三人目は腐女子?
書き上げたらすぐ投稿 定時投稿のどっち良いですか? 感想もらえたエネルギーで頑張りました
愛野桜、茂の幼馴染みにして魔法少女ラブ・スエッティーである。美少女なだけに校内での人気が高く、オリエンテーションで、多くの男子生徒から班に誘われた。
しかし、彼女は全て断っている。その彼女が男子と同じ班になったと仲間に宣言したのだ。
「男子と同じ班になる?学園長から“なにかあった時の為、貴女達だけで班を作りない”って言われてただろ」
桜の言葉に反論したのはジャスティス・スエッティーこと結城光。空手部に所属しており、将来の夢は検事。好きな物は少年漫画と食べる事という少年の様な女の子である。
彼女は桜と違い恋愛には無関心で、部活と魔法少女中心の生活を送っていた。
「私も三次元の殿方は、あまり得意ではありませんので」
光に続いたのは黒髪の和風美少女、魔法少女クリエイト・スエッティーこと富所静香である。彼女は茶道の家元というリアル大和撫子だ。趣味は本を読む事と、小説を書く事。
桜は二人が難色を示す事を予想していた。だからきちんと対策を練っている。
「学園長からは茂を観察する様に言われているから問題なし。それに光……茂の班にいる照君は、家が高級料亭で料理が物凄く上手なんだよ。茂も料理が得意だし、班を組めば美味しい料理が食べられるよ」
まず恋より食い気の光には、美味しい料理が食べられるという話で説得をした。
「まじ!まあ、親友の恋愛を応援しなきゃ、女が廃るもんな」
効果は覿面で、あっさり光は陥落。食い気に負けたというのも大きいが、光は恋愛モードになった桜の怖さを知っている。
「お料理なら私も出来ますわよ」
静香は箱入り娘で、リアルの男性と接する機会が少ない。
「これは秘密なんだけどね。茂の班にいる優君は、セクシーラァバーのユーなんだよ」
桜の言葉を聞いた瞬間、静香の表情が一変した。
「えっ……もしかして歴恋で上杉謙信役の声優をやった優様?……そういえばプロデューサーが部下キャラはユー様のお友達をモデルにしたって言っていたわ。桜さん、お三方の写メありますか!」
興奮気味にまくしたてる静香。静香は重度のオタクで腐女子でもあるのだ。
「あるよ。はい、これ」
桜は笑顔で静かにスマホを見せる。
「やっぱり!このポチャリキャラとのカップリングは、定番なんですわよ……はかどりますわ!」
テンションを上げる静香を見て、にやりと笑う桜。
「こいつ……森林の顔を親指で隠してやがる」
光の言う通り、桜は茂の顔を親指で巧妙にガードしていた。
「二人共、この事は絶対に秘密にしてね」
桜は光と静香の事を信用していたが、あえて念をおす。
「推しの生活を守るのは、オタクの務めですわ」
静香は声優としての優を応援しているが、アイドルのユーには興味がなかった。
「検事を志す人間が、プライバシーを守れなくてどうする。変な事言ってクラスの奴等にまとわりつかれても、面倒だしな」
光に至っては、芸能界そのものに興味がない。桜はそれを見越して、二人に話したのである。
◇
俺、前世で何か悪い事したかな。いや、魔王だったから、人間と戦争はしたよ。でも、あれは防衛戦だったし。
家に帰宅してドアを開けたら、そこはダンジョンでした。嫌な予感がしたので、スマホを確認。
勝手に起動する教えてクレアちゃん。そして顎に指をあてた師匠が『課題クリア特典として、修行場が解禁。これで何時でも、どこでも鍛錬出来るよ♪』とのたまう。
ちなみに今俺がいるのは地下三十階位の深さとの事。ここからひたすら坂道を登っていかないと脱出出来ないそうだ。
(まあ、休み休み登っていけば……嘘だろ?)
嫌な音が聞こえたので振り返ってみると、雷が迫ってきている。強制的に走らせる訳ですか……師匠は知らない。俺には漫画で得た知識がある。足と心肺に魔力を流して脚力と心肺機能をアップ。
「これで身体機能と魔力を同時に鍛え……嘘だろ!」
嫌な予感がして目線をあげると、そこにいたのはトレーニングゴーレム。坂の上で手ぐすね引いて待っている。
「タイショウカクニン……ゲイゲキニハイル」
まだ距離があるのに、拳を振り上げるトレーニングゴーレム。知能が向上しても所詮はゴーレムか。
「この距離で届く訳ないだろ……嘘だろ!!」
ゴーレムの拳が頬を掠める。腕が伸びただと?……日本のファッションに詳しいなら、サブカルにも触れた事がある筈。
前門の虎後門の狼ならぬ前門のゴーレム後門の雷。かなりピンチです。
「オマエタオセバ、マリョクシキュウリツガアップ。クラエッ」
昨日見たボクシングの動画を参考にしてみよう。
ヘッドスリップ、スウェー、ダッキング……ゴーレムの拳を交わしなら、少しずつ距離を縮めていく。
……何体いるんだ?ゴーレムを倒してダッシュ。そして雷との距離をあける。でもゴーレムと戦っていると、雷との距離が縮まってしまう。
「やっとゴールだ!嘘だろ……」
扉に書かれていたのは、残り三周の文字。
◇
ダンジョンをクリアしたら家に着いた時間に戻っていました。体力も回復していたけど、精神的疲労感が物凄いです。
(スマホの通知が凄い事になっている!何があったんだ?)
送り主は照だった。オリエンテーションの日に何を作るのかの相談である。
でも、俺は桜ちゃんしか知らない訳で……聞くのが手っ取り早いか。
問題はライソで聞くか、直接聞きに行くかだ。
桜ちゃんの家は隣りだけど、今は夕方。訪ねるには微妙な時間である。でも、気付かれないと話が進まないし。
教えてクレアちゃんに聞く……そんな事は自分で決めろと叱れるに決まっている。
とりあえず、廊下に出て桜ちゃんの家に電気がついていたら尋ねるか。
「おー、茂。不安そうな顔してどうしたんだ?」
そこにいたのは月牙。まあ、月牙の家は反対隣だからおかしくないんだけどね。
「あー、オリエンテーションの事でちょっとな」
こうなればやけだ。俺は月牙に現状を説明した。
「桜の班は、確か結城光と富所か。なんつーか、バラエティーに富んだ班だな。とりあえず、お前が行って桜が迷惑に思う事はないから安心しろ……それとオリエンテーションは夜出歩くな」
月牙はそう言い残すと家に帰っていった。まあ、桜ちゃんも食べたい物があるだろうし……明日学校で聞こう。




