校外研修と厄介な奴…ら
このバイトは休日こそ疲れるのだ。
今はバスの中。
「なぁ、須藤。君も何か感じないか……嫌なものを」
隣には厨二病。
なぜこうなったかというと…………。
ーーー今日は校外研修。
「よーし、班決めるぞー。1人ずつくじ引きにこーい」
まあ適当に引いたのだが、引きがいいのか悪いのか。
班員は俺、竜次、可奈、真生。
この真生というのは八重島真生という、クラスでも5本の指に入るボッチだ。
その理由が……。
「よろしく、あまり私に近づくなよ。奴らの標的にされるかもしれん」
これですね。ガチ厨二病。
その後の席はジャンケンで勝った順番という事にしたのだが、俺、真生、可奈、竜次という順番になったーーー。
で、今のこの状況だ。
「なぁ、真生?その厨二キャラなんとかならないのか?」
「私の名は真生ではない。ビューティーデッドローズ・ワールドコントロールサタンだ」
本人いわく、美しい死の薔薇、世界を支配した魔王という意味だそうだ。
自分の名前が真生だから魔王が語呂的に気に入ったのだろう。
これでも中学時代はイジメられていたらしい。
「あぁ、じゃあそのビューティーなんとかさん。手の包帯は何?」
手に包帯を巻き、左眼に眼帯をしている。
「この右手には神の炎が宿っていてだな」
「本当は?」
「…………リスカです」
正直だな。
まあ、イジメの後遺症というかそんな感じだろう。
「それで、その左眼は?」
「これはこの前悪魔との戦闘時についた傷で」
「本当は?」
「………カラコンしたまま寝ました」
ただの馬鹿か。
「髪が赤いのはなんで?」
「全て今まで倒してきた者の返り血だ」
「本当は?」
「…かっこいいかなと思って染めました」
まあ、似合ってはいるのだが……。
校則的にアウトだよな。
染めたのは高校に入ってからか。
厨二要素の話をしていると、目的地についた。
「よーし、着いたぞー。降りたら各班、班行動に移っていいぞー」
教師の一言で全員がバスから降りる。
そして、班行動に移った。
この班の班長は可奈。
大丈夫なんだろうか…。
「さあ!行くわよ!」
やる気満々だな。
空回りしないといいけど。
20分後。
確実に迷ったな。
「おい可奈、本当にコッチであってるのか?」
「当たり前じゃない!」
竜次は苦笑い。
厨……真生はなんか……なんかしてる。
「なあ、真生。ここどこだかわかるか?」
竜次は体が弱く、でかけることなどほとんどないから、頼れるのは真生だけ。
え?俺?
バイトがあるじゃないか。
「もちろんわかるぞ」
「本当か!?よかった、じゃあどっちに行けばいいか教え」
「しかし!これには神の力を使う必要がある」
どこに使う理由があるんだよ。
わかるならさっさと教えてくれよ。
「今私は神からの力を授かり、みなぎっている!」
「みなぎってる……ねぇ」
視線を落とした。
「き、貴様!今どこを見ていった!」
「え?俺はただ無理だろうと思って下を向いただけ……」
「そんなに大きい方がいいのか!?」
なんの話!?
「私のお、おお、おっぱいはなぁ……」
一気に顔が赤くなる。
「67なんだよ!しかしそれは神との取り引きをしたからでっ!」
「いや待て!誰もそんなこと聞いてないだろ!」
なんの数字!?
いや、聞かなくてもわかる。言わないでくれ。
「お、おっぱいを見たんだろう!大きい方がいいのだろう!?」
「見てないわ!」
「女子の…おっぱいなんか見て!何がいいのだ!おっぱいの大きい奴がすぐ近くにいるのに!小さいのを見て嘲笑っていたのか!?そうなんだろう!?」
「おっぱいおっぱい連呼すんなよ!恥ずかしいなら胸って言えばいいだろ!」
ここまできて大事なことに気づく。
可奈…………の表情は〜…。
ダメだ!目が死んでる!
「いや、ちょ、待ってくれ俺はどこも」
「サイテー」
やめてくれぇぇぇ!
そんな目で!そんな顔で!そんなことを言わないで!
傷つくから!
「っていうか!俺は道を知ってるか聞いただけじゃねぇか!」
「小さくて何が悪い」
「まだ言ってるのかよ!」
大きい方がいいのかどうかは人それぞれの判断だよ。
「まあいい。コッチに行けば大通りにでれる」
真生が指さしたのは、細い道。
まあ2人くらいなら通れるか。
「早く出ようぜ」
そう言って歩き出したのだが。
その細い道を横切ってきた奴がいた。
その顔はそこそこ覚えている顔で、何度も俺に挑んできた奴。
鮫川祥希。




