524 ぼくだけの武器
「おおおおおおおおおっ!!」
「どだい、ええ代物ができたと自負しておる」
「ふぉおおおおお……」
なんかすごく綺麗な箱物に丁寧に入れられている僕の双剣。
すごくおしゃれじゃないですか! すごくかっこいいし!
アルマとアンも自分たちの武器と装備を付けて盛り上がってる。
「かっこいいです、これ!」
「じゃろうじゃろう」
鑑定をしてみると、双剣の名前が見えてきた。
▽名称:白銀天照
▽効果:魔素消費量20%減・魔素回復15%増・魔素放出率30%増・軽量化・回帰・主刃一体
「うおお……なんかてんこ盛りだ……」
「ん? 鑑定ができるんか?」
「あ、一応……あははー……」
「じゃあ説明する必要もないか。この武器はオマエさんにピッタリな武器にしたのよ」
「ぴったりな武器ですか?」
と聞いてみると、おうよ! と口ひげを持ち上げた。
「武器っつーもんは強けりゃあいいってもんじゃあねぇのよ。龍の鱗を引き裂く大剣? 地面を割る大槌? 古い古い! 武器は主人に従い、決して先に倒れちゃならねぇ存在で有り続けなけりゃならん! 主人の成長を邪魔するなんて言語道断!」
双剣に人さし指を突いて、興奮のあまり唾を散らしながら熱弁をする。
「この武器はなぁ、クラディス! お前自身だ!!」
わあ、職人さんの熱弁だ。すごく気持ちを込めて作ってくれたんだな。
ということは……えーと。
「もしかして、この主刃一体っていうのが」
「そう! ステータス、スキル、称号なんかに比例して最適な能力になんだ。駆け出しに持たせてもよし、熟練者に持たせてもよし。庭師に持たしたとしても最高の結果を出してくれるだろうさ」
「おおおお……すごい……」
「普段は短剣を使っとるんじゃろう?」と言って、僕があらかじめ渡していた質素な短剣を取り出した「白金等級の冒険者が持つような武器じゃあねぇし、耐久力も無いにも等しい。グリップ感はこれに似たような造りにはした。握ってもらってええかの」
箱から出されて、握ってみるとびっくりするくらい自然に指が収まった。
なんだ、すごく感動する……。
「どだい?」
「めっちゃしっくりきます……」
「事前に握り方やら、指の長さっつーもん見させてもらったけんの。つってもこれから成長するじゃろうし、グリップ部分はたまには変えにこんといけんかもしらんが、向こう数年は大丈夫じゃろう」
「ありがとうございます!」
その時、ぽわ、と双剣にボードが表示された。
──【白銀天照が主人を認識しました】──
──【ステータスや称号が反映されます】──
反映されると表示されて、白銀の刀身が身を焦がすように色を変えていく。
「おお、認識したか。刃の色は白銀がベースじゃが、ステータスや魔素によって色が変わる。そしたらもうこの世に一つだけの武器になる」
握っていた双剣の刀身は左右で違う色へと変化した。
白銀色をベースにして少し紫色へ変化し、もう一つは黄色に近い色へと変わった。
瞳の色にも影響をされてるのか……なるほど。
「ええ色になったんじゃないか?」
「はい……僕の好きな色です」
「じゃあ、投げてみろい」
「投げるって?」
「ぽいと、ふつーに、あの壁に向かって投げてみろい」
言われた通りナイフ投げの要領で投げてみると、コルクの壁に深く突き刺さった。
うげ、手加減して投げたのにありえないくらい刺さってる……。
「ほれ、手を広げとかんかい」
「手を?」
「阿呆、そりゃ腕じゃ。恋人でも抱きしめるんか。手じゃ。回帰する武器じゃぞ」
腕ではなく手を広げるとそこに収まるように武器が戻ってきた。
握っていた面で戻ってきたことで、しっかりと手に馴染んでもくれた。
「おおお……」
あれだ。あれみたい。麻央さんの使ってた武器みたいだ。
「かっこいい……」
「だろう! 武器っつーのは堅実さも必要じゃが、ロマンもあってこそよ」
さすが分かってらっしゃる。
自分だけの武器ってやっぱり興奮するよな!!
万能鍵とかそういう男の子って大好きだもん。昔を思い出すなぁ。




