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可奈、18禁には気を付けて

「で?どこ行くの?」

「え?お前予定ないの?」

『えっ』

コイツの計画性に期待した俺が馬鹿だった。

どうするかなぁ……。

「ねえねえ、ハワイと言ったらハイビスカスでしょ?」

「うん?まぁ……そうだな」

「ハイビスカスと言ったらアロハシャツ!」

「あー、じゃあ買いに行くか」

ということで、ただの思いつきによりアロハシャツを買いに行くことになった。


店内

「これお土産にしてもいいな」

「え?」

「あ、やっぱりセンスないと思う?」

「そうじゃなくて……お土産って私買ったことないんだけど」

……………ん?

毎年行ってるとかじゃないの?

旅行初めて?

え?え?

ひたすらに困惑する。

「センスとかは別にいいと思うわよ?あのバカ会長に下着無しとかで頼むとか」

「いや!そんなことしないよ!?お前の中で俺ってそんなに変態なの!?」

「冗談よ」

くそ、親に似てきやがったな。

ふと脳裏に「うふふ」と笑う美緒の顔が浮かんでしまった。

「なんなら私が着てもいいんだけど。私……和也のためならどんな格好でも」

「はいはい、冗談ね」

「わりと本気よ?」

「え」

これもこれで怖い。

どっちかにしてくれよ。

まあ、さっきのも本気で言われたら困るけどさ。

「は、早く選ぼうぜ!」

強引に話を変える。

「そうねっ♪」

よかった。

なんとかシャツの方へ向いた。

「あ!この透けてるのお母様に買っていこうかしら!喜んでくれるかなぁ」

「待ってそんな危ないの何処にあった!?」

慌てて可奈の方を向くと……。

上には18マークがあった。

「戻ってきなさい」

「どうしたの?いきなり」

「いいから、帰ってきなさい」

「?? わかったわよ」

トボトボと帰ってきた。

危ない危ない。

もうちょっとで染まるところだった。

奥の方にはディル……なんて文字も見えたくらいだからな。

ここなんの店だよ。

美緒は悔しがっているだろう。

ふふふふふ、俺の勝ちだ。

「なにニヤけてるのよ」

「あっ、悪い。なんでもないから」

いつもだったら「キモチワルイ」付きだっただろうに。

優しくなったな。

俺は嬉しいよ(泣)

「でも、そんな和也も可愛かったな♡」

優しくなってない。

怖くなった。

「そ、そそ、そうか?ありがとう」

「照れてる顔も……」

照れてない。焦ってるんだ。

そして店員の目が痛い。

日本語わかるのかな。

「あのぉ〜、日本語わかります?というかさっきの意味わかりました?」

「ワタシニホンゴワカリマセーン!」

「超日本語なのにカタコトで言われても説得力0ですよ!?」

その間に可奈は選んでるようだ。

この人は……未婚だね。

だから怒ってるんだね。

でも、俺も未婚だし付き合ってないからね?

って言いたいけどそれこそ説得力0だしなぁ。

「うちであんまりいちゃいちゃしないでもらえるぅ?」

笑顔がひきつってますよ。

「すいません。でも付き合ってるわけじゃないですし、いちゃいちゃしてるわけじゃ……」

「付き合ってないのにラヴラヴかよ!ふざけんなよ!」

もっと怒らせちゃった。

しかもラヴラヴて……。

「用が終わったらさっさと帰ってくれよな」

「はい」

早く帰れという店初めてだ。

でもこの人は悪い人じゃなさそう。

「和也ー!選び終わったんだけどー」

「おーう、俺もすぐ選ぶー。では」

「チッ」

舌打ち聞こえた気がするけど気にしないでおこう。

俺もさっさと選び終えた。

そして、やっぱりこれをお土産にした。


ホテル

「はい!お母様!」

「なにこれ」

「透けてるアロハシャツです!似合いそうだったので!」

「褒めてるの?エロいと言ってるの?」

この件、旅行中2度目。

「えぇ!?褒めてますよ!お母様の美貌にはこのくらいがちょうどいいんです!」

「褒められてる気がしないけどありがとう」

というか、レジでもめてたのそれか。

最終的には「園木グループです!」でOKが出たらしい。

その部分だけ聞こえた。

「和也くぅん」

「すごく振り向きたくないです」

「どうしてよ!いいじゃない!見てぇ〜」

言い方を考えてくれ。

ただでさえこの話はそーゆーの多いんだから。

女性読者様、ごめんなさい。

「向けばいいんでしょう向けば」

勢いよく振り向く。

ここで予想外の出来事。

ばふっ。

ん?これ……ナァニ?

「もぅ、そんなに飢えてたなんて…。言ってくれれば処理するのにっ♡」

「ははへへふははひ(離れてください)」

「んもぅっ!最近反応薄ーい!」

恐ろしいことに慣れてしまったものだ。

アルプスの山々でも見たら治るかな……。

あ、山々はそーゆー山じゃないからな?勘違いしないでくれよ?

「どう?どう?」

「透けてますねー(棒)」

「むー」

はぁ、この人もホントに子供だな。

なんとかならないのか。

ならないんだよな、これが。

「あのぉ、それは置いとくとして」

「置いとかないでよ!」

「どのくらいコッチにいるつもりなんですか?」

「シカト……。一週間よ」

「は?」

「だから、一週間だってば」

頭痛どころじゃなくなってきた。

帰りたいです。

「さー!お風呂行くわよー!あ、ちゃんと混浴貸し切りだからね♡」

「やったー!ほら和也行くわよ!」

「うぅ……帰りたい」

泣きそうです。

真面目に。

それから俺達は一週間トロピカルに過ごした。

毎日トロピカルジュース飲んだって意味だよ。

可奈がハマったのさ。

簡単に終わらせすぎだよ、このアホ作者が!

というわけで、ハワイ編完


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