魔術都市ロザリア
はい、皆様こんにちは泥陀羅没地です……はい、諸々改めて新作を出します。
投稿頻度は不定期で頑張ります…本作は不甲斐無い結果に終わらせない様に、面白い物を描けるよう頑張ります…どんどん感想下さい、誤字脱字報告もありがたいです。
〝魔術〟とは…この世に満ちる〝魔力〟を用い、超常の御業を生み出す力である。
その〝魔術〟を行使し、生み出し、探求する者達を〝魔術師〟とよび…彼等は日夜、〝至高の魔術理論〟たる〝真理〟を求める者で有る……そして。
そんな〝魔術師の卵〟を集め、育て、世に送り出すのが〝魔術学園〟であり――。
「――この場所こそ、大陸随一の魔術師達が数多在籍する〈都市国家ロザリア〉の誇る〝大陸最高の魔術学園〟〈ロザリア魔術学園〉である」
拡声器を使い、そう言う〝試験官〟の言葉に…私を含めた周囲の学生達がざわめく。
「――君達は、名誉にもこの学園へ入学する資格を得た〝魔術師の卵〟達であり…コレより始まるのは、そんな君達が…〝真にこの学園に在籍する資格者〟か否かを判別する〝入学試験〟である…皆心して掛かる様…試験は正午、〝試験会場〟にて行う…自身に割り当てられた宿へ行き、〈〝助言者〟〉の指示に従い、試験開始前に〝試験会場〟へ集まる様に!――〝解散〟!」
そんな私達へ、試験官はそう言うと…私達に背を向けて去る。
「――遂に来た…此処が、〝ロザリア魔術学園〟!」
自由時間となった〝試験生〟達が其々動き出す中…私は立派な建物が立ち並ぶ大通りと…その先に有る、どの建物よりも立派な〝魔術学園〟に目を輝かせて…そう呟く。
私の名は、〝マナリア・ノーホープ〟…一流の魔術師になる為に、この魔術学園へやってきた試験生だ。
「よーしッ頑張るぞー!」
○●○●○●
――コッ…コッ…コッ…――
磨かれた石畳をヒールが小突き…道行く学徒達が、己等とあまりにも異なるその出で立ちに声を潜めて陰口を囁く。
「――おい見ろよアレ…」
「あぁ…〝あの変人〟の…」
――コッ…コッ…コッ…コッ…――
「噂じゃもう何ヶ月も講義に出てないんだろ?」
「あの〝魔力無し〟…学生の癖に教授気取りかよ」
その陰口を背に受けながら、注目の的となった〝彼女〟はその手に溢れんばかりの食料を持って、とある〝教室〟の前に立つ。
〝レイン・マナルガの研究室〟
その名札を掛けられた古びた教室の前に立ち、〝彼女〟は一言扉に告げる。
「〝解錠〟」
『〈魔力波形〉―〝一致〟、〈声帯波形〉―〝一致〟、〈顔認証〉――〝一致〟――〈入室を許可します〉』
すると、その扉は彼女の言葉に施錠された扉を解き…彼女は開いた扉の中へ進み…部屋の〝主〟へ言葉を紡ぐ。
「――食料品の買い出しを終わりましたよ、〝我が主〟」
その声に、部屋の主はピクリと…眠りこけていた眼を擦り…声の主…己の〈従者〉を視界に捉える。
「あぁ…うん、御苦労様〝アリエル〟」
「良く眠れた様で何よりです…此処数ヶ月一睡もしていなかったので心配していました」
「だからって無理矢理昏倒させるのは勘弁してほしいんだがね」
そう言い、真っ黒な表紙の分厚い書物を取り出し、机に広げると、〈従者〉へと言葉を続ける。
「あぁアリエル…食料品の収納が終われば、以前僕が〝メリッサの連中〟に貸した〝魔道具〟を回収しておいてくれ…〝2週間の延滞〟だ、それから魔法薬科のクライエンから〝生命の霊薬〟を2本貰って来て欲しい、送金はしているから受け取るだけで良い、あともう一つ…此方の方が重要かな」
欠伸をしながらそう言う彼は、奇妙な紋様の刻み込まれた骨のペンを、黒い書物に走らせながら従者へ言う。
「〝ある試験生を雇おう〟と思っていてね…〝彼女を連れてきて欲しい〟」
「――承知しました」
その言葉にアクシアと言う従者はそう言うと、凄まじい速度で食料品を棚に収め、キビキビとした動きで部屋を出ていくのだった。
「――さて、今の内に〝申請〟を通しておくとしようか」
●○●○●○
魔術基礎テスト・・・0点
魔術実技テスト・・・0点
魔術薬学テスト・・・0点
魔術工学テスト・・・0点
魔術史学テスト・・・0点
「――以上を以て、〝マナリア・ノーホープ〟君…君を〝不合格〟とする」
「…は?」
そう言い渡された私は、思わずそう声に出し、〝試験官〟を見る。
「――ちょっ、ちょっと待って下さい、何でですか!?」
そして我に返り試験官に問い掛けると…試験官は口端を歪めてそう笑い…私へ言う。
「何でも何もねぇ…君が〝此処に入れる器〟じゃ無かっただけだろう?…いやしかし…フッ…長年この学園に勤めているが…全テスト0点の試験官と言うのは、フフッ、見たこともないが…クククッ」
「いやいや、絶対そんなの可笑しいでしょッ!?…答案の写しを見せて下さい!」
その言葉に私が食い下がると、試験官が私を小馬鹿にしたように鼻で笑いながら首を横に振る。
「君ねぇ、幾ら自分の結果が酷いからと言って〝試験官〟である我々を疑うのかね?…コレだから〝色無し〟は困るのだよ…自身の不出来を他者に責任転嫁する様な〝非魔術師〟は」
「そんな…!」
「――分かったら他の〝色無し〟共々、この学園都市から出て行き給え!」
そしてピシャリとそう言い放つと、それ以上は何も言わないと、私の言葉を無視してその場から離れる…。
――クスクスクスッ――
そんな私へ、周囲が笑い…憐れみと、侮蔑の視線を送る。
「ッ……!」
(絶対可笑しい、だって試験に出てた範囲は全部覚えている範囲内だもん…実技だってお祖父ちゃんに鍛えてもらったのに…!)
けれど、抗議するべき相手は何処にも居ない…周囲の視線は私に早く失せろと言わんばかりに嘲笑と共に私へ注がれ…私はその空気に試験会場から出て行った。
――ザッ…ザッ…ザッ…――
「ハァ……どうにかしないと…」
沈んだ心の膿を吐き出しながら、現状を何とかするためにそう頭を使い…何とか前向きな方法を考えようと顔を上げる…その瞬間。
――ザザザザザザッ!――
「――〝対象を確認〟――〝回収します〟」
「わっ!?えっ!?――何ッ!?」
不意に私の目の前に、この場には似つかわしくない美人なメイドさんが現れ、私の目を見てそう言うと…驚く私を小脇に抱えて大通りを疾走する。
「ちょっとちょっとッ!?――何なの貴女!?」
そんな彼女に私が驚きそう問い返すと…メイドさんは疾走を緩めることなく答える。
「こんにちは、マナリア・ノーホープ試験生様…マスターの命令で貴女様を連行致します、拒否権は有りません」
「えぇッ!?――巫山戯ないでッ、離してよ!」
そのあまりにも傍若無人な振る舞いに私がそう抵抗しようとすると、メイドさんは何の躊躇も無く私を掴んでいる腕を絞り、私を圧迫する。
「拒否権は有りません、抵抗する場合は武力鎮圧の後強制的に鎮静化致します」
「イダダダダッ、分かったっ、分かったから力抜いてッ!――なんなのよもぉぉぉぉッ!?!?!?」




