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トラストルノ  作者: なさぎしょう
序章
46/296

召集令状


ナギの一件から丸1週間、Sクラスのみ休み。

今日はその貴重な休みの2日目。


なぜか俺は、首席と真城、それから伏と一緒になって校長室に立たされている。こんな時に呼び出しなんて空気の読めねぇやつだな…





「こんな時に悪いね。」


何度見てもこの校長は気味が悪い。

聖の父親のはずなのに、その割には若すぎる気がする。男とは思えないほど整えられ綺麗すぎる顔。貼り付けたみたいな表情の数々。それから…常に見え隠れする影。

だいたい悪いと思うなら呼び出すな。


「実は、先日のPEPE幹部会にて、各校4〜5人ずつ代表を出し、SOUPに仮加入してもらうことに決まったんだ。」


「はぁ?」


まずい…思わず勢いでとんでもねぇ聞き返し方しちまった…。

しかし、そんなことは意に介さなかったようで、何事もなかったかのように話が続けられる。


「君らには手伝いをしてもらいつつSOUPに慣れていってもらおうという企画、だよ。」


「つまり在学中から正式に準戦闘員として戦地に駆り出されてくれ、ということでよろしいですか?」


首席が話をおっかぶせるように発言する。

聞く限りなにが"よろしい"のかはさっぱりわからないが、つまるところ俺らは戦地に送られるのか?


「いや、君らは(・・・)戦地ではなく別の任務の手伝いをしてほしい。」


"君達は"ということは他の3校は戦地に送られるのか?じゃあ肝心の俺らはどこに行く?


「その任務について今から説明するが、これはSOUPの特別機密事項だ。君らをプロへの逸材と認めて話すが、絶対に他言しないこと。」


じゃあ喋るな。聞けば言いたくなるのだから。


「君らには戦地以外での任務を2つ頼みたい。ちなみに今回の任務は(イースト)西(ウエスト)が手を組み行う。」


「うぇっ…⁉︎」


この反応も無視される。

いや、無視されるとかそんなことはどうでもいい。

西(ウエスト)のやつらと組む?

正気か?


「1つ目は最近巷を騒がせるテロ集団"トランプ"の討伐だ。戦争は認めても、非戦闘員や準戦闘員を巻き込んでの無差別なテロ行為は許されない。」


いや、その原理でいくなら俺らを勝手に駆り出すのだって本来は許されないんだぞ…?


「そのトランプの中でも特に我々(イースト)が目をつけているのが、"死神"と呼ばれるやつだ。噂に聞くところによると、日本刀を使って首を一刀両断。遺体はスッパリと斬り殺されているそうだが…SOUPの構成員やカンパニー側にも被害が出ている。」


「首を一刀両断?」


突然首席はそう聞き返す。


「あぁそうだ…なにか思い当たる節でも?」


「いえ…なにも。」


首席が考えているのはナギのことだろう。ナギの首にも綺麗に斬られ跡があり、首席がナギの遺体に触れた時には首だけが綺麗に持ち上がったのだ。

思い出しただけでもトラウマもの…ただ気持ち悪いとか、グロいというのとは少し違った。


「そして次の任務だが、研究施設から脱走した者がいる。さらに脱走を手伝ったやつもいるらしい。そいつらを捕まえてほしい。」


研究施設…ぼんやりと噂くらいしか聞いたことがないな。なんでも極東の元島国の領土だった場所全体を実験施設にしたんだとか。しかしわざわざ逃走者のためだけに俺らが動く必要あるか?

首席にはもっと詳しいことが分かるのか、驚愕の表情を浮かべて、恐る恐る尋ねた。


「あの…逃走者のレベルは?」


レベル?なんのことだ…強さか?


「逃走者は…………






レベルEだ。」


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