531話 揉め事
虎人の問題が一応解決したが、他にも問題が出てきている。
小人族の指導の元、各種族は地下都市建設に従事している。勿論小人族に従わない種族も多く。各所で盗賊行為や嫌がらせ等の問題が多発していた。
その嫌がらせ行為などは小人族のワイバーン(赤)で対応をしている。
今や赤いワイバーンは、小人族の相棒になっている。
この赤いワイバーンで小人族の者達が活躍したことで、小人族への恨みが確実に広がっている。
これは、小人族が今迄虐げられていた事が原因であった。小人族の戦闘能力は低い、この事が他種族の不満であり、怨みを買っている。
他種族は、ワイバーンが無ければ小人族など片手でポイと出来ると思っている者が大半であり、又事実であった。
その為にワイバーンがいるために負けたと言い訳にしている。
ある酒場
狐人「けっ、小人めー、ワイバーンが無ければ何も出来ない出来損ないがー。」
熊人「まー、そういってやるな。あいつらは浮かれているのさ。その内痛い目に合わせてやる。」
犬人「そうだそうだー。ワイバーンが居なければ俺たちの奴隷だったじゃないか。」
ワイワイ、ガヤガヤと酒の入った者達は、不満を口にしていく。それは一種の発散であることでアルも小人たちも何の干渉もしていない。
だが今回は、少し違ってしまった。
この酒場に小人が、訪れてしまったのだ。普段であれば立寄ることは無いのだが、偶々酒が切れてしまった一人の小人は、酒場で酒を買うために立ち寄ってしまった。
狐人「おーーー、小人様じゃないかー、小人も酒を飲むのだなー、ガハハハハ。」
「「「「「「アハハハハハハ」」」」」」」
狐人の一言で酒場中が笑いに包まれる。
小人は無視をして酒場のマスターに対して酒を注文している。
狐人「おいおい、無視するなよ。今じゃ仲間なんだからよー、まー昔は俺の奴隷だったがな。ガハハハハ。」
「「「「「「「ガハハハハハハハ」」」」」」」」
小人「気が済みましたか、小人を笑いものにして気は済みましたか。」
狐人「おー、いっちょ前に俺様に意見を言うんだな。一昔前は意見なんぞいう事も出来なかった小人がーーー。」
小人「時代は変わったんですよ。きちんと理解しましょうよ。」
犬人「おうおう、小人よー、なめるなよ。一咬みで殺してやろうかー。」
小人「殺すですか、殺すと言った以上は、無視も出来ないでしょう。」
小人は、懐から銃を取り出していた。狐人や犬人は初めて見る物でそれが武器だと分かる者はいなかった。
バン、バン。
小人が放った銃弾は、犬人と狐人の胸の中に入っていた。
酒場は一気に大混乱となってしまった。
血を流して倒れている狐人と犬人は、床を転げ回っている。小人はワザと急所を外して打ち込んでいた。
小人「弱い小人にやられてしまいましたね。残念です。」
小人はそのまま酒場の外へと出て行ってしまった。
そして酒場にいる者達は、大急ぎで二人を町の救急室へと運んでいく。
熊人「たたた大変だ、ケガ人だー。」
救急室の門を力いっぱい叩く熊人たちがいた。
救急室の鍵が開けられ、ケガ人が運び込まれていく。
処置に当たろうと出てきた者(小人)が、傷を見て止まってしまった。
小人「この傷は、小人族のものにやられたのですね。」
熊人「おうそうだ、突然襲われたんだ。」
「「「「そうだそうだ」」」」」」
小人「此処では処置できません。」
熊人「何をー、ここは処置室だろうが、ケガ人を治す場所だろーが。」
小人「えーそうですが、この傷は罪人の証拠です。小人に対して暴言や殺すという言葉をはいた者でしょう。」
「「「「「「「「うっ」」」」」」」」」
小人「この傷のある者達は、死を待つだけです。」
小人たちは、自分の身を守る為にダンジョンで作り出されている銃という武器をアルから与えられていた。ひ弱な小人でも扱う事が出来る殺傷能力の高い武器であった。
狸人「ま、待ってくれ、このまま見殺しなのか。」
小人「別に見殺しではありませんよあなた達が治療する事は問題ありません。ここではやらないだけです。」
狸人「どうやれば、いいんだ教えてくれ。」
小人「はー、あなた達は本当に理解していませんね。小人は奴隷とでも思っているのでしょうね。」
狸人「い、いや、奴隷と思っていない。只怪我の治療方法を聞いているだけだ。」
小人「それが、おかしいんですよ。ここで治療はしないと宣言しているのですよ。何故治療方法を教えてもらえると思っているのですか、まぁいいでしょう教えれあげますよ。中にめり込んだ弾を取り出してボーションを傷に振りかけるだけですから。」
狸人「まままま、待ってくれ、ボーションだといくらすると思っているんだ。」
小人「そうですね。今の価格としては、食料一月分ぐらいですか。」
「「「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」」」」
そこへ、先ほど酒場で銃を放った小人がやって来た。
小人(銃)「あー、ここに居ましたか、探したんですよ。」
小人(銃)は数人の兵士を連れてきている。小人族ではないがこの町の兵士である。
小人(銃)はケガ人の元へ行くと「助かりたいですか」
狐人「た、助けてくれー。」
犬人「何でもするから死にたくない、助けてください。」
小人(銃)「犬人、治療は借金となります。いいですか。」
犬人「いいです。働いて返します。」
小人「いいでしょう、傷の手当と酒場での罪で労働10年とします。給料と住処はこちらで保証します。良かったですね、承諾しなければ貴方地下都市に行けませんでしたよ。フフフ」
狐人「俺は、殺すぞとは言っていない。」
小人「言っていませんね。それは分かっていますが、其れ迄あなたは小人族を侮辱していたんですよ。分かりますか。」
狐人「お、俺も承諾するから傷を治してくれよー、頼むよー。」
小人「治しませんよ。あなたは酒場でいつも小人族を侮辱していたではありませんか、貴方の罪はもう200年や300年では支払いきれないのですよ。」
狐人「えっ。」
小人「此処は小人の町ですよ、誰が何を言ったのか全て把握しているんですよ。」
「「「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」」」」
小人「いいですか、ここでの労働は地下都市を作るだけではないんですよ。地下都市に住む事が出来るかの選別の場所でもあるんです。
地下都市は、小さな世界となるでしょう、地上のように広大な場所ではないのです。乱す者は必要無いのです。」
「「「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」」」」




