119/311
そこひなき ふちやはさわぐ 山河の
題知らず
そせいほうし
そこひなき ふちやはさわぐ 山河の 浅き瀬にこそ あだなみはたて
(恋歌四722)
底が、その深さの程度もわからないほど深い淵の場合、波が立ってやかましいことなどあるでしょうか、山の中を流れる川の浅瀬に限って、何と言うこともない波が立つものなのです。
女性から無口を咎められた男の返し、とする説がある。
自分は、口下手で、ペラペラと軽口や、浮いた言葉は使えない。
しかし、貴方を思う心は、深く本物と言いたいのかもしれない。




