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Ep.0 プロローグ

ここは4つの種族が共存する大陸国家「エヴァンス」。

この国が平定されて3000年、毎年欠かさず行われてきた"星降りの儀"。

平和を願い、星を降らせる神聖な儀式。


——だけど、その年は違った。

5万年周期で周回してる彗星を呼び寄せてしまう。

後に"凶星"と呼ばれるその彗星、衝突を免れる術はなかった……。


*****


エヴァンスは四つの国から成り立っていた。

秩序と法の人国。

魔法と科学のエルフ国。

鉄と炎のドワーフ国。

自然と精霊の獣人国。


四つの国が交わる大陸の中央に王城はあった。

王は世襲制では無く、各種族の持ち回り制。

10年周期でそれぞれの国の代表が王になる習わしであった。

そして今世の王は人国……。


*****


その年の星降の儀にて、エルフの宮廷魔導士たちは祭壇にて儀式を執り行い、狂星を呼び寄せてしまう。


その事実を知った王は四国会談を開き対策を講じようとするが、衝突を回避させる策はことごとく失敗に終わる。

全ての生物が、ただ滅びの日を待つのみであった……。


エルフ国はその魔法力と科学力を駆使し、地下深くに冷凍睡眠装置を作る。

ドワーフ国は谷の底に鉄のシェルターを作る。

獣人国は精霊に祈り全てを受け入れる。

そして人国——。

その日、王は全国民に告げる。

「我と、我が愛娘であり星降の姫巫女である王女マリルとで、王家の谷の祭壇にて儀式を執り行う」

そして王は、それは人の身では耐えられないほど過酷な儀式であると告げ、お供も伴わず、たった2人で儀式に挑むと宣言。

数々のアーティファクトなどを馬車に詰め、王家の谷へと向かう。


だがそれは偽りであった……。

王は我が娘可愛さに国民を裏切り、国中のアーティファクトと財宝を持ち出し、王家の谷に結界を張り、魔法のチカラで眠りの封印を施していたのであった。


*****


——それから数ヶ月後。

凶星が目視できるほどに迫ってきた、その時であった。

全ての国民が空を見上げる中、凶星が突如4つに分裂したのであった。


その欠片の内、一つは大陸中央に落下。

その衝撃で大陸は4つに割れてしまう。


2つの欠片はそれぞれ東と西の海に落水。

その衝撃は大津波を引き起こすこととなる。


そして、最後の一つの欠片は、運悪くエルフ国を直撃してしまう。

その衝撃でエルフ国は半壊、多くの住民に被害を出してしまう。


結果的に滅亡を免れたエヴァンスの住民たち。

凶星を分裂させたのは当代の王と、星降の姫巫女のお陰であるとし、その偉業を称え、代々語り継がれていった……。


だが、凶星の欠片が落ち、壊滅的な被害を受けたエルフ国だけは違っていた。

この大惨事を引き起こしたのは人国であるとし、人国に対して賠償戦争をしかける。


*****


永き渡る終わりの見えない戦争が勃発してから200年。


——ここは封印された王家の谷。

眠りの封印が解け、目覚めるマリル姫。

「……ここは、たしか王家の谷……」

長き眠りの影響からか、思考が定まらないマリル。

「……ガイコツ……この王冠は、お父様……」

マリルのすぐ横には白骨が横たわる。そしてその白骨のすぐそばには王冠が転がっていた。

「……お父様……最後の言葉……」

それは王と最後に交わした言葉。

「オマエは生きろ。何があっても生きてくれ……」


「わたくしは……生きなければ……」

王の最後の願いを叶える事を硬く誓う。

「このアーティファクトは、たしかアイテムボックス……」

アーティファクトのチカラと、王が残してくれた財宝をアイテムボックスに格納し、王家の谷を後にするマリル。


彼女の名前は〝マリル・マーリルリウス〟、星降の姫巫女と呼ばれた12歳の幼き少女。

凶星落下から200年後、4つに分裂した大陸国家エヴァンスの現状はどうなっているのか?

運命を背負った幼き姫の物語は、ここから始まる……。

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