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エピローグ:助手席の笑顔と、続く道

エピローグ:助手席の笑顔と、続く道

この『生還の記録』を書き終えた今、俺の背中と胸に刻み込んだばかりの刺青が、まだ熱を持っている。

自分の過去を文字にして振り返る作業は、かさぶたを無理やり剥がして古傷をえぐるような、ひりつくような苦痛を伴った。だが、最後のページを書き切った今、俺の心にあるのは不思議なほどの静寂だ。

四月。季節は確実に巡り、春の匂いがし始めている。

中旬には、妻の誕生日が控えている。俺を絶望の底から救い出し、三人の子供を抱えながら五百万円という重すぎる愛を無償で差し出してくれた彼女。今年は少し奮発して、日常の喧騒から切り離された上質な空間へ彼女をエスコートし、二人きりでゆっくりとグラスを傾けるつもりだ。

愛車のBMW 530i Luxuryのハンドルを握り、滑らかなエンジン音を聞きながら、助手席で笑う彼女の横顔を見る。その時、俺はきっと「ああ、俺の人生はこれで正解だったんだ」と、心から確信できるはずだ。

化け物たちから逃れ、もがき苦しみ、血を吐くような思いで手に入れた今の生活。

道はまだ続く。生きていれば、これからも理不尽なことは必ず起きるだろうし、理不尽に噛み付かなければならない場面もやってくるだろう。

だが、俺はもう二度と絶望しないし、迷わない。

俺の背中には般若が、正面には向龍が、そして隣には、俺が命を懸けて守り抜くべき最高の家族がいるのだから。

最後まで俺の拙い、だが嘘偽りのない記録に付き合ってくれた読者の皆様に、心からの感謝を。

あなた自身の人生にも、美しい暁が訪れることを願って。

二〇二六年 四月 ―― 暁の空を見上げて

【完】

最後まで『生還の記録 〜暁の轍〜』にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。これにて完結となります。

過去の地獄を文字にして掘り起こす作業は決して楽ではありませんでしたが、読んでくださる皆様の存在(アクセス数)が、最後まで書き切るための何よりの力になりました。

もし、この嘘偽りのない実話が少しでもあなたの心に刺さったなら、あるいは「こいつのこれからの人生を応援してやろう」と思っていただけたなら、ページ下部から【☆☆☆☆☆(星5つ)での評価】と【ブックマーク】をお願いできないでしょうか。

それが、過去の俺を完全に成仏させ、これからの未来を生きていくための最大のモチベーションになります。感想もすべて、大切に読ませていただきます。

これまでのお付き合い、本当にありがとうございました!

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