表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/54

裏アイドルもお年頃

「和也〜♡昨日は校外研修で会えなかったから寂しかったんだぞっ!」

昼休み。

いつもどおりの光景なのだが、周りの目はもはや凶器のレベルだった。

「なっ!バカ会長離れなさいよ!」

「むっ?君より頭はいいはずだが」

コイツほど頭の悪い奴はこの学校にはいないだろうよ。

「それじゃ、生徒会室行きましょうか」

2人の戦争が勃発する前に移動を始める。

海斗の一件があってからというもの、昼は生徒会室で食べることにされた。

最初は朱音さんが言い出したことだったので、断るつもりだったが理事長にも言われ、断るに断れなかった。

生憎にも生徒会室にはそれぞれの仕事の方がいる。

副生徒会長。会計。書記。その他諸々。

男子も少なくない。

下手な行動は控えるようにしているが、視線が優しくなることはない。


生徒会室

「失礼します」

「失礼致します」

可奈より俺の方が丁寧に言った。

同じ台詞を言った時点で目が変わるからだ。

可奈は………。まだ説明したことはなかったな。

金髪、美人、いいスタイル、行動は可愛い。

という理想のような女性なのだ。

金髪は地毛らしい。

それ故に、校内で1位2位を争うほどの美人が故にだ。

まあ2位は朱音さんなのだが……。

この2人という時は周りの目が普通じゃない。

ハッキリ言うと怖い。

まぁ、そんなことを考えていると会長からお呼びがかかるわけだ。

「和也、ちょっとちょっと」

手招きされ、俺は朱音さんの方へ向かう。

「ここ、座って」

朱音さんの隣に椅子が用意されていた。

「いえ、遠慮しますよ」

「えー、どうして?」

この覗き込む感じヤバイ。

うちの学校の制服は胸元が緩く、すぐに危ない感じになってしまう。

誰が考えたんだこんなの。

理事長か…………。

というか、断ったのに目が怖いんだが。

特に俺のすぐ隣にいた可奈の目が。

「会長!和也は私のです!」

待ってくれ、その言い方はダメだ。

この状況では絶対に言ってはいけないことだ。

「和也は私のよ!愛しているもの♡」

もっと危険な台詞きちゃったぁぁ!!

ヤケ食いしてます!

皆様ごめんなさい!

「あ、あにょっ」

副会長が手を挙げた。

「2人が喧嘩すりゅのにゃら、私の隣はどうでひょう」

一瞬の沈黙。

そして、周りの人達は泣きながらヤケ食い。

本当にごめん。

「やっぱりいいでしゅ!嫌でしゅよにぇ、私の隣なんて」

「お言葉に甘えさせて下さい」

一同唖然。

数人かは帰ってしまった。

「ひぇっ!?でも!そにょ!」

「和也は優希がいいのか……お父様に言っておかなければ」

「ちょっと待ってください!ただ、2人に喧嘩してほしくなくてここにしたわけで!」

退学にされそうな勢いだった。

「和也は副会長がいいのね。お母様に(ry」

「2人とも待ってくれ!俺はただ純粋に!」

2人がニヤリと笑った。

『和也を取ろうとする泥棒猫を退治しなくちゃ』

そんなところで2人の息を揃えないでくれ。

2人が副会長に飛びついた。

「ひゃっ!?ちょっ!ダメです!そんなところはぁ〜〜〜!」

とある平日の昼休み。

とある女子生徒の叫び声が校内に響いた。

それはもちろん大学側にも。


「すいません、副会長」

放課後。

副会長に謝りに行くことにした。

俺と可奈と朱音さんで。

「すいませんでした。その…ちょっとムキになっちゃって」

「ごめんなさい優希。和也が取られそうだったから……」

3人で頭を下げている。

この前より1人増えた。

やっぱり、玄関なのだ。

「い、いえっ!大丈夫れす、顔を上げてくりゃしゃい」

こんな時でもキャラ維持とは…尊敬だな。

「その変わりと言ってはなんにゃのれすが、須藤しゃん」

「えっ?はい」

俺ピンポイントですか。

「わ、私のこと。名前で呼んでもりゃえましぇんか?」

ここ3日、続けて呼び方を変えろと言われるなんて。

作者め、サボっているな?

「それはできません」

「でしゅよにぇ、出過ぎました」

「ねっ、朱音さん」

こういう時にこそ朱音さんに頼る。

「そうだぞ優希!君は嫌われているんだ!」

「しょんなっ!」

肩を落とす副会長。

頼るんじゃなかった。

「違いますよ!そうじゃなくてですね、俺は上下関係をしっかりとしておきたいんですよ!」

「じゃあ私も優希さんでお願いできましゅか?」

やはりそうくるか。

「まぁ、それなら」

「やった!ありがとうございます!」

抱きついてきた。

なんだよ、噛まずに言えるんじゃないか。

にしても、何が嬉しいんだか……。

「コラッ!優希!名前呼びだからって調子にのるな!」

「離れてください副会長!」

可奈と朱音さんが怒った。

「ごめんなしゃい」

それだけ言うと優希さんは走って帰っていった。

そして、帰る前に俺と可奈は優希さんについて色々聞いた。

この学校の美人トップ3なことを。

学年の裏アイドルなことを。

バスケ部なことを。

運動が苦手なことを。

コミュ障なことを。

どうすればいいかわからないが、コミュ障治してやりたいな。

俺は咄嗟にそんなことを考えてしまった。

しかし、コミュ障を治すのはまた今度のお話で。

残り342日



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ