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8話

「はい、薬草100本確かに請けとりました」


うむ。カウンターの女に薬草を渡して依頼達成した



「っていうか薬草99本持ってるって何だよ…」



とクロードが呆れた顔で言いよる



残り一本はクロード達から貰ったので足りない何てことはなかった



「妾のポケットを舐めるでない。なんなら鋼をシリーズで出せるぞ」



「ニーナ・エヴァーグリーン様。こちらが今回の報酬になります」



と妾にいくらかの銀貨が払われたが金なんて腐るほど持っておる



「クロードよ。受け取ってはくれぬか?妾を冒険者にしてくれたそなたに礼がしたい」



「受け取れないよ。ニーナさんの薬草だし最初の依頼だ。最初の報酬は自分で使うべきだ」



むぅ…そういうもんか



しかし困ったのぅ



妾が礼もできぬ女だと思われるやもしれぬ



なんとか説得せねば…



「だったら今日の夜ご飯を一緒しませんか?こちらもお礼はしたいしそちらは金欠だから節約できます」



流石シノン!妾の参謀にしたいぞ!



魔王軍はシノンに任せた!



「でも…」



「いい」



まだ渋ろうとするクロードを遮りオルフが了解してくれた



人族もいい奴いっぱいじゃの



「この街には来たばかりだしお店はそちらにお願いします」


なるほど…そういう話にすれば向こうも高い店を選ばずこちらにも配慮できると言うことか



女子力と言うやつか


「…わかった。そこまで言うなら夕食を共にしよう。俺達もそれに合わせた依頼を受けて街に戻ろうか」



クロード達は四人で話し合っている



基本的にクロードが方針を決め他の三人が上手く舵取りをしている感じじゃな



「妾達はドミニクの店候補を探すとするか」



ドミニクに振り返り提案する

いつまでも宿屋住まいというのも困るからの。妾の宿兼ドミニクの店が欲しい



「そうですね。でも時間をかけて大丈夫ですか?急いだ方がいいんですよね?」


「ん…確かにそうじゃが…まだEランクじゃし欲しい物が手に入る依頼を請けられぬ」



調べたところ聖銀はBランクでの依頼じゃ

鉱山への立ち入りはBランク程度の強さと信頼が必要なそうだ



地道に納品系の依頼を進めるか、強さをアピールするために討伐系の依頼を進めるかじゃな



「シノン、お主はドミニクと店を探してくれ。妾はちょっくら魔物を倒してくる」


魔物を倒す依頼の他に駆除という形の依頼もある



ゴブリン10匹だとか決まった数じゃなく倒せるだけ倒してその分の報酬を貰う形のもの



報酬は依頼より減るが倒した数によって功績は依頼よりも高くなる可能性がある


金はともかくランクアップとギルドとの信頼が妾には必要じゃ



「まぁ構いませんが…派手にやり過ぎないようにお願いします」



「わ…わかっておる」



「それから…変な男には引っ掛からないで下さい」



くぅぅ…家臣どもと同じ事言いおって



「なら私がニーナと組めばいい。クロード?いい?」



クロードを下から見上げ頼み込んでいる


「いやいや…だったら同じチームで…」


また渋るクロード。確かに人数多い方が楽じゃしなぁ



「女同士で行きたい」



む…オルフよ…まさかじゃが…



「興味がある」



…………



妾はやはり男運がないのか…それとも同性愛に行けと申すか…



ならぬ!ならぬぞ!!

妾は恋がしたいのじゃ

妾は…恋愛結婚が―



「魔族の魔法を知れるチャンス」



したい…え?



…あ…そうよな。あはははははははは…




はぁ



「わかった。オルフは帰還の魔法があるしなんとかなるだろう。ニーナさんは初心者の冒険者だ。しっかりな」



「うん」



「ではクロードよ。すまぬがオルフを借りていくぞ。」



「しっかりな!よし俺達も負けてられないぞ!依頼を請けよう」


そういうとクロードはロデスとフィリスを連れてカウンターへ行った



「では私達も行きますね。」



シノンとドミニクがギルドのカウンターへ歩いていく。情報収集じゃな



「では行こう」



オルフがギルドからでて行くのを追いかける







―――――――――――――――――――――――――――




「魔族側で良かったのか?」



妾達はアディリアの魔族側の門から出てきた



「こちらの方がまだ魔物が出やすいはず。今向こうに魔物はあまり居ない。何故なら私達は有名なチームで寄った街の周辺の魔物は気が済むまで狩り尽くす。なので到着前に依頼されるような魔物はあらかた冒険者達が倒したと予測する」



「なるほどの」



「だから私はこっちに来た」



と指差した



道の果てを見ると紫の狼の群れ



ポイズンファングが7匹じゃ



妾は静かに風魔法で微風を狼に向かって流す



風上ならば匂いで気づかんはず



近くまで寄ると一匹のポイズンファングがこちらに気付いた


接敵の合図なのか遠吠え、廻りに知らせて互いに臨戦体制



「行く」



「うむ。まずは妾が行こうかの」



魔槍を横薙ぎに払い気合いを入れポイズンファングの中央に歩き進む



ポイズンファングは妾を真ん中に前に二匹、後ろと左右に一匹ずつ下がった所に二匹と位置をとった


ふむ、ではいくぞ



飛びかかる正面の狼達を地面を割り隆起させ衝突させると後ろから来ていた狼に石突きで突く



しもうた…力加減が効かず突き刺してしまった



…が、まあよい


そのままバックステップで左右の狼をかわす



もちろんぶつかりおったので怯んだ隙に石突きで刺してしまった一匹をそこに叩きつける



これで三匹は終わりじゃ



さて、次は…



「【サンダースピア】」



オルフは魔法で作り出した雷光を4つに分け放った



「ギャウウゥ!」



少しの間帯電し体を焼いていく


ポイズンファング共は黒炭になっておった



ああ…妾の獲物…



しょんぼりじゃ



「…ごめん。」



「いや…構わんよ。妾の悪い癖でな。戦いを楽しんでしまうのじゃ」



「そう。次はあげる」




そうして妾達は100匹を超したあたりで昼ごはんの為に宿へ帰り、食べ終わるとすぐに食後の運動と称した殲滅運動を再開した



魔法、スキル、マジックアイテムもいろいろ使ってやった



金額で言うなら10万ゼニーといったところか



ちなみにこの世界で金として流通しているのは硬貨じゃ



小銅貨=1ゼニー

中銅貨=50ゼニー

大銅貨=100ゼニー

小銀貨=500ゼニー

中銀貨=1000ゼニー

大銀貨=5000ゼニー

小金貨=10000ゼニー

中金貨=50000ゼニー

大金貨=100000ゼニー


といった感じになっている



妾のアイテムポケットには文字通り山ほど入っている



整理する気にもならんわ




街から結構離れた場所まで来てしまったな



「この辺で終わり。後はゆっくりしてから帰ろう」



そうじゃな。こちら側も結構狩ったしな


妾達は木陰を見つけて座る


二人分の水を出して片方を渡す



「さて…面倒は省略する。魔王ニルバーナ・バルビア・エヴァンジェリン。なんでここにいる?」



………



「なんじゃ、知っておったのか?」



まぁ隠さなすぎじゃからなぁ



「もう一度聞く?」


「いや、なんでここに来たか…か。笑うでないぞ」



魔法使いオルフ・シンガは隙なく構えておる



「妾はな…運命の出会いを信じて来たのじゃ」



「………ぷ」



「あ、笑いおったな…」



そりゃ笑うわな



しかし笑われたならわざわざ隠す必要もない。

男運の無さや見合い数665回、悪名について洗いざらい話した



「…ごめんね?」



うわぁぁぁああん!同情された!妾が!妾が同情されたぁ!!!!!



「なんだ…警戒して損した」



「そうじゃろうな」


「命懸けだったのに」



「クロードの為か?勇者なんじゃろ?」



クロードやフィリスの会話からクロードの職業は『勇者』

だと推測できる



つまり魔王の敵



オルフが一人で来たのも帰還の魔法で妾から逃げれるから、後はクロードの所在を分からなくする為か



いくら確かめる為とはいえ普通やるか?クロードを大事な仲間として扱っておるようじゃ



それにしても勇者か


勇者は…正義の味方などではない…



勇者は魔王と戦う為にもてはやされる生け贄なんじゃ



今までにも何回か勇者を葬ってきたがどいつもレベルが低いまま来おった



そして妾に負け怒った人族が聖戦と己達を偽って魔族に戦いを挑んでくる



そうして国境を越え攻めこまれ領地を何回か奪われた経験がある



以前は山三つ分越えた所に国境があったのじゃ



妾に敵無しとはいえ妾は一人、護りきれるもんではなかった


魔族はケンカはしても殺しはあまりしないからの



当時は妾も撤退命令をだしたし



「とりあえずクロードをどうこうする気はない。勇者の卵だろうと勇者だろうと関係ない。今の妾はニーナ・エヴァーグリーンじゃからな。妾の悲願を優先するのじゃ」



むしろそれしかない


「信じていいの?」


「もちろんじゃて」


「では約束」



「うむ」



妾達は互いに持っている武器を軽く合わせ約束する



こういうのは友達になったというのかの


なんか嬉しいぞ



「約束は交わしたから一つ忠告。今代の勇者はクロードの他にもう一人いる。そちらには注意」



「むぅ…」



「シンディ・ミラ・アイオニウス、『聖雪の勇者』」



女か…



「聖雪とは彼女の周囲に発生する光が雪のように降るようすを示している」



いつでも光っている訳じゃないとオルフ言われた



それくらい分かっておるわ



もし常に光っておるなら眩しくて寝られんわ



ようは光属性の加護が付いとるんじゃろ



実際に得意な魔法も冷気・光だからという説もあるそうな



…こっちが正解じゃないのか



「彼女は貴族で敬虔な教会の信徒。国の威信をかけていつかニーナを討ちに来る」



「また厄介な事になりそうじゃな」


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