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業火剣乱の狂奏曲《コンチェルト》  作者: ムササ
第一章 機械の奏でる狂奏曲
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#9 フォーチュン・ドリーム

すみません!!投稿時間を一日間違えるという……

というわけで今日は朝と夜に2話ずつ上げます。本当にごめんなさい



『そこまで!勝負あり!』


美月の首筋に訓練用の模擬刀を突きつけた時に審判であるミーシャがそう告げた。


『……私の負けだ…強くなったな鋼夜』

『おう、お前も中々強かったぞ』

『……本気を出していないお前には言われたくないな……』

『気づいていたか』

『ああ、まだまだ本気じゃないのは分かっていたよ』

『……すまん』

『いや、いいんだ。私の実力不足だからな』


今俺たちは外で自主練の模擬戦をやっていた。

メンバーは俺と美月、ミーシャ、ポーラである。

授業でも模擬戦とマラソンを開始してから一週間たち、それからは申請を出せば誰でも放課後フリーダムナイツの使用許可が出たのだ。

それから俺たちは時間が合えばみんなで模擬戦をしている。

フェルリア先生いわく、この模擬戦でも俺たちのフリーダムナイツは経験値がはいり、第二世代になるのになら十分な経験値を詰めるらしい。

そこで俺は見つめられている視線に気づく。

見るとそこにはポーラがこちらを見つめていた。

だが、ポーラは俺の視線に気づくとプイッと違う方向を向いてしまう。


〜〜〜〜〜〜〜


(ああ〜やっちゃった〜)


彼女ポーラは鋼夜の視線に気づくと後ろを向いてしまった事をとても後悔していた。


「ん?どうしたのだ?ポーラ」

「あっ、ミーシャちゃん……」

「顔が赤いぞ?」

「ふぇっ⁉︎」


(どうしよう、どうしよう。顔が赤いよ〜熱いよ〜)


それは一週間間前、鋼夜に自分の事を話した時からずっとそうなのだ。

鋼夜の事を見たり、思ったりすると顔がどうしようもなく赤くなり、熱くなるのだ。


(私……鋼夜君の事が好き……なのかな……)


「何かあったのならば相談に乗るぞ」


そう言ってくれるありがたいルームメイトの気遣いにポーラは乗ることにしたのだった。


「ふむ、それはズバリ恋だなっ!」


テンションのおかしなルームメイトに若干引きつつポーラは肯定された事が嬉しいような悲しいような変な気分となっていたのだった。



「私……鋼夜君の事が好き……なのかな?」


ポーラはこれまで男子というものに殆ど免疫がなかった。

幼い頃より女子校に通っていたポーラにとって男子は未知の存在なのだった。


「ああ、間違いないと思うぞ?」

「そっか……私鋼夜君の事が好き……なんだ……」


ポーラがそういった時、突然ミーシャがポーラの手を取り、立ち上がらせる。


「ほら!立つんだポーラ。どうやら鋼夜は強い女が好きらしいからな!私と組手をするぞ!同期の中で一番の最初に第二世代へと進化すれば鋼夜も認めてくれるに違いない!」

「えっ、鋼夜君って強い人が好きなの?」

「ああ!間違いない!」


だがそれはミーシャの思い込みである事をポーラは知らない。

ちなみに鋼夜の好みのタイプは料理が美味しい人である。


「うん!じゃあ頑張る!ミーシャちゃんお願いね!」

「任せておけ!」


その後ポーラとミーシャは何回か組手を続けた。

そして、その時2人の体を一瞬光が包んだ。


「えっ!」

「な、なんだ!」


〈〈戦闘経験値が一定まで貯まりました。解放条件を一つ満たしました〉〉と二人のフリーダムナイツがそう言ったのだ。


「今のって……」

「ああ、恐らく第二世代に行ける経験値が貯まったのだろう。あと残す条件は感情の爆発か……それは自分でも分からないからそっちの方が難しい……か」

「おーいなんだ今の光!」


そう言って鋼夜と美月が走ってきた。

そしてポーラとミーシャは事の顛末を話す。


「おお!良かったな二人とも!」

「ああ、おめでとう」


二人は自分の事の様に喜んでくれた。

ポーラが少し笑ったその時……そいつは現れた。

けたたましいサイレンの音が校舎中に鳴り響いた。


『ミーディア学園北西部にグリモアの反応を確認!生徒は至急校舎内に退避!動ける教師はフリーダムナイツに換装後、迎撃に当たって下さい!』


その放送を聞いて走った俺たちを止めたのは後ろから響く爆発音であった。

そこには校舎内に侵入した一機のグリモア。


「グリモア……おい!早く逃げろ!」


俺が怒鳴るも、美月が立てない。

どうやら爆発の際に脚を挫いてしまったらしい。

そこへ、グリモアが攻撃を仕掛けようとする。

その姿があの日の紗夜に重なった。


ドクン…

「逃げてお兄ちゃん!」

ドクン…

「逃げるのよ鋼夜!」

ドクン…

「ここはおれが食い止める!鋼夜は逃げろ!」

ドクン…

「生きて……お兄ちゃん……」

ドクン…

「お前にはーーー」

ドクン…ドクン…ドクン…


「ーーー殺す価値も無い」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


俺は気が付くと美月へと駆け寄っていた。


「この馬鹿……なんで来た」

「もう誰も死なせない!そう決めたんだ!」


だがグリモアは俺たちに砲口を向ける。

俺が美月を抱きしめ、もうすぐくるであろう衝撃を待っていると…後ろから眩い光が俺たちを照らす。

見るとグリモアが一瞬だけ、動きを止めた。

その光の正体は……


「ポーラ…」


〜〜〜〜〜〜〜


「鋼夜君!」


鋼夜が美月へと駆け寄る。

そしてグリモアが鋼夜と美月へと狙いを定める。

その時私は願ったあの人を護る力を…せめて足止めできる力を…お願い……私の好きな人を護る力を!


〈感情の爆発を確認しましたーー貴女のキーはーー恋心です〉


その時私の体のイグナイトが形状を変える。

イグナイトが光の粒子へと変わり、再分配される。


〈機体名ーフォーチュン・ドリームー〉


そう私のフリーダムナイツが告げる。

これなら戦える?フォーチュン・ドリーム。

私のその言葉にフォーチュン・ドリームは無言で答えてくれたような気がした。

ならば行こう…私の初恋の人を護る為に……


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