挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
素人おっさん、第二の人生でサッカーライフを満喫する 作者:ハーーナ殿下@青森県弘前市
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

5/67

第5話:【閑話】:幼稚園の先生の話

 《幼稚園の先生の話》

 えっ? 『野呂コウタ君の話を聞きたい』……ですか?
 はい、大丈夫です。

 私はこの幼稚園で三年間、コウタ君の担任でした。
 今思い出してもコウタ君は、本当に目立つ子でした。

 入園当初は普通の子の印象でした。
 でも、すぐに……あれはサッカー教室のくらいから、組でも目立つようなりました。

 コウタ君は、少し大人っぽいところが、あったからでしょうか。子どもたちの中でリーダーになって、率先して遊んでいました。

 特に大ホールや園庭で遊ぶ時は、誰よりも元気に遊んでいました。大人数で遊びながら、大きな声で他の子たちに気をかけていました。

 歳上のクラスの子に対しても同じです。入園して半年くらいで、幼稚園のリーダーになっていました。

 昔で言う番長みたい感じですか? それは言いすぎですが、本当に元気で積極的な子でした。

 そう言えばコウタ君のことで、少し心配なことが以前ありました。

 それはコウタ君がいつも足に、怪我をしていたこと。すり傷や打撲の跡が、常に絶えなかったのです。

 本人に聞いても『家の隣の空き地で遊んでいて転んだ』と答えてきました。
 でも、あんな毎日にように、新しい傷を作る子は今までいません。

『もしかしたら家で、虐待を受けているのではないか?』

 幼稚園の職員会議で、他の先生からそんな心配もありました。でもコウタ君の両親は、そんなことをするようには見えません。

 だから担任である私は、こっそり見に行くことにしました。降園バスでコウタ君が帰宅した後に。コウタ君の家の近くまで。
 もちろん偶然を装ってです。

 私はそこで、驚愕の光景を目にしました。
 コウタ君はたしかに彼の家の隣の空き地で、一人で遊んでいました。
 サッカーで遊んでいました。

 でも時間の長さが問題なのです。
 降園した午後の三時から、暗くなる夕方の五時まで。あの子はノンストップで、ずっとサッカーボールで遊んでいたのです。

 すごい集中力でした。
 ボコボコの草むらの空き地に、空き缶を並べて。そこを何度もボールを蹴って、ずっと遊んでいました。

 しかも裸足でした。
 何度も転びながら、何度も起き上がって、同じところを回って練習していました。

 私はサッカーをあまり詳しくありません。でも、二時間もあそこまで集中することは、凄すぎると思いました。

 そして驚いたことに、コウタ君は本当に楽しそうでした。転んでも、息を切らしても、汗を流して笑顔で遊んでいました。

 いつもの幼稚園の大人ぶった顔とは違い、無邪気な子供の笑顔。
 その光景に私も思わず二時間、ずっと見とれてしました。



 えーと、何の話をしていたんでしたっけ?

 そう、野呂コウタ君の幼稚園時代の話ですよね。

 コウタ君は本当に元気で目立つ子でした。
 卒園してしまって、私も少し寂しい時もありました。

 でも大丈夫です。

 だってコウタ君の活躍は大きくなってからも、色んな紙面で見ることが出来たからです。
ツギクルバナー
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ