知らない街へお買い物(前編)
鬱陶しいほどの太陽の光が差し込みその眩しさで起きると周りを見て目を見開いた。
「壁や地面いっぱいにのの字がたくさん書かれてるだと…!?」
のの字を書いたであろう犯人を見るとヨダレを垂らしながら爆睡している。
「………」
もはや何も言えないヒナタは入り口の方に歩いていき「のの字がたくさん書かれてるとか気持ち悪いわ!!」と叫びその叫び声で爆睡していたセツが跳ねるように飛び起き自分の周りをキョロキョロと見渡している。
「なんだ襲撃か!?ヒナタそこは危ない!我の後ろに下がるのだ!」
「あぁ…うんなんかごめん。でも襲撃じゃないから安心してくれ」
そう言うと警戒するのをやめ地面に座るセツ。
「襲撃じゃないのはわかったが先程の叫び声はなんだったんだ?」
「男には叫びたくなる時があるんだよ、特に理解不能な事が起きた時とかな」
そう言うと首を傾げながらもわかったと言うセツ。
「よし、話は変わるが今日はここを少しでも住みやすくする為に色々と動くか。セツ、ホームセンターとかスーパーとかこの世界にもあるのか?」
「我がそんなもの知るわけがなかろう。我は基本的に適当に狩りをして寝て過ごしてるだけだ」
例え人間の姿だろうがフェンリルなのだ。狼で神獣、人間のような生活はしてるわけがないのだ。
「なら街がどこにあるかとかわかるか?できれば昨日襲われた街じゃない場所で頼む」
「我が知ってるのは二つだけだ、一つは昨日の街、もう一つは昨日の街より大きな街だ」
「よしなら大丈夫だな。今日はとりあえず買いも…この世界の金持ってねぇよ…」
買い物と言おうとしてこの世界のお金がないことに気づき落ち込むヒナタ。
「金とはどうゆう物を金と言うんだ?」
セツがヒナタに聞くとヒナタが説明を始める。
「お金は紙や鉄でできた物だな、人の顔が描かれてたり数字が書かれてたりするんだ」
そう言うと「それなら」と言い奥に歩いていくセツ。それを追いかけ大きな岩が横にある穴の中に入ると目を見開き固まるヒナタ」
「我に挑んできた人間が似たような物を持っていたから適当にここら辺に放り投げたんだが、あったあった」
セツの手には大量に日本と同じお金が握られていた。
「ここ違う世界なんだよな…。なんでお金は一緒なんだよ」
若干困惑しながらも、これでお金の心配はないとわかったヒナタは穴の中にある適当な財布っぽいものに入れれるだけお金を入れ履いているズボンの後ろポケットに入れ込んだ。
「お金の心配はなくなった。後は街の人に聞けばいいとして…襲われないかが問題か…」
「その心配はないと思うぞ。我が人間の姿の時に襲われたことはない。襲われる時は決まって元の姿の時だけだ」
そうなると神獣が人間の姿になっている時はわからないってことか?
それなら確かに襲われる心配はなさそうだが早く買い物を終わらせるようにした方が精神的にも安心だな。
「セツ、ここから街に行きたいんだけど頼めるか?」
「ヒナタ一人で行くのか?」
「そのつもりだけど、俺一人なら昨日みたいに襲われる心配はないと思うし」
そう言うと顔を顰めながらもわかったと言いセツの目の前の空間に亀裂が入っていく。
「ヒナタが我のせいで襲われるのは嫌だからついてはいかぬ。けど日暮れまでだ!日が暮れたら同じ場所にいるからな!」
「わかった、日暮れまでに同じ場所だな。それまでに色々と終わらせとくよ」
渋々納得しているセツに手を振りながら空間の亀裂に入ろうとすると「これを持って行け」そう言い渡されたのは小さな袋。
「襲ってきた人間が持っていた収納袋とゆうやつらしい。その中から大量の荷物を出してる所を見たことがあるからヒナタの役に立つだろう」
収納袋を受け取りお礼を言うと亀裂の中に入るヒナタ「元々ファンタジーだけど定番の物もあるんだな…」そう呟く間に目の前の光景が元いた場所からどこかの街の風景に変わる。
「さぁて買い物買い物」
そう言うヒナタは知らない街で買い物をする為に歩き出す。




