ以降も10以上はいたが、この時点では可奈の優勝は確定している。
そしてとうとう来た張り合える人物1人目。
『次は副会長!明間優希さんです!どうぞ!』
服装は、ワンピースに麦わら帽子。
この服装は似合う人似合うよな。
しかも照れてる感じの頬の赤らめ方がすごくマッチしている。
さすがだ。
『そろそろ終盤!今年のミスコンは超激戦だ!生徒会長、花岡朱音さんの登場です!』
ゆっくりと出てきたその姿は……。
ウエディングドレス。
それも真っ白の。首元にあるアメジストのネックレスが目立つ。
『おおぉぉ!これは!ウエディングドレスです!なんと!いつから準備していたのでしょうか!』
してないだろ。
「どうだね私の娘は」
「うわっ!……って蘇流理事長。びっくりした」
「お父様でいいと言っているだろう」
「遠慮しておきます。朱音さん綺麗ですね」
「あぁ、あのネックレスは君のプレゼントなのだろう?」
「はい、聞いたんですか?」
「聞かずともわかる。朱音は飽きっぽい性格でね、そんな朱音が肌身離さずつけているものなんて君からのものくらいだろう」
あの朱音さんが飽きっぽい性格だなんて意外だ。
ドMだったことより意外性は低いがな。
朱音さんは最後にウインクしていった。
会場は大盛り上がり。
これは自意識過剰なのではない。
あの人は俺に向けてウインクをしていった。
ホントにかなわないな。
『次が最後の挑戦者!異例の事態!佐姫芭由美先生だぁー!』
凛としているその姿。
水……いや、下着だな。
レース付きの下着だ。
『おぉぉ!?こ、これは!水着!水着だと信じたいです!』
司会者が困っているじゃないか。
最後に胸を寄せる仕草をしてアピールを終えた。
『全員のアピールが終わりました!投票タイムに入ります!一番良かった方に○をつけ、投票箱へ入れてください!』
次々と生徒が手持ちの紙に書き入れ投票している。
俺はギャラリーにいたためもらってはいない。
なくてよかった気もする。
『集計が終わりました!今年の優勝者はー……………』
だいぶためるんだな。
さっさと言えよ。
『園木可奈さんです!おめでとうございます!』
会場からは「うおおおぉ!」とか「可奈様ー!」という声が上がった。
可奈は一礼し、投げキッスをしてみせた。
『準優勝はー!…………花岡朱音さんです!』
ここも叫び声のようなものが上がる。
朱音さんは上品にドレスを持ち上げ一礼。
そしてミスコンも無事終了。
「お疲れ様」
「和也!私優勝よ!やったわ!」
「あぁ、見てたよ」
テンションがあがっている。
3位と4位で優希さん、佐姫芭先生だった。
佐姫芭先生は格好の問題として理事長に連行された。
「園木には勝てないかぁ」
「朱音さんだって綺麗でしたよ」
「お世辞じゃないことを祈るよ」
「お世辞じゃありません、本音です」
落ち込んでる様子だった朱音さんもすぐに通常運転へ。
優希さんはまだ着替えてるようだ。
一番早く脱げそうなんだけど……。
なにがともあれ文化祭は大成功だったな。
なにか忘れてる気が……。
あっ、逆転メイド。
その頃、竜次と騎堂は
「騎堂くん、片付けは和也くんに任せて帰ろー」
「しかし……」
「和也くんは午後サボったんだからいいのいいの」
「そう……だな。帰ろう!」
使った器具などをそのままに帰った。
このあと、和也は後片付けに追われることになったのは言うまでもない。
残り178日。




