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第13話 〜邂逅〜

第3章 ~エヴァン~

ーー1300年前


勇者ゼノス「泣いても、笑ってもこれで最後だ!」


僧侶エレン「…本当にいいのね?」


勇者ゼノス「僕は「正義の勇者」だ!呪いなんかに負けないさ!」


剣士イシュト「私はお前を信じている!」


魔道士セイリン「まぁ、何かあればあたしがあんたを止めてあげるわ」


勇者ゼノス「あぁ!!……いくぞ!!」


ーーーーそして、現在


『勇者一行か…懐かしい』


魔王ゼノスの魔力が膨れ上がる。


そのプレッシャーに押しつぶされそうになる面々。


「ぬがぁ!!」


ガイダルが前に出て、魔力反射のバフが付いた盾でみんなを守る。


「皆さん!防御とスピードの効果を高めます!」


エリシアの補助魔法により、全員が緑色のオーラに包まれる。


「何とか隙を作るわ!!カイン!」


「おぅ!!」


『ファイヤーボール!!』


カインの影が分裂し、地面から魔王に迫る。


上空からはセノンのファイヤーボールが追い打ちをかける。


攻撃が魔王ゼノスに到着する前に霧散した。


オーラの壁に阻まれたのだ。


「そ、そんな!?」


『エレン……セイリン……ふっまさかな』


魔王ゼノスが右手を前に出す。


『ファイヤーボール』


巨大な火球が一行を襲う。


「ぬがあぁぁーー!!」


ガイダルが全魔力を盾に注ぎ込む。


ビキッ!


盾に亀裂が入り、火球が全員を飲み込む。


凄まじい熱と衝撃で四方に吹き飛ばされ、カインとガイダルは壁に叩きつけられる。


中央でガイダルに守られていたレオンだけがその場でしゃがみ込んでいた。


「くっ…うぅ…これが「ファイヤーボール」ですって!?…「ファイヤーバースト」並みの威力じゃない…」


魔王ゼノスがレオンの前に歩み出る。


腰に携えた剣を抜き、レオンに尖先を向ける。


『勇者よ…私に対抗すると言うなら、その聖剣の力を振るってみよ』


「ぐっ!!………おりゃーーー!」


レオンは立ち上がって右に回り込み魔王の左後ろから斬りかかる。


『…遅いな』


魔王ゼノスは右に身体を捻らせ、回る勢いでレオンの剣を弾く。


その後もレオンは足を止めず、己の最大速度で翻弄しながら斬りかかったが、全て、赤子の手をひねる様に裁かれる。


『…期待はずれだな…』


無造作に振りぬかれた剣に吹き飛ばされるレオン。


壁にめり込むほど衝撃に意識が飛ぶのだった。


『ここで消すのも情けだ。さらばだ』


魔王ゼノスが左手を前に突き出し、魔力が掌に集まってくる。


その瞬間、聖剣の柄に埋まった翠色の宝珠が強く輝き、勇者一行を包み込んだ。


光が収まると、そこには誰もいなかった。


『異界に逃げたか…エヴァンめ、余計なことを………精々強くなるんだな』


魔王ゼノスは興味を無くしたのか、宙に舞う。


『ブラックファング•インフェルノ』


地下への入り口に向かい、技を放った。


凄まじい魔力の奔流が魔獣の牙となって地下施設を破壊した。


地下から膨れ上がる爆発が、アルフェン遺跡を消滅させたのだった。


ーーーーーー


「う…うぅ…」


「レオン様!!」


レオンが目を覚ますと目の前にはエリシアが、そして後ろに広がるのは何度か見たことがある、真っ白な世界。


「……くそ!!…手も足も出なかった……」


レオンが床を殴りつけた。


「…あれが魔王…」


「それで、ここは何処なの?変態勇者の聖剣が光って飛ばされたのよ…見たところ異空間みたいだけど…」


「ん、あ、あぁ…そうだな…ここは恐らくエヴァンが創り出した異空間だ。いつもは精神体だけなんだけど…今回は肉体も一緒だ…」


『今回は危なかったな』


「……おっさん」


急に現れた気配に視線を向ける一同。


そこには甲冑に身を包んだ壮年の男が立っていた。


『この段階で魔王に邂逅するとは思わなかったがな……今回、魔王との力の差を知ってもらうために敢えて様子を見ていたが、想像以上だったな…』


「どういう事よ…」


『弱すぎる』


「ぐぅの音もでねぇ」


全員、はっきり言われ押し黙る。


確かに、あのタイミングで異空間に飛ばしてもらわなければ、全員あそこで死んでいたのだ。


「これからどうするのですか?」


『このまま死なれては目覚めも悪いのでな…せめて、戦えるようになってもらう』


「じゃぁ、アンタがぁ、修行でも付けてくれるのかぁ?」


『魔王との戦力差は一目瞭然だ。私が空間を維持できるのは3ヶ月』


エヴァンはゆっくり歩きながら話をすすめる。


『お前たち一人ずつを底上げする為にステージを準備した』


「なぁ、オメェの剣は人の話もぉ聞かずに物事進めんのかぁ??」


カインが怪訝な表情でレオンに詰め寄った。


『3ヶ月、生き残ることだ』


パチン


エヴァンが指を鳴らすと、レオンを除いて風に巻かれるように姿を消した。


「み、みんな!!?」


『案ずるな、それぞれの修行場に向かってもらった……お前はここだ』


パチン


更に指を鳴らすと、岩場の空間へと変わった。


『レオン、お前にはこの男と戦ってもらう』


「!!!? こいつは!!?」


『先代の勇者だ。「正義の勇者ゼノス」』


「どういう事だよ!?コイツは…コイツは…さっきの魔王じゃないか!?」


そう、正義の勇者ゼノスは魔王ゼノスそのものだったのだ。


『先代の勇者が魔王となった…それだけのことだ』


「それだけって……理解できるかよ!!」


『理解できようができまいか、受け入れろ。今のゼノスは勇者だった頃より強い。この勇者の残像が倒せないようでは、返り討ちに合うだけだ』


こうして、レオンたちの修行が始まるのだった。


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