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第57話 ~愛は永遠に~

「終わった……のか?」

レオンの呟きから世界はゆっくりと動き始めた。


『人間たちよ。よく、世界を取り戻しました。ノクス神ダノスは封印されました』


「女神ルミナスよ!!」


その場に跪き、祈るように腕を組むエリシア。


「一つお願いがあります!!勇者の…レオンの不死の呪いを解いてほしいのです!!」


『………それは、できません。この輪廻は世界の根幹。私でさえ直接の干渉はできないのです』


「そ、そんな……」


「ちょっと!アンタ女神様なんでしょ何とかしなさいよ」


『世界を変えるのは何時も強き意志を持った人達です。世界を変えるなら、探しなさい。始まりの地を』


「始まりの地?……それは何処に…」


『神に愛されし子、レオン。貴方の魔王化は反転しました。その黄金の瞳とオーラは神の力。貴方は今、人間の枠を超えて神格化しています。向こう1000年は神力の恩恵があるでしょう………』


(小爪の先ほどでも人間には大き過ぎる……はぁ)


『神剣へと変わった、エヴァンと共に貴方の正義を貫きなさい。永年の時を生きるあなたに幸福を』


そして顕現した女神ルミナスは天界へと還っていった。


ーーーーーー


「おお!!勇者殿!!魔王討伐おめでとうございます!!」


あれから、忘却の花園を越えてサンクチュアリまでやってきた一行。

魔王ゼノス討伐の報告をした。


教会全てが喜びに湧き上がっていた。

この一報はギルドを通して世界の国々に伝えられた。


そして、レオンたちはアルディア王国首都の王宮に来ていた。

全てはここから始まったのだ。


勇者の信託が降りたと連行され、よく分からないまま、勇者にされた。

エヴァンを引き抜き、エリシアとセノンに出会った。

レオンの夢を聞いたとき、その場にいた全員が唖然としていた。

物欲勇者何て言われていた事も懐しく感じるのだった。


「帰ってきたな」


そう、この街でカインもガイダルもレオンの一行に加わった。


魔王討伐の旅はここから始まったのだ。


そして、王宮にたどり着くと、大臣の一人が血相を変えてやってきた。


「おお!勇者殿!!魔王討伐おめでとうございます!!ささっ!謁見の間へどうぞ!国王がお待ちです。」


「勇者レオンよ。此度の働き大儀であった。この褒美として公爵の地位と屋敷を与える。他に希望はあるか?」


「え?え〜と………ゴホン。王様、聖剣の巫女エリシアと王宮魔術師セノンを頂きたい。妻として迎え入れたいと存じます!」


「ふむ、良かろう。其方の夢のため、2、30人ほど器量の良い娘を集めておる。好きなだけ連れて行け」


「え?!い、いいんですか?」


「「お断りします!!」」


「ちょっとレオン!アタシ達がいるのに他にも手を出そうっての!?」


「そうですよ!美女二人を妻にするんですから十分です!!」


そんなやり取りを微笑ましく眺める国王達。

旅の始めはこんな人間がと思ったが、そんな人間だから魔王を倒せたのかもしれない。

ギルドの調査報告でも、常に使命より、仲間との旅を楽しんでいた様だと聞いた。


「フォフォフォ、使用人じゃ。広い屋敷だからの、使用人は必要じゃろう。まぁ、手を出すのもお主の器量次第じゃがな」


エリシアとセノンに睨まれながらも王様との謁見が終わった。


王様からの褒美を断ることは万死に値する。

地位なんかいらないが、その立場にならざるを得ない。

レオンの父親たちはきっと来ないだろう。ロキの町であの商店を続けていくはずだ。


そして華やかな凱旋パレードが行われ、3日に渡り祭りが開催された。


「これからどうするんだ?」


「ワシは元々この街のギルド所属だからの。このまま街に残るが行ってみたい所はあるぞい」


「俺ぁ、もう一度世界ってぇのを見て来るぜぇ。根無し草だからよぉ、戻ったら泊めてくれよな」


酔いつぶれて寝ているセノンとエリシアを傍目に、男三人の話しが始まった。


「レオンに負けんように、嫁探しもせにゃならんからのう……一度巨人族の里へ行って見ようと思っとるんじゃい」


「お袋さんの故郷だもんな」


「ああ。ライオスを倒した報告を里の人たちにもせにゃならん。お主は目的はないんか?」


「俺ぁ【始まりの地】を探してみてぇと思ってる」


「カイン……」


「なぁに、ひとり旅は慣れてる。領地なんかがあると中々動けねぇだろ?こっちは任せてくれや……譲ちゃん達の事ぁ任せたぜ」


「ああ!」


そしてジョッキで乾杯をして3人で酒を煽った。


ーーーーーー


「本当に私が第一婦人で良いんですか?」

「ええ。エリシアはレオンをしっかり支えてくれてる。公爵の妻ですもの。エルフよりあなたの方が良い……それに……ううん……エリシア、とてもキレイよ」


「セノン、貴方もとてもキレイです………私の…人の生命は短い。私はどうしても先に逝ってしまいます。どうか、レオンを長く支えてください。セノン、貴方がレオンの妻でいてくれて、とても嬉しいです」


‒‒

‒‒‒‒

‒‒‒‒‒‒

リンゴーン、リンゴーン

教会の鐘が鳴る。


祭壇の前には一人の男性。

金髪に黄金の瞳。

白い正装を纏ったレオンだった。


ガチャン


大聖堂の扉が開き、美しいウエディングドレスに身を包んだ二人の女性。

エリシアとセノンが入ってくる。


この場に集まった多くの人々がその光景を祝福している。


レオンを中心に3人が横並びとなる。


「新郎、レオン。貴方はこのエリシアとセノンを妻に迎え、病める時も健やかなる時も共に手を取り助け合い、愛することを誓いますか?」


「はい!二人を永遠に愛し続ける事を誓います!」


「新婦エリシア。貴方はこのレオンを夫とし、病める時も健やかなる時も共に手を取り助け合い、愛することを誓いますか?」


「はい!この命が尽きるまで愛し、支え続けることを誓います!」


「新婦セノン。貴方はこのレオンを夫とし、病める時も健やかなる時も共に手を取り助け合い、愛することを誓いますか?」


「はい。心身ともに支え、この身が尽きるまで愛し続ける事を誓います!」


「それでは、誓いの口づけを」


レオンがエリシアとセノンのヴェールをあげる。

レオンの両脇からエリシアとセノンが顔を近づけ、それぞれがレオンの頬にキスをする。


リンゴーン、リンゴーン

教会の鐘が再度大きく鳴らされた。


そして三人は夫婦となった。


この新しい時代を作ったレオン。

勇者であることを最後まで拒み、一人のただの人として、魔王となったかつての勇者を救った。

そして、神の力を持って今、ともに支え合った女性二人を妻に迎えた。永遠の命を持ったレオンがこの先にどの様な人生を送っていくのかは別のお話し。

勇者にならなかった勇者が勇者を超えた物語はここまで。



ーーーーーー

「僕は弱い……ただ守りたいだけなのに……」

『……力がほしいか?ならば望むがいい……』


ーーーーーー


おしまい。


構想を始めたのは4年前。 はじめはゼノスの物語を書こうとしていました。 でも、ゼノスを書くなら、まずはこの世界が救われるまでを描かなければならない。 そうして始まったのが、レオンたちの物語でした。

書き始めてみると、キャラクターたちが勝手に動き出して、どんどん物語が先へ進んでいく。 そんな感覚がとても心地よく、楽しみながら最後まで書くことができました。

個人的にはセノンというキャラクターが大好きなので、セノン分がやや多め…… いや、随分多めになってしまいました(笑)。

『Circle of Fate 〜輪廻〜』は、ここまで。

この物語では「世界の輪廻」、そして「正義の勇者ゼノスの救済」までを描きました。 ですが、Circle of Fateの物語はまだ続きます。

Circle of Fate Ep0 〜正義の勇者〜

Circle of Fate II 〜双神伝説〜

Circle of Fate III 〜そして伝説へ〜

何処まで書けるかは分かりません。 それでも、これからも楽しみながら創作していきたいと思います。

ここまでレオンたちの旅にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。 そして、これから始まる物語にもお付き合いいただけたら嬉しいです。

kashiro

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