表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トラストルノ  作者: なさぎしょう
序章
47/296

死の捕物


レベル……E?

なぜそんなやつの逃走を許した?


「なぁ、Eってことは大したことねぇんじゃねぇの?」


アレイが小声で阿呆みたいなことを聞いてくる。SOUPとPEPEではランクの位置付けや呼び方が違う。PEPE(ここ)ではSクラスを除けば、AからHに向けてランクが下がる。

しかしSOUPではAからEに向けてレベルが上がる…危険値が上がるのだ。


「生憎、PEPE(うち)とは違って、SOUPではアルファベットが進むごとに危険度合いが上がるんだよ、ディモンド君。そして今回逃走したのは最悪のレベルEだ。」


「いや、なんでそんなやつ逃したんだよ⁉︎」


全くその通りだ。なぜそんなやつを逃した?

前にこっそり調べた情報が正しければ、現在レベルE認定を受けているのは被験者(ヒトガタ)が1体と、物質部門で薬物が1つだけだったはず…その程度の数を管理できなくてどうする。


「詳しい脱走の方法や経路に関しては私は聞かされていない。君らが直接SOUPの方々から聞くといい。」


「んだよ‼︎あんた信用されてねぇんじゃねぇの…情報漏らしそうとか思われてんだろ…」


アレイの毒づきに芦屋校長は少し困ったように眉をひそめる。しかし、ことの真意は違かろうと今度は真城が声を発する。


「情報の拡散を防ぐってのもあるんだろうけど…事態の収集がついた後に、全部無かったことにするためだろ?」


「…あぁ、俺らを消すってことね。確かにあんたは消しちゃまずいもんなぁ。」


アレイと真城は嫌味っぽく呟く。

しかし名影は芦屋校長の表情の変化をつぶさに見つめ、彼にそこまでの考えは無く、SOUPもその旨は話さなかったのであろうことを察した。

彼も結局は1人の父親であり教育者だ。考えと詰めが少し甘い。

優しさが時には命取りになる。


「君達には断る権利がない訳ではない…トラストルノは個人が個人として生きる場所(ところ)だからね。ただ…」


「今回は断れば死。要はほとんど断れないに等しい…と。」


名影はなんでもないことかのように、納得し、そして芦屋校長の目を真っ直ぐに見据える。


「名影零‼︎PEPE(ぺぺ)東校(イーストヤード)首席‼︎本件、慎んでお受け致します。」


背筋を伸ばし名影は一息に答える。まるで軍隊の将校か何かのようだ。

校長も他の3人も驚きで固まってしまった。

今まで聞いたこともないほど重みと張りのある大声。その眼光鋭く研ぎ澄まされた決意。そして"覚悟"。


「…っ、伏舞人‼︎PEPE東校Sクラス‼︎右に同じく‼︎」


今度は伏が言い切り、そして唇を引き結ぶ。よく見ると、固く握った拳や唇が震えている。

いくら紅楼の幹部の息子とはいえ、自分の子供の親友だ。芦屋校長は、伏舞人を複雑な目で見つめる。


「まぁ…零が行くなら…」


真城はそう呟くと2人にならって姿勢を正す。


「真城潤‼︎PEPE東校Sクラス、右に同じく‼︎」


これを聞いて、伏と真城に挟まれたアレイは顔を歪める。引き受けたくない…しかし…


「……っくそっ‼︎

アレイ・ディモンド‼︎PEPE東校Sクラス‼︎







右に同じく‼︎」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ