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第41話 〜パパ〜

戦いの余韻が残る中。


「セノン、さっきのなんだ?」


ベイルを倒した魔法が何だったのか…破壊力は半端なかった。


「あれは、アルカナ•インフィニタを6条の収束砲撃にしたのよ」


「そ、そんなことして体は大丈夫なのか?……って言うか、人が踏み込んで良い領域なのか?」


アルカナ•インフイニタのみでも身体への負担は物凄かったのだ。


そんな事をして無事なはずはなかった。


「この杖のおかげよ」


視線を叡智の杖に落とす。


父と母の思いが篭った大切な杖。


「これ一本でアタシの身体に埋め込んだ増幅術式と同等の事ができるのよ」


「素晴らしいかったよ。セノン」


背後からかけられた声に振り向くセノン。


「……父様」


シルビアはセノンの肩に手を置く。


「セイリンの……母さんの研究を良く形にしてくれた。お前は私達の誇りだ」


一筋の涙が頬を伝う。


「……父様、アタシ………」


「行きなさい。お前の行く手の幸せを祈っているよ」


そして、レオンに向き直る。


「勇者殿、この度は助かった。礼を言おう。どうかセノンを頼みますぞ」


「はい」


「…ところで…「二人とも嫁」とはどういう事ですかな!??まさか付き合ってるなどとおっしゃりはしませんな!?ましてや年端も行かぬ我が娘を寝取ったリなどと!!?」


「え?え?い、いや、年端も行かぬって…」


「私の娘はまだ102歳だ!!」


「人間なら天寿を全うしとるわーー!!!」


目を血走らせながら、大きく見開くシルビア。


「何を言うか!人間と同じ物差しで考えてもらっては困るのだよ!!健全なお付き合いは180歳からです!!良い子はみんな知ってるエルフの常識だ!!」


族長の目の血走りがやばい。


「も、もう!パパったらやめてよ恥ずかしい!」


「「パパ?」」


これまで父様と言い続けたセノンの変貌にカインとガイダルが目を丸くする。


「何を言っているのセノンちゃん!パパは心配なんだよ〜なにせ二十歳で出ていっちゃうんだから!!人間なら2歳だよ!2歳!!どれだけ心配したことか!」


「あたしだってもう大人よ!レオンのおかげでい•ろ•い•ろ経験もできたし、大人の快楽だって知っちゃったもの。お酒だって飲めちゃうんだから♪」


「お酒は200になってからー!!娘が不良になりましたーー!!お前か〜お前のせいなのか〜!!」


「あ、ヤバ!逃げるわよ!みんな捕まって!!パパ〜言ってくるわね〜!!」


セノンの足元に魔法陣が浮かび上がり、テレポートしていった。

神樹の森の入り口に出た一行は…


「セノン、あんな別れ方で良かったのですか?」


「そぅだぜぇ、危険な旅だ。今生の別れの可能性だってあるんだぜぇ?」


「あれでいいのよ。しみったれたのは好きじゃないわ。父様も分かってるわ」


エリシアとカインの言葉に清々しく答えるセノン

「ま、泣きたいときはいつでも胸を貸すぜ」

レオンがセノンの肩に手を乗せた。


「行ってきます!父様…」


ーーーーーーー


「……しっかりやってきなさい。セノン……さて、ここからは私の戦いだな」


まとったローブを翻し、里の広場へと向かうシルビア。


その場には里の者、殆どが集まっていた。


「本日、この時より族長権限で以下のことを宣言する!!」


右手を大きく出し、高らかに宣誓する。


「一つ!先刻魔王配下の襲撃を受けた!魔王との不可侵条約は絶たれた!!我らはこれを反故し、他種族と共に世界の平和に向け立ち上がるものである!」


おおおおおーーー!!!


完成に湧く広場。


「1つ!ハーフエルフ禁制を解く!!他種族との交流で一つの種族を蔑ろにする事を禁ずる!認めきれぬ者もいるだろう!だが、我らも変わらなければならないのだ!!」


ーーそう、変わらなければならない。


そう遠くない未来、ハーフエルフとして生を受けるであろう、我が孫のためになーー


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