送りの罠1
ホスト2日目にして初めての【送り指名】を獲得した俺は閉店後のそれぞれのホスト達が各々自由な場所に腰を降ろしたり、自分の担当の姫にRAINを送ったりと過ごす中、俺はカウンターの中で閉店後にする必要がある何か作業している内勤さんの加藤公康さんに近付いて、教えて貰った通りにやったら上手く行き【姫の名前】【姫の連絡先】【送り指名】を取る事が出来た事に深く深く感謝の意を示すと、加藤さんからも。「やったね。良かったね。」と言って貰えた。
その後1つのBOX席のソファに身体を預けて座っているとカウンターの方から、誠がやって来て俺に声を掛けてきた。
「聖~今日の帰りのご飯は中華に決まったから。」
と言ってきたので俺は誠に。
「それって毎日仕事終わりにご飯食べに行ってるの?」
そう聞くと誠から。
「そうだよ。まぁ軽いミーティングも兼ねてるし、後は姫神さんや売り上げある他の先輩が俺たち若手にご飯食べさせてやりたいって思ってくれてるのもあるから。なんか昔はもっと最低保証が低くて、若手は先輩にご飯の殆どを面倒見て貰ってたんだってさ、その名残りもあるみたい。まぁ流石に今は仕事終わりの俺たちにとっては夜ご飯だけになってるけどね。早乙女さんの派閥でも、桐生さんとこでも毎日、行ってるはず。まぁアフターとかで参加出来ない人も居るだろうけど。ウチも今日は姫神さんアフター行ってるから、No.5の八神さんが連れてってくれるって。八神さん中華好きだから。」
そう聞いて「環さん担当の八神さんって姫神さん派閥の人だったのね……。」と初めて知った。
そして昨日も姫神さんと一緒に仕事疲れ終わりにご飯を食べに行った、俺。誠。渋谷さん。の掃除組3人の若手と昨日のご飯に行く前に誠から【響司】さんって紹介して貰った何とかギリNo.入を保ってる、俺が中学3年生ぐらいの時に放映してた、変身するヒーローに出演していたイケメン俳優にソックリな顔した先輩と八神さんの5人で、八神さんの好物の中華料理を食べに行く事となっているようだ。
正直、中華料理は胃もたれしそうであまり得意では無いが、ご馳走してくれる事。先輩の好み。なのでそこは後輩が妥協する。ぐらいの常識は持ち合わせている。ビシッと決めたスーツ姿のこのエリアなら誰が見ても仕事終わりのホストにしか見えない俺たち一行は、ホストクラブひしめくエリアから普通の飲食店なんかもチラホラとある繁華街エリアに移動して、目的のお店に入った。店内では少し大きめの中華料理屋でよく見る朱色の丸いテーブルに全員揃って座れた。
そして最初に提供された各自が頼んだドリンク(アルコールを頼む人は居ない)の入ったグラスを持ち、盛り上げ役がいかにも上手そうな誠の。
「それじゃぁ聖の初めての【送り指名獲得】に乾杯~♪」
そう言ってくれてみんなで乾杯をして、その事を自分の担当してる姫の相手をしていた、八神さんと響さんはその時に初めて知ったらしく、自分の事の様に喜んで何度も「おめでとう。」と言ってくれた。俺は優しい先輩達に囲まれて幸せだ。これなら続けて行ける絶対。と、このホストと言う仕事をもっと頑張ろうと決めた。
「あっ東堂君。送りした姫様にはもう連絡先は聞いた?」
そう先輩の八神さんから聞かれ「はい、聞きましたRAINのIDを交換してます。」と答えると。
「あっ!それなら今すぐに姫に【今日のお礼】【送り指名してくれたお礼】【何事も無く帰り着いたかの安否確認】【軽めの営業トーク】をRAINのトークで送ってあげて。誠!お前着いてて何で店閉店するまでアドバイスしなかったんだよ?タイミングあったろうが!」
と見るからに優しさの塊の様な八神さんが誠に対して怒ってる姿を見て、俺は誠に対し俺が聞かなかったばかりに怒られて申し訳ない気持ちになった。誠は八神さんに「自分の事のように嬉しすぎてテンパって忘れてました。」と素直に謝っていた。
俺は後でちゃんと誠に代わりに怒られてくれてありがとう。と言おうと決め。八神さんに言われた通りに姫へのフォローも大事だと。ポケットからスマホを取り出し、RAINアプリを開いて今日新しく友達追加したばかりの初めて送り指名してくれた【玲奈】さんに。
【玲奈さん本日は本当にありがとうございました。楽しい時間を過ごす事が出来て嬉しかったです】
【玲奈さんがお店から出られる時に送り指名をしてくれた事本当にありがとうございました。初めての送り指名が玲奈さんで本当に良かったです】
【玲奈さんは無事に何事も無く帰り着きましたか?心配ですから無事にかえれたのなら一言でいいのでお返事下さい待ってます】
【また今度は今日少ししか話せなかった日本酒の話しをゆっくり2人で楽しみましょうね待っています】
と玲奈さんのIDに向けてトーク発言で送信した後直ぐに全てのメッセージに【既読】が付き玲奈さんから。
「今日はありがとう。楽しかったよ。」
と返事も貰えた事を、誠や八神さん達に報告をした。




