421話 狼、熊、鹿、中?のハーフ
アルは、グレイドと話をしてから影星内の各種族の調査に力を入れている。
ハーフが、生まれた場合の殆んどが殺されてしまっている事実を確認するためである。この調査は小人族に任せている。
唯一別種族に気軽に訪問できる者は小人族以外にいないからであった。
小人族はこの影星にとってなくてはならない存在と言える。
騎士「アル様、小人族からの報告です。」
アルは騎士から報告書を貰い内容を確認していく。
その内容は、アル達の予想通りであった。多くのハーフたちが殺されていた。
アル「はー、やはりほとんど殺されているようだな。」
騎士「ほとんどという事は生き残っている者も居るという事ですか。」
アル「ああ、生きている者はいるようだ。小人族の者がこの拠点に連れてくると報告書に記されている。」
騎士「ハーフですか是非、手合わせしたいものです。」
アル「ダメだぞ。ハーフたちは、迫害されているようだしな。」
騎士「分かっております。誤解なきように致します。」
それから数日後に小人族の者たちが、数人のハーフを連れてきていた。ハーフの親も着いてきている者迄いる。
中人と狼族のハーフ、中人と熊人のハーフ、中人と鹿人とのハーフ、中人と中人とのハーフである。
アル「中人と中人のどこがハーフなんだ。」
小人「アハハハハ、ですよね。私もそう思っているのですが、中二病と中人が結ばれてしまいまして中人達から中二病は別種族と言われているのです。村にいずらくてこの地迄連れてきました。」
アル「クソー、何故全て中人とのハーフなんだ。中二病の奴らは見境なく・・・ぶつぶつ・・」
小人「アル様、まだ大丈夫ですよ。」
アル「ん???何が大丈夫なんだ。」
小人「アル様たちは、中人と思われていません。」
アル「俺も気になっていたのだが、何故我らは中人と同種とされているのだ。間違いなく違うだろう。」
小人「ええ違いますが、この星の種族は、中人達の事を嫌っています。中二病の者たちが一番の原因ですが、中人をこの星の基本種と思っている者が多いのです。」
アル「基本種?、要は中人が元という事を信じているのか。」
小人「はいそうです。中人は他の種族と共通点が多くあります。中人から多くの種族が別れていったと思う者がいるのです。その説を否定できる者はいません。」
アル「なる程な、中人は中二病もあるが元の種族という事で排除対象となっているという事か。」
小人「そうです。各種族を纏められる存在は中人以外にないのです。まぁ力が備わっているという事が大前提ですが。」
アル「中人にはその力が無いだろう。中人は決して種族として多くはないからな。」
小人「そうです。各種族は中人が纏まり人口が増える事を警戒しているのです。纏まってしまうと負けると思っているのでしょう。」
アル「ほーーっ、中々優秀な種族だな、少しだけ先が見えるようだ.どの種族だ。」
小人は首をすくめながら肩もすくめている。答える気が無いようだ。
アル「まぁよい。ハーフたちを休ませてやれ。旅で疲れているだろうからな。」
小人「はい。ありがとうございます。休憩後に又お連れします。」
アルの前に中人とのハーフたちが並んでいる。狼に熊、鹿に中人?である。
アル「よく来てくれた。この拠点は、色々な種族が暮らしているから迫害などはない好きなだけいてくれて構わない。」
狼「移住できると聞いたのですが本当でしょうか。」
アル「ああ希望すれば移住か許可する。だが働いてもらうぞ。」
狼「私は、狼人と中人のハーフです。森の中、平原どこでも戦闘が出来ます。」
アルは思った、狼のハーフはやっぱりこの星の者だと、脳筋戦闘狂なのかもしれないと。
そして他も皆同じようなのかもしれないとも思っていた。
鹿「お俺も戦える。」
熊「お、お、おでは、戦えるですが、あ、あまり好きじゃない。ち、力はあ、あります。に荷物運びはと、得意です。」
中人「俺は、ハーフなんでしょうか?」
アル「・・・・・・そんなこと知るかぁ」
中人「そうですよね。中人達からお前は別種族だと言われていますがどう見ても同じ中人なんです。中二病の中人と普通の中人から生まれた私は如何すればいいのでしょうか。」
この中人は涙を流しながらアルに尋ねている。アルとしても中人だろうと思うが、ハーフと言われている少年は、傷つき希望も自身も無くなっている。
アル「人がどう思おうがどうでもいい事だ。お前がどう思うかが大事じゃないかな。俺から見るとお前は中人で間違いないがな。」
中人「わ私は、仲間が欲しいだけです。中人だろうが別種族だろうが構いません。一緒に食事して一緒に働いていける仲間が欲しいです。」
狼「俺も一緒に入れる仲間が欲しい。」
鹿「俺も欲しい。もう一人は嫌だ。」
熊「お、お、お、おおでもほ、ほほ、ほしい。」
アル「ならばお前たちが集まって暮らして行け。ここで働き新しい仲間も出来るだろう。」
中人「や、やります。宜しくお願いします。」
そして最大の問題児がいた。
アル「其処の中人がお前の親だな。」
中人夫婦「・・・・・・」アルに対してお辞儀をしている。
アル「お前たち夫婦は、今後どうする。この拠点で暮らして行くか。」
中人男「俺は、中二病と言われている。そんな俺でもこの拠点で暮らすことが出来るのですか。」
アル「中二病は完治しているように見えるぞ。お前自身はどう感じているのだ。」
中人男「完治していると思います。妻を娶ってからは、変な欲望が無くなりました。胸の中でモヤモヤするような事もありません。」
中人女「夫は中二病患者ではありません。きちんと完治しています。」
アル「戻る事は考えていないのか。」
中人女「戻る事はできません。中人の中で私たちは異端児扱いされてしまっています。村に戻ってももう家も無いかもしれません。」
中人男「そうなのです。もう家も無くなっていると思います。」
アル「そうかならば仕方ないな。親子3人で暮らせて行ける家を与えよう。」
中人男「お、お待ちください。3人ではありません。ご5人です。」
アル「5人?もう二人子供がいるのか。」
中人男「はい、が、頑張りました。」
中人男はアルに誇らしげに頑張ったと告げていた。アルはもの凄く対応に困ってしまった。よく頑張ったと褒める訳にもいかず。無視する事も出来ず。アルはそうかとしか答えようがなかった。




