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423話 狼人のハーフ

レン、マミ、トムの3人の生活は、物凄く楽しいものであった。

本来であればレンとマミは、母の指示に従い南にある拠点へと行かなければならなかったが、まずは食べる事を優先した結果、トムとこの場所で生活する事となってしまっていた。


トム「レン、いいのかこの場所で生活していて。」

レン「噂の拠点は逃げないでしょう。今はこの場所で食べ物の確保して溜まったら旅に出ようよ。」

トム「お、俺も一緒でいいのか。」

レン「当たり前でしょう。何言ってんの。」

トムはレンの言葉で泣き出してしまっていた。トムもレンも初めての友達という事で物凄く大事に思っていたのだ。


トム「し、親友だな。」

レン「し、親友だね。えへへへ。」


3人は、兎を捕まえるために数か所に罠を仕掛け、見回りと木の実の採取にほとんどの時間を使い、余った時間で自分たちの住処を改装していく。

住処と言っても大したものではなく。大きな木に梯子を作りツリーハウスのように作り出していた。


トム「んーーー、いい家だ。」

マミ「たかぁーーい。」

レン「マミぃ、これに乗って。」

マミ「はーい。」


マミはレンに言われて小さな籠に乗る。レンはその籠についているロープを必死に引っ張っている。すると籠が浮き、上へと上がっていく。

マミ「わぁぁぁぁぁ」

トム「マミ、此処が今日から俺たちが暮らす家だぞ。」


マミは、ツリーハウスから見る景色に感動している。今まで下からしか見た事が無かったために知らなかったのだ。


トムとレンは二人が食料調達時に1人で留守番しているマミを心配していた。その為にマミが安心して留守番が出来るようにと考えたのがツリーハウスであった。


木の上ならば多少自由に動く事が出来るために地上で留守番よりいいと考えたのであった。


ツリーハウスは、地上5M程の高さにあり目立たない事でもし他の種族や獣たちが近づいても襲われることは無いだろう。


レン「料理は下でないとできないよね。」

トム「木の上で火は使えないだろう。」

レン「このツリーハウスの下では料理しないで少し離れた場所に作ろう。」

トム「おうそうだな。寝るとき以外は下で生活でいいかもな。」

レン「その方がもし人が来てもバレなくていいかもね。」

トム「だねー。」


それから二人とお手伝い一人が石を集め竈を作り、煮炊きが出来るように整えていく。10日余りかかったが、休憩場所として作り上げていた。


レン「俺達って建築才能があるかもな。」

トム「レン、今頃気付いたのか。俺は最初から気づいていたぞ。エッヘン。」



レンとトムは留守番にマミをツリーハウスに登らせてから罠を確認に出かけていく。

二人は、もう昔から友達のように仲が良くくなっていた。


罠に向って二人が歩いているとトムがスッと手を挙げる。二人の合図であった。トムは猫人の為に目と耳が良く。少し遠くの物音も敏感に感じる事が出来るのだ。


トム「人が居る。」

レン「隠れて様子を見よう。」


二人は隠れながら王都の方向に進んでいく。するとグレーの毛の狼人たちが、真白な狼人の子供を捨てている現場であった。


狼人「いいか今日からお前たちは此処で暮らせ、もう村には近づくな。」

子供「そんな、村にいさせてください。お願いします。お願いします。」

子供2「・・・・・」

狼人「ダメだ。お前はハーフだ。村に災いが起きるのだ。」

狼人2「村に近づいたら殺すぞー。」

子供「お願いします。村で生活させてください。何でもします。お願いします。お願いします。」


必死のお願いも狼人の大人には届かず。狼人たちは子供を置いて去ってしまっていた。

途方に暮れる狼人の子供は、その場で座り込んだまま動こうとしなかった。

トムとレンは、どうするかと小声で話し合う。二人とももう結論は出ていたのだが一応話し合っていた。


トム「助けるか。」

レン「妹と仲良くできるといいな。」


トムとレンは狼人に少し遠くから声をかける。


レン「おーーい、大丈夫かー。」

トム「さっきのあれは酷いよなー。」


ビクッとして固まってしまっている狼人の二人は恐怖で動けなくなっているようだ。


レン「あっ、大丈夫何もしないよ。僕たちも捨てられたんだよ。あっ僕が捨ててきたのかな。アハハ。」

トム「俺は逃げてここまで来たんだけど、レンに会って今は一緒に生活しているんだよ。」


トムとレンはなるべく明るく簡単に生い立ちを説明している。二人は怖がらせないように必死で考えてた作戦であった。

狼人の二人は、絶望から少しだけ光明が差したことで恐る恐るだが話し出す。


狼人子「あ、あなた達も捨てれたの。」

レン「僕は村を捨ててきたのかな、僕もハーフなんだ。」

トム「俺は猫人だけど、攫われてしまって逃げて来た。」

狼人子「貴方たち二人で暮らしているの?」

レン「いや3人、僕の妹もいる。」


狼人の子供は妹と聞いて少し安心したような雰囲気となっていた。


狼人の子供を連れて取りあえず、自分たちの住処へ連れて行く。

そこで改めて自己紹介とこの場所が何処なのかを確かめていく。


狼人「あなた達ここが何処かも知らないの。信じられないわ。」

トム「だってしょうがないだろう、逃げるのに必死で分からなかったんだ。」

レン「僕も同じだね。南に向って進んでいただけだから地名なんて知らないよ。」


狼人は、あきれながらこの地域の事を説明していく。狼人によれば、この場所は大森林だという。大森林とは狂暴な魔物が生息している為に人々はめったに足を踏み入れる事が無いという。その為に木の実や食料となる物は豊富ですぐ死ぬ事は無いとも説明するが、狂暴な魔物がいるために殺される事が確実とも説明している。


レン「狂暴な魔物なんてあった事が無いよ。」

トム「うんうん、無いな。」

狼人「えっ本当に狂暴な魔物はいないの?」

レン「この近辺にはいないと思うよ。もう僕たちは一月以上この場所で暮らしているんだ。」

狼人「ほっ。」


マミ「おにいちゃま、マミのお友達ぃぃ。」


マミはもう一人の狼人の子供をジッと見つめてニッコリと笑っている。マミと同じ年ぐらいである事でマミはもう友達認定していた。マミはトムとレンが友達と言っている事を少し羨ましかったのだ。


狼人「私は、ミュー、この子は妹のサラよ、仲良くしてね。マミちゃん。」

マミ「えへへへへ、ヨロチクね。サラちゃん。」

サラ「う、うん。」


サラとマミは二人で見つめ合っていたが、同時に笑い出していた。そして二人は手を繋いでとことこと歩いて行ってしまった。


残された3人は、ポカンとして見つめている。



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