第九話 はたらく魔戦機
指定された店に足を運ぶ。
「ロイ様ですね。二階、通路奥の部屋になります」
言われた場所へ。
「この部屋で良いのかな」
扉を開け部屋の中へ。
「おー、来たか」
「呼び出して済まなかったな」
「かまわないよ」
「王宮に呼ぼうかと思ったんだけどかたっ苦しいのはキライだよね。そういうわけで普通のお店にしたよ」
「助かる」
普通と言ってもかなり高級そうなお店だ。貧乏魔戦機乗りの俺には滅多にコレないところだな。
「では、お料理をお持ちいたします」
俺が椅子に座るとお店の人が部屋の外へ。
「それで話って?」
「ああ、金策に苦労していてね。割のいい仕事を紹介してもらいたいなと」
「ふむ」
「いいとも」
ほっと胸をなでおろす。断られると結構苦しくなりそうだったからな。
「よくあることだしね。すでに何人かそういう人間を抱えている」
「ただ、レフトレスの場合はちょっと条件を絞らないとかな」
「それはそうだな」
「正体を知られるとまずいし私と組むか単独か」
「それに強すぎる。戦争では基本使えないね。んー、防衛ならギリギリありか」
「まあ、いい仕事をみつけたら連絡するよ」
「頼んだ」
「じゃあご飯を食べよう!」
「おう!」
料理は絶品だった。いつも干し肉生活を送っていたからな。こんなジューシーなお肉はいつぶりか。胃袋にしみる。
食べたいだけ食べ、少し談笑後帰ることにした。
「悪いな、なんかご飯食べに来たみたいになっちゃって」
「いいよ。大勢で食べたほうが美味しいし」
「それじゃ」
「またー」
店から出て、宿屋へ。
「よかったんですか? ファティア様」
「なにが?」
「この国の防衛代ですよ。一国救ったようなものなんだから莫大な報酬を出しても良かったのでは」
「ぬふふ、お国ってのはセコイんだよ?」
「えー」
「真面目な話、彼の存在を隠蔽、情報操作するのに結構お金がかかるからね」
「それはそうですね」
「いいじゃないか、仕事を紹介するわけだからさ」
翌日。ギルドへ行くと、派手な飾りを取り付けていた。
「来週この国の建国記念日なんですよ」
「なるほど」
「まあ、いつも市場があるから毎日が祭りみたいなものだけど」
「はは、ロイさんたら」
受付の子に冗談を言った後、依頼を受ける。そしてその依頼とは!
パーティでの魔獣討伐、いつものやつである。
「毎回魔獣が変わるし退屈ではないんだけどね」
パーティを組みギルドを出る。
「お、医療補助用魔戦機だ。珍しいな」
パーティの一人が変わった魔戦機をみつけた。
「目が見えない、耳が聞こえない、その状態でも魔戦機に乗れば見える聞こえる、となるんだっけ」
「ああ。便利な世の中になったものだ。ただお高いらしいが」
そのような使い方をしだしたのはつい最近らしい。
「貴族の人が乗っているのかな」
「だろうな」
「あっちじゃ家の取り壊しに魔戦機を使ってるぜ」
「ボコーン」
魔戦機が家の壁をハンマーで叩き壊していた。
「ハッハ、派手にやってるな」
「建築は結構早い段階から使われていたんだってな」
はたらく魔戦機、良いと思います。
数時間後、狩りを終えギルドへ戻る。その日はもう一度狩りに行った。
次の日。朝食を食べようと宿屋の食堂に行くと女将さんに呼び止められた。
「さっき知り合いだって人から手紙をもらったよ、ほい」
「ありがとうございます」
手紙を広げ内容を確認。
「早速お仕事だ! 魔戦機を持って魔戦機屋へ来てくれ! 出来るだけはやめに! 店長には手紙に同封されているメダルを見せて」
緊急かな。朝飯は抜いて魔戦機屋へ行くか。
「いらっしゃい」
魔戦機屋は朝早くからやっている。なかなかハードな仕事だと聞いた。
「知り合いからこれを見せるように言われたんですが」
メダルを見せる。
「……、了解。店の奥へ」
奥へ通された。
「お待ちしておりました」
そこにはファティマの部下の人が。
「昨日大雨が降りましたよね。その影響で川の水量が増えまして、ココで何人か逃げ遅れた人が」
地図を取り出し指をさす。
「レフトレスさんなら簡単に助けられるのではと」
「そいつは大変だ。すぐ行きますよ。ファティア王女は?」
「すでに現場に。それから魔戦機の搬送は必要ないですよね?」
「ええ大丈夫です」
「ではお願いします」
すぐに現場へ。そこには川の中州に取り残された人が。
「お、来た。早速頼むよ」
「あいよ」
ササッと全員救出。
「ありがと。飛べるって良いねぇ」
「正確には飛んでるわけではないんだけどね」
「飛ぶ魔戦機ってあんまりないのか?」
「私が知っている飛べる魔戦機はレフトレスだけかな。ただ各国で秘密裏に魔戦機を作っているからなかには飛べる魔戦機があるかも。門外不出、国家機密で調べようがないけどね」
「なるほど」
ゲームなら高いけど普通に売ってたんだけどな。やっぱ多少違う世界なのかな。




