旅立ちの日
ずっと考えてた。
僕はなんの為に生きてるのか、
10年後、何をやってるのか予想もできない。
周りの友達は明確ではないが、幾らか夢を持っている。
僕にはその夢すらなのだ。
それなのに塾に行って勉強して、両親に気を使って毎日を生きている意味は
どこにあるんだろう。
僕が死んだ後、皆どんな顔するんだろうか
泣いてくれるだろうか。
でもすぐに忘れられてしまうだろうなぁ
そんな変な事を考える余裕は僕の心の中には
まだあるようだった。
自殺を視野にする人間は
精神状態が良くないのはもちろんうつ病などの
精神的病に侵されているというが、僕はそこまでには至っていないだろう。。
いや、至っていない。自信がある。
しかし、死への恐怖感は皆無だった。
むしろ、死への好奇心の方が強いのかもしれない。
よし。今日にしよう。
そう思った時には、身体が勝手に動きだしていた
母親の寝室に睡眠薬があるのを知っていた僕は、母がいない事を確認してから
そこにあるすべてを拝借した。
自分の部屋に戻り、遺書を書き始める
両親、友達、思いつく人 皆に書いてみた。
もう会う事の無い人宛に書く手紙は意外とスラスラ書けるものだったが
あの子の存在について書くのは少し戸惑ってしまった。
今まで考えないようにしていた為
悔しいが時間がかかってしまったのだった。
死ぬ前まであの子に振り回されている気がして、
より一層死にたくなった。
そのまま大量の睡眠薬を頬張った。
...やっと解放される。さよなら